Windowsをセーフモードで起動するときにも利用する「Windows回復環境」は、Windows環境をトラブルシューティングするためのツールを備えた、Windowsに標準で組み込まれている機能です。
Windows回復環境は、デバイス内から起動する方法だけでなく、インストールメディアから、回復ドライブから、システム修復ディスクから起動することができ、起動方法によって利用できる機能に若干の違いがあります。
そこでここでは、標準的なWindows 10環境を例に、Windows回復環境の起動方法ごとで利用可能な機能を解説します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 20H2 |
デバイス内から起動する
デバイス内からWindows回復環境を起動する場合は、主に以下のいずれかの方法で起動します。
- 「設定」アプリの「更新とセキュリティ」の「回復」から「PCの起動をカスタマイズする」>「今すぐ再起動」をクリック
- 電源メニューを開いて「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリック
- 管理者権限でコマンドプロンプト起動し「shutdown /r /o /t 0」を実行
- Windowsの起動に複数回失敗すると自動的に始まる「自動修復」の後に表示される画面で「詳細オプション」をクリック
デバイス内から起動したWindows回復環境では、以下に挙げるトラブルシューティングツールが利用できます。
- このPCを初期状態に戻す
- スタートアップ修復
- スタートアップ設定(セーフモードで起動するときなどに使用します。)
- コマンドプロンプト
- 更新プログラムのアンインストール
- UEFIファームウェアの設定
- システムの復元
- イメージでシステムを回復
「スタートアップ設定」や「このPCを初期状態に戻す」は、デバイス内からWindows回復環境を起動したときにしか利用できないので注意が必要です。
なお、自動修復以外でデバイス内からWindows回復環境を起動した場合、「このPCを初期状態に戻す」や「コマンドプロンプト」を利用するには、管理者ユーザーのパスワードが必要になります。
インストールメディアから起動する
Windows 10のインストールメディアからWindows回復環境を起動する場合は、インストールメディアでマシンを起動させて「コンピューターを修復する」を選択します。
インストールメディアから起動したWindows回復環境では、以下に挙げるトラブルシューティングツールが利用できます。
- スタートアップ修復
- コマンドプロンプト
- 更新プログラムのアンインストール
- UEFIファームウェアの設定
- システムの復元
- イメージでシステムを復元
回復ドライブから起動する
Windows 10を初期化する方法の一つである「回復ドライブ」からマシンを起動すると、自動的にWindows回復環境が起動します。
回復ドライブのWindows回復環境では、以下に挙げるトラブルシューティングツールが利用できます。
- ドライブから回復(回復ドライブからWindowsを再インストール)
- スタートアップ修復
- コマンドプロンプト
- 更新プログラムのアンインストール
- UEFIファームウェアの設定
- システムの復元
- イメージでシステムを回復

システム修復ディスクから起動する
システム修復ディスクからマシンを起動すると、自動的にWindows回復環境を起動し、システム修復ディスクから起動したWindows回復環境では、以下に挙げるトラブルシューティングツールが利用できます。
- スタートアップ修復
- コマンドプロンプト
- 更新プログラムのアンインストール
- UEFIファームウェアの設定
- システムの復元
- イメージでシステムを回復
あとがき
なお、メーカー製PCやWindows 10のバージョンによっては、ここで紹介した以外のメニューが表示される場合もあるのでご留意ください。