Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

Windows環境で、ファイルの読み書きを繰り返していると、ファイルのデータがドライブ上に分散して保存されている(断片化している)状態になることがあり、これによりファイルへのアクセスが遅くなってしまうことがあります。

このような断片化された状態(fragmentation)を解消するツールとして、Windowsにはドライブ単位でデフラグできるツールが標準搭載されており、定期的に実行されるよう設定されています。

ですが、状況によっては手動で実行したいときや、フォルダーやファイル単位でデフラグを実行したいケースがあります。

そこでここでは、Windows 10を例に、ドライブ・フォルダー・ファイル単位で手動でデフラグを実行する方法を紹介します。

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ここでは、Windows 10の動作が使い始めた頃に比べて遅くなってきたと感じた時に、動作の遅さを改善するのに役立つ対処方法を7つ紹介します。

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit22H2

ドライブをデフラグ(最適化)する

Windows 10では、HDDやSSDに対して一定のタイミングで自動的に最適化(HDDならデフラグ、SSDならTrim)が実行されていますが、手動で実行することもできます。

Memo

Trimは、SSDの最適化を実行するコマンドです。SSDではディスク上に残骸データが多くなってくると、新しいデータを書き込む前に、いったん残骸データを削除してから書き込みを行うため、待ち時間が発生してしまいます。Trimは、この残骸データをあらかじめ削除しておき、すぐにデータを書き込めるようにしてくれる機能です。

ドライブのデフラブ(最適化)を実行する手順は、次のとおりです。

スタートメニューのプログラム一覧から「Windows管理ツール」>「ドライブのデフラグと最適化」をクリックします。

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

「ドライブの最適化」画面が開いたら、対象となるドライブを選択して「最適化」ボタンをクリックします。

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

最適化にかかる時間は「最後の実行」の日が最近ならそれほど時間はかからないでしょう。長期間実行されていない場合は、時間がかかることが予想されますので、その場合は時間に余裕があるときに実行するようにしましょう。

フォルダーやファイルをデフラグ(最適化)する

Windowsに標準搭載のデフラグ(最適化)ツールは、ドライブ単位で実行するツールのため、容量の大きいドライブでデフラグを実行すると時間かかることがあります。

そのようなときは、フォルダーやファイル単位でデフラグ(最適化)できるツールを利用することで、ピンポイントで最適化ができます。

Contig

コンティグ - Windows Sysinternals | Microsoft Docs

「Contig」は、Microsoftが提供している「Windows Sysinternals」に含まれているツールで、ファイル単位で断片化を分析したりデフラグできるコマンドラインツールです。

使い方は難しくなく、公式ページからツールをダウンロードして任意の場所に配置して、コマンドプロンプトなどから利用します。

基本的な使い方は、以下のようにデフラグしたいファイルを指定して実行するだけです。

C:\> contig.exe (ファイル名)

また、ワイルドカードを利用して特定の拡張子のファイルだけをデフラグしたり、オプション「-s」を指定すればサブフォルダーのファイルを再帰的にデフラグすることも可能です。

たとえば、以下のように実行すると、Dドライブに存在する拡張子が「txt」のファイルだけを再帰的にデフラグすることができます。

C:\> contig.exe -s D:\*.txt

WinContig

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

WinContig

「WinContig」は、フォルダーやファイル単位で断片化を分析したりデフラグできる個人/商用問わず無料で利用できる寄付歓迎ツールで、日本語表示にも対応しています。

ツールは公式ページからダウンロードしたZIPファイルを解凍すれば、すぐに利用できます。

基本的な使い方は次のとおりです。

まず、ツールを起動したら、ツールバーの「追加」をクリックするか、画面上部のリストビューにデフラグしたいフォルダーやファイルをドラッグ&ドロップして登録します。

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

あとは、ツールバーの「デフラグ処理」をクリックすることで、登録したフォルダーやファイルをデフラグすることができます。

Windows 10でデフラグ(最適化)を手動で実行する方法

また、WinContigでは次のような機能も利用できます。

  • デフラグ前にディスクチェックやディスククリーンアップを実行して、より配置を最適化できます。
  • シェル拡張機能をインストールして、フォルダーやファイルの右クリックメニューからデフラグできます。
  • 特定の条件に合致するファイルのみをデフラグしたり、逆に除外するといったフィルターが設定できます。
  • デフラグ対象のファイルをディスク領域のどこに配置するか(高速アクセス領域or低速アクセス領域)を選択できます。(HDDは、ディスクの内周と外周でデータの読み取り速度に差があり、ディスクの外周のほうが読み取り速度が速いと言われています。)
  • コマンドラインで実行できます。

あとがき

なお、上記でも述べましたが、Windows 10では、HDDやSSDに対して一定のタイミングで自動的に最適化(HDDならデフラグ、SSDならTrim)が実行されているので、手動で最適化を実行する必要性は少ないでしょう。