最近では、大事なファイルをクラウドストレージなどに保存する方が増えてきていますが、ローカルに保存しているという方も依然としていらっしゃるのではないでしょうか。
大事なファイルをローカルに保存している環境で困るのが、OSが正常に起動できなくなったり、サインインできなくなってしまうといったトラブルに見舞われて、大事なファイルにアクセスできなくなってしまうケースです。
そこでここでは、正常に起動できなくなったWindows 10パソコンからファイルを救出する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1903 |
セーフモードで起動して救出する
Windows 10のサインイン画面までは起動できるのであれば、まずはWindows 10をセーフモードで起動できるか試してみましょう。
Windows 10をセーフモードで起動する手順は、以下の記事をご覧ください。

無事セーフモードで起動しサインインできたら、外付けHDDやUSBメモリなどを接続して通常のファイル操作でファイルを救出します。
インストールメディアから起動してを救出する
セーフモードで起動できてもサインインできない場合や、セーフモードで起動できない場合は、Windows 10のインストールメディアから起動して、ファイルを救出できるかもしれません。
インストールメディアは、以下の記事で紹介している「メディア作成ツール」を利用して作成します。

ファイルの救出手順は、次のとおりです。
Windows 10のインストールメディアから起動すると、次の画面が表示されるので、右下の「次へ」をクリックします。
次の画面で、左下にある「コンピューターを修復する」をクリックします。
「オプションの選択」画面が表示されるので「トラブルシューティング」をクリックします。
「詳細オプション」画面が表示されるので「コマンドプロンプト」をクリックします。
コマンドプロンプトが起動したら、xcopyコマンドやrobocopyコマンドなどのコマンド操作でファイルをコピーする方法をご存知の方は、外付けHDDやUSBメモリを接続してファイルを救出できます。
コマンド操作が不安な方は、コマンドプロンプトが起動したら「notepad」と入力しエンターキーを押します。
すると、メモ帳が起動するので、外付けHDDやUSBメモリを接続して、メニューから「ファイル」>「開く」を順にクリックし、ダイアログ画面を表示させます。
救出先デバイスをUSB3.0ポートに接続していると、認識されない場合があります。その際は、USB2.0ポートに接続してください。
ダイアログ画面が開いたら、この画面上で救出したいファイルを保存先にコピーできます。
なお、ダイアログ画面でフォルダーやファイルをコピーする場合には、以下の注意事項があります。
- コピー処理中の進捗が表示されないので、大容量のデータをコピーする際は、コピーが完了しているかどうを、アクセスランプなどで確認してください。
- ファイルのコピーが完了しても、ダイアログ画面上に反映されない場合があるので、その際は「F5」キーを押して画面を更新してください。
なお、暗号化されたフォルダーやファイルは、救出できません。
Windows 10を再インストールして救出する
インストールメディアを利用してWindows 10を再インストールすることで、個人用ファイルやインストール済みアプリを保持したまま、Windows 10を起動できるように修復できる可能性があります。

ただ、この方法では個人用フォルダー以外の場所に保存しているファイルは、OSの上書きインストール時に消去されてしまう可能性があり、OSのインストールにも時間がかかるため救出方法としては、あまりおススメできません。
また、OS上のトラブルが発生している思われるマシンでは、OSを再インストールしてもトラブルが解消されないケースがあるので、OSを再インストールしてファイルを救出したら、OSをクリーンインストールすることをおススメします。
LinuxのLiveCDから起動して救出する
Windows 7時代には、LinuxのLiveCDからマシンを起動して、Windows上のファイルを救出する方法がよく紹介されており、Windows 10でもこの方法は有効です。
LiveCDを用意する手間はありますが、Linuxの基本的な操作が分かる方であれば、ファイルの救出方法の一つとして検討する価値はあります。
なお、LinuxのLiveCDを使っ方法では、暗号化されたフォルダーやファイルは救出できません。
あとがき
Windows 10のインストールメディアは、ここで紹介したファイルの救出用途以外でもトラブルシューティングで有用なので、いざというときに備えて1枚は作成しておくことをおすすめします。