Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

Windowsには、システムにトラブルが発生したときの回復方法として、初期化機能が搭載されていますが、初期化機能でWindowsを初期化すると、インストールしていたソフトやデバイスドライバーはすべて削除されるため、たくさんのソフトやデバイスドライバをインストールしているWindowsでは使える環境に戻すまでにかなり手間が掛かります。

そのような手間を減らしたい場合、Windowsに標準搭載されている「バックアップと復元(Windows 7)」の「システムイメージの作成」機能を使えば、システム全体を丸ごとバックアップしておくことができ、万が一システムにトラブルが発生したときは、バックアップしたデータを復元することで、すぐにバックアップ時点のシステムを復元することができます。

そこでここではWindows 10を例に「バックアップと復元(Windows 7)」の「システムイメージの作成」機能を使って、システム全体をまるごとバックアップしたり復元する方法を紹介します。

Memo

Windowsに標準搭載されている「バックアップと復元(Windows 7)」の「システムイメージの作成」機能は、非推奨の機能となっており、システムイメージを取得したい場合は、本機能は利用せずサードパーティ製のバックアップツールの利用が推奨されています。

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit1803

システム全体をバックアップする

システムイメージの作成

「バックアップと復元(Windows 7)」の「システムイメージの作成」機能を使って、システム全体をバックアップする手順は、次のとおりです。

「スタート」メニューから「Windowsシステムツール」>「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」の「バックアップと復元(Windows 7)」を開きます。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

「バックアップと復元(Windows 7)」画面で「システムイメージ作成」をクリックします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

「システムイメージの作成」画面でバックアップの保存先を指定し「次へ」をクリックします。

なお、ここでは例として「ハードディスク上」を選択していますが、DVD、ネットワーク上の共有フォルダーも選択可能です。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

バックアップ対象のドライブを選択します。

画面に記載されているようにWindowsの実行に必要なドライブは既定でバックアップ対象になっているので、通常はそのまま「次へ」をクリックで問題ありません。

ユーザーデータをシステムドライブとは別のドライブ(Dドライブなど)に格納している場合、それらのドライブをバックアップ対象に追加することができますが、追加すればそれだけバックアップデータの容量も増えるので、通常はWindows 10を起動するのに必要なドライブのみバックアップして、ユーザーデータなどは別の手段(クラウドストレージなど)でバックアップするのが良いでしょう。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

バックアップの保存場所とバックアップ対象のドライブを確認し「バックアップの開始」をクリックします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

バックアップが開始したら、完了するまで待ちます。バックアップにかかる時間はデータ量とディスクへの書き込みスピードによります。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

バックアップが完了すると「システム修復ディスクを作成しますか?」と聞かれますが、本記事では、バックアップデータのリストアに「回復ドライブ」を利用するので、ここでは「いいえ」をクリックします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

「バックアップは正常に完了しました。」と表示されていることを確認して「閉じる」をクリクします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

以上でシステムイメージの作成完了です。

ちなみに、バックアップの保存先には「WindowsImageBackup」というフォルダーが作成されており、その中にバックアップデータ一式が保存されています。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

引き続き「回復ドライブの作成」を行い、システムイメージを復元する場合に備えます。

回復ドライブの作成

取得したシステムイメージを復元するには、復元用のツールとして、バックアップ時に作成を促される「システム修復ディスク」か「回復ドライブ」が必要になりますが、汎用性を考えると「回復ドライブ」を作成しておくことをおススメします。

回復ドライブは、システムイメージの復元ツールとしてだけでなく、万が一システムイメージから復元できなくても、次点としてWindows 10を初期化するツールとしても利用でき、作成媒体としてUSBフラッシュドライブを利用できるメリットがあります。

回復ドライブを作成する手順については、以下の記事をご覧ください。

回復ドライブでWindows 10を初期化する方法
ここでは、Windows 10で回復ドライブを作成する方法や、回復ドライブを使ってWindowsを初期化する方法を紹介します。

システム全体を復元する

バックアップしたシステムイメージを復元するときは、上で作成した回復ドライブからマシンを起動して、システムイメージを復元します。

回復ドライブから起動

USBフラッシュドライブに作成した回復ドライブから、マシンを起動します。(BIOSやuEFIの設定で、USBフラッシュドライブから起動できるようにしておきます)

起動すると「キーボードレイアウトの選択」画面が表示されるので「Microsoft IME」をクリックします。

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「オプションの選択」画面が表示されるので「トラブルシューティング」をクリックします。

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「詳細オプション」画面が表示されたら「イメージでシステムを回復」をクリックします。

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「イメージでシステムを回復」画面が表示されるので「Windows 10」をクリックします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

システムイメージの復元

「システムイメージバックアップの選択」画面が表示されるので、使用するバックアップデータを選択し「次へ」をクリックします。

通常は、下の画像のように利用可能な最新のシステムイメージが自動的に選択されますが、異なるシステムイメージを選択したい場合や、利用可能なシステムイメージが表示されていない場合は、ラジオボタン「システムイメージを選択する」を選択した状態で「次へ」をクリックすることで、ネットワーク上に保存したバックアップなど、復元するシステムイメージを選択できます。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

「他の復元方法を選択してください」画面が表示されるので、そのまま「次へ」をクリックします。

画面下部に表示されている「ドライバーのインストール」では、HDDのデバイスドライバーなどを別途インストールでき、「詳細設定」では、復元後に自動的にマシンを再起動するなどの設定が行えます。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

確認画面が表示されるので、復元するデータに間違いないことを確認したら「完了」ボタンをクリックします。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

再確認の画面が表示されるので、問題なければ「はい」をクリックし復元を開始します。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

復元処理が開始されるので、完了するまで気長に待ちます。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

復元が完了すると以下の画面のように「今すぐコンピューターを再起動しますか」という画面が表示されます。そのまま放っておけば再起動されます。

Windowsの標準機能でシステム全体をバックアップ・復元する方法

再起動後、復元した環境でWindowsが無事起動すれば完了です。