Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

Windows 10に限った話ではありませんが、パソコンを長年使っていると、最初のころはサクサク動いていたのに、だんだん動作が遅くなってくるものです。

遅くなっている原因が明らかなら、それを解決すればよいですが、多くの場合ピンポイントで原因を特定するのは難しいでしょう。

そこでここでは、Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法を紹介します。

Windows 10を設定変更で高速化する方法
ここでは、Windows 10の動作を高速化(軽量化)したいときにおすすめの設定項目を6つ紹介します。

動作環境

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit21H2

ハードディスクの健康状態をチェックする

Windowsパソコンに搭載されているハードウェアの中で動作速度に直結するのがHDDやSSDで、読み書きなどが極端に遅くなるようなことがよくあるなら、まずはHDDやSSDに問題がないかチェックしましょう。

HDDやSSDに問題がないかチェックする方法については、以下の記事をご覧ください。

HDDやSSDの故障の前兆をいち早く発見する方法
ここでは、パソコンでHDDやSSDの故障の前兆として現れる症状や、内部的な故障の前兆をツールを使って確認する方法を紹介します。

ドライブのエラーチェックをチェックする

HDDやSSDに物理的な問題がなければ、次にドライブのエラーをチェックすることで、ソフトウェア的な問題が発生している場合に修復することが可能です。

ドライブのエラーチェックを行うには、エクスプローラーでチェックするドライブを右クリックして、メニューからプロパティを選択して、プロパティ画面を表示します。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

プロパティ画面の「ツール」タブにある「エラーチェック」から「チェック」ボタンをクリックします。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

不要なデータを削除して空き容量を確保する

ドライブに問題がなさそうなら、次は不要なデータを削除して、空き容量を確保することで、空き容量不足による動作の遅さを改善できる場合があります。

なお、不要なデータには、ユーザー自身が手動で削除できるデータ以外にもさまざまなデータが存在しているので、以下の記事で紹介している方法に従い削除します。

Windows 10でドライブの空き容量を増やす4つの方法
ここでは、Windows 10で不要なデータを削除してドライブの空き容量を増やす方法を4つ紹介します。

ドライブ/フォルダー/ファイルを最適化する

Windows 10では、HDDやSSDに対して一定のタイミングで自動的に最適化(HDDならデフラグ、SSDならTrim)が実行されていますが、不要なデータをたくさん削除した後は、手動で「ドライブの最適化」を実行するとよいでしょう。

また、ドライブの最適化は、容量の大きいドライブでは長時間かかるため、よく利用するフォルダーやファイルだけでも取り急ぎ最適化しておきたい場合は、フォルダーやファイル単位で最適化しておくという手もあります。

ドライブ/フォルダー/ファイルを最適化する方法については、以下の記事をご覧ください。

Windows 10でドライブ/フォルダー/ファイル単位でデフラグを実行する方法
ここでは、Windows 10を例に、ドライブ/フォルダー/ファイル単位でデフラグ(最適化)を実行する方法を紹介します。

ユーザーを作成し直す

Windowsでは、ユーザーごとのデータがユーザープロファイルと呼ばれるフォルダーに保存されており、長く同じユーザーを利用していると、ユーザープロファイルフォルダーが肥大化して、動作が遅くなることがあります。

上記に挙げた内容を実行しても依然として動作が遅い場合は、ユーザーを作成し直してユーザープロファイルフォルダーを新しくすることで、動作が大きく改善することがよくあります。

ユーザーを作り直す手順は、次のとおりです。

まず、作り直したいユーザーアカウントの種類が「Microsoftアカウント」の場合は、そのユーザーでサインインして、Windowsの「設定」>「アカウント」>「ユーザーの情報」から、ローカルアカウントでのサインインに切り替えます。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

つぎに、任意の管理者ユーザーでサインインし、Windowsの「設定」>「アカウント」>「家族とその他のユーザー」から新しいユーザーを作成します。

アカウントの種類は「ローカルアカウント」「Microsoftアカウント」のどちらでも構いません。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

つぎに、新しく作成したアカウントを「管理者ユーザー」に設定します。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

ここまで設定できたら、一度Windows 10からサインアウトして、上で作成した新しいユーザーでサインインします。

サインインしたら、エクスプローラーで古いユーザーと新しいユーザーのプロファイルフォルダー(C:\Users\<Username>)をそれぞれ開きます。

Windows 10の動作が遅くなってきたときの改善方法

あとは、古いユーザーのユーザーフォルダーを一つずつ開いて、必要なフォルダーやファイルを、現在サインインしている新しいユーザーの同じ名前のフォルダー内へコピーします。

Memo

ユーザーフォルダー内には、「AppData」などの隠しのシステムフォルダーやシステムファイルがありますが、それらのフォルダーやファイルはコピーしません。

以上、作業完了です。

なお、利用しているアプリケーションによっては、再設定が必要だったり、再インインストールが必要な場合があります。

また、古いユーザーのデータが完全に必要ないと判断できるまでは、古いユーザーは削除せずに残しておくのが良いでしょう。

Windows 10を初期化する

上記をすべて実行しても動作が改善しない場合は、最終手段としてWindows 10を初期化して、Windows 10をキレイな状態に戻す方法があります。

Windows 10を初期化する方法については、以下の記事をご覧ください。

Windows 10を「このPCを初期状態に戻す」で初期化する方法
ここでは、Windows 10の「このPCを初期状態に戻す」機能の特徴や使い方を詳しく紹介します。

あとがき

ここで紹介している作業をすべて行っても、なお動作が遅い場合は、そもそもハードウェアスペックが足りていない可能性が高いでしょう。

その場合は、タスクマネージャーなどでどのリソースが不足しているか確認して、該当するハードウェアを強化したり、パソコンを買い替えるなどの対応が必要になるでしょう。