最近では、パソコン上の重要なファイルをバックアップしたい場合、OneDriveやGoogleドライブなどのオンラインストレージを使った方法も一般的になってきていますが、オンラインサービスが利用できないときでも、Windows 10なら、個人用フォルダーや指定したフォルダーのデータをパソコン内やローカルネットワーク環境内でバックアップする機能として「ファイル履歴」が標準搭載されており、有効化しておくことで大事なデータの安全性を高めることができます。
そこでここでは、Windows 10の「ファイル履歴」機能を使って、重要なファイルをバックアップしたり復元する方法を紹介します。
目次
ファイルをバックアップする
ファイル履歴を使ってファイルをバックアップする手順は、次のとおりです。
ファイル履歴の有効化
「設定」画面で「更新とセキュリティ」をクリックします。
「更新とセキュリティ」で「バックアップ」を選択し「ファイル履歴を使用してバックアップ」欄の「ドライブの追加」をクリックします。
一覧からバックアップを保存するドライブを選択します。
バックアップ先には、システムドライブ(通常はCドライブ)が含まれていない記憶装置上のドライブ、もしくはネットワーク上の共有フォルダーを指定でき、記憶装置としては、USBメモリ・外付けハードディスク・SDカードなども利用可能です。
なお、ネットワーク上の共有フォルダーを指定する場合は、ファイル履歴の詳細設定画面で指定する必要があります。
ドライブを指定すると「ファイル履歴を使用したバックアップ」が自動的に開始されます。
以上で、ファイル履歴の有効化は完了です。
バックアップ対象の指定
「設定」から「バックアップ」を選択し「ファイル履歴を使用してバックアップ」欄の「その他のオプション」をクリックします。
「バックアップオプション」の「バックアップ対象のフォルダー」で「フォルダーの追加」をクリックし、バックアップしたいファイルを保存しているフォルダーを追加します。
バックアップ対象から除外したいフォルダーは、バックアップ対象フォルダーの一覧から除外したいフォルダーをクリックし「取り出し」をクリックします。
除外フォルダーの指定
バックアップ対象フォルダー内の一部のフォルダーを、バックアップから除外するには「バックアップオプション」の「除外するフォルダー」でフォルダーを指定します。
バックアップ頻度とデータ保存期間の設定
「バックアップオプション」の「ファイルのバックアップを実行」「バックアップの保持」で、バックアップ頻度とバックアップの保持期間を指定します。
バックアップの頻度を指定
「ファイルのバックアップを実行」で、バックアップの頻度を以下から選択します。
バックアップデータの保持期間を指定
「バックアップを保持」で、バックアップデータの保持期間を指定します。
バックアップ頻度とバックアップの保持期間は、バックアップ先ドライブの容量と、バックアップするデータの容量により調整することを奨めます。
ファイルを復元する
ファイル履歴でバックアップされたファイルを復元する手順は、次のとおりです。
ファイルを以前のバージョンへ復元する
エクスプローラーで以前のバージョンに戻したいファイルを選択した状態で「履歴」をクリックします。
指定したファイルの履歴が表示されるので、戻したいバージョンを左右ボタンで選択し「元の場所に復元」ボタンをクリックします。画面にはバックアップした日時とファイルのプレビューが表示されるので、どのバージョンを戻すか迷うことはないでしょう。
ファイルは、元の場所に復元されるため、元の場所に同名のファイルがあると上書きするかどうか確認画面が表示されます。
削除したファイルを復元する
削除してしまったファイルを復元する場合は、エクスプローラーで、そのファイルが保存されていたフォルダーを選択した状態で「履歴」をクリックします。
バックアップされたフォルダー内のファイルが表示されるので、復元したいバージョンのファイルを選択して「元の場所に復元」ボタンをクリックします。
別のマシンのファイル履歴から復元する
別のマシンのファイル履歴のバックアップからファイルを復元したいときは、バックアップが含まれるドライブを接続してから、コントロールパネルのファイル履歴設定画面で「ドライブの選択」をクリックして、接続したドライブを選択し、以前のバックアップデータを利用するよう指定することで、以前のバックアップデータから復元できるようになります。
ただし、この方法でファイルを復元するには、バックアップしたときと同一の名前のユーザーアカウントである必要があるようです。
古いバックアップデータを削除する
ファイル履歴の設定でバックアップの保存期間を「無期限」に設定していると、バックアップデータの容量が大きくなってくるので、定期的に古いバックアップデータを削除する必要があります。
バックアップデータから古いバージョンを削除する手順は、次のとおりです。
「コントロールパネル」の「ファイル履歴」で「詳細設定」をクリックします。
「詳細設定」で「古いバージョンのクリーンアップ」をクリックします。
「ファイルの削除:」から削除の対象期間を選択し「クリーンアップ」ボタンをクリックします。
削除が完了すると「クリーンアップは正常に完了しました。」と表示され、削除完了です。
ファイル履歴利用時の注意事項
ファイル履歴では、同じフォルダーに全角と半角で同じ名前のファイルが保存されていると、2回目以降のバックアップが失敗するという不具合があります。
たとえば、同じフォルダー内に「123.txt」ファイルと「123.txt」ファイルが保存されているような場合です。
また、ファイル履歴は、バックアップに失敗した場合でも、エラーメッセージなどを表示してくれないので、ファイル履歴の利用を開始した時は、正常にバックアップできているかをイベントビューアーで確認しておく必要があります。
イベントビューアーでは、左ペインで「アプリケーションとサービスログ」>「Microsoft」>「FileHistory-Engine」>「ファイル履歴のバックアップログ」を開き、イベントの一覧の「レベル」欄に「エラー」と表示されているログがないか確認します。
以下のようなエラーイベントが記録されている場合は、バックアップが失敗しているので、バックアップ対象フォルダーに、全角と半角で同じ名前のファイルが保存されていないかどうかを確認する必要があります。
C:¥Users¥(ユーザー名)¥AppData¥Local¥Microsoft¥Windows¥FileHistory¥Configuration¥Configでユーザー ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません
あとがき
ファイル履歴は、誤ってファイルを更新/削除してしまったときでもファイルを簡単に以前のバージョンに戻せてとても便利です。
特に、仕事用のマシンに設定しておけば安心感が違います。ご活用あれ。