Windows 10には、システムの動作がおかしくなった時の対処方法として初期化機能が搭載されています。
万が一の時に、カンタンな操作でWindows 10を初期化できる便利な機能ですが、初期化の際に、インストールしているデバイスドライバーは削除されてしまうため、初期化後に改めてインストールし直す必要があります。
最近のPCであれば、接続されているデバイスをWindowsが自動的に認識して、必要なデバイスドライバーを自動的にインストールしてくれることが大半ですが、古いハードウェアや周辺機器を利用している場合や、メーカー製のノートPCなどを利用している場合だと、一部のデバイスをWindows 10が認識してくれないことがあり、自分でデバイスドライバーをインストールしなければならないケースがあります。
そのような場合に問題となるのが、デバイスドライバーを入手できない可能性です。
古いハードウェアや周辺機器の場合、デバイスドライバーの提供が終了していることがあり、メーカー製のノートPCだと、デバイスドライバーがそもそも提供されていないこともあります。
そこで、Windows 10を初期化する前に行っておきたいのが、インストール済みのデバイスドライバーのエクスポートです。
ここでは、Windows 10にインストールされているデバイスドライバーを一括でエクスポートしたり、エクスポートしたデバイスドライバーをインポートする方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1909 |
デバイスドライバーをバックアップする
デバイスドライバーをバックアップするには、管理者権限でコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドを順に実行します。
なお、バックアップ先は「E:\DriverExport」としていますが、環境に合わせて変更してください。
> set ExDir=E:\DriverExport
> if not exist %ExDir% mkdir %ExDir%
> dism /online /export-driver /destination:%ExDir%
私の環境では、31個のデバイスドライバーがバックアップされました。
以上で、デバイスドライバーのバックアップは完了です。
上のコマンドでバックアップ先として指定したフォルダーを、USBメモリーなどにコピーしておけば、Windows 10を初期化したり、クリーンインストールした後に、認識されないデバイスを認識させるときに利用できます。
バックアップしたデバイスドライバーを復元する
Windows 10を初期化したりクリーンインストールした後に、上の方法でバックアップしたデバイスドライバーを復元する場合は、デバイスマネージャーからGUI操作で個別にインストールする方法と、コマンドで一括インストールする方法があります。
通常は「デバイスマネージャー」画面で「不明なデバイス」と表示され、正常に認識されていないデバイスに対してのみ、右クリックしたメニューから「ドライバーの更新」を選択し、バックアップしたデバイスドライバーのフォルダーを指定してインストールします。
バックアップしたデバイスドライバーをコマンドで一括インストールする場合は、管理者権限でコマンドプロンプトを起動して、次のコマンドを実行します。
> pnputil.exe /add-driver E:\DriverExport\*.inf /subdirs /install
「E:\DriverExport」は、バックアップしたデバイスドライバーを格納しているフォルダー名なので、環境に合わせて変更してください。
留意点
dismコマンドでエクスポートできるデバイスドライバーは、一般的な方法でインストールされたデバイスドライバーのみとなるため、エクスポートできないデバイスドライバーもまれにあるようです。
また、プリンターなどで、デバイスドライバーとユーティリティソフトが一体的にインストールされている場合、ここで紹介した方法でのバックアップでは、ユーティリティソフトなどはバックアップされないのでご注意ください。