
Windowsでは、毎月第2火曜日(日本時間では水曜日)に月例の更新プログラムが配信されており、更新配信直後は、複数台のWindows PCを使っている企業などでは一斉に更新プログラムのダウンロードが行われネットワークが遅くなるケースがよくあります。
この問題への対策としては、配信の最適化機能を設定してネットワーク帯域を節約する方法や、WSUS(Windows Server Update Services)・クラウド管理ツール・サードパーティーの更新管理ツールを導入してアップデートを管理する方法が一般的です。
後者のツールを導入する対策方法は、効果は高いですが導入ハードルも高いため、手っ取り早く何か対策したい場合は「配信の最適化」を使った方法がおすすめです。
そこでここではWindows 10を例に、配信の最適化機能を使ってWindows Updateが原因によるネットワーク速度の低下を防ぐ方法を解説します。
目次
配信の最適化とは
配信の最適化は、P2P(ピアツーピア)技術を使った配信機能で 他のPCでダウンロードされたストアアプリやWindows Updateの更新プログラムデータが利用可能な場合、Windows Updateサイトからだけではなく、他のPCにキャッシュされたデータからもダウンロードできるようになります。
これにより、Windowsマシンが複数台あるような環境で、Windows Updateやストアアプリの更新プログラムのダウンロードを高速化したり、インターネット回線の帯域を節約することができます。
なお、配信の最適化は、利用する上での要件や制限があります。
- キャッシュされたデータは、デフォルトで3日間保持されます。
- 異なるアーキテクチャ(32bitと64bit)やバージョンのPCからはダウンロードできません。
- 配信の最適化の対象PCでは、4GB以上のメモリと32GB以上の空き容量が必要です。
配信の最適化の設定方法
ダウンロードされた更新プログラムの共有
他のPCでダウンロードされた更新プログラムを利用できるようにすれば、インターネット回線の帯域消費を抑えることができます。
他のPCでダウンロードされた更新プログラムを利用できるようにするときは、Windowsの「設定」>「Windows Update」>「詳細オプション」にある「配信の最適化」から行います。

「他のデバイスからダウンロードを許可する」はオンに設定して、「ローカルネットワーク上のデバイス」と「インターネット上のデバイスとローカルネットワーク」では、「ローカルネットワーク上のデバイス」を選択します。
なお、ここでのローカルネットワーク上のデバイスとは、同じパブリックIPアドレスを使用してインターネットに接続するデバイスを指しており、インターネット上のデバイスとは、まさしくインターネット上にあるどこかのWindowsデバイスとなります。

Windows Updateの帯域を制限
ストアアプリやWindows Updateで更新プログラムをダウンロードする際のネットワークの使用帯域を制限することでも、インターネット回線の帯域消費を抑えることができます。
ダウンロード時のネットワークの使用帯域を制限するときは「配信の最適化」下部の「ダウンロードオプション」から「絶対帯域幅制限」もしくは「測定された帯域幅の割合」のいずれかを選択してから、バックグラウンドやフォアグラウンドでの更新プログラムのダウンロードに使用される帯域幅を、通信スピードや帯域の割合で設定します。
どれぐらいの値が最適かは環境にもよるので、まずはデフォルトで設定されている値で設定して、状況を見ながら値を調整するとよいでしょう。

グループポリシーやレジストリでの設定
上に挙げた配信の最適化設定は、グループポリシーやレジストリでも設定できます。設定台数が多い場合は、Windowsの設定画面から1台ずつ設定するよりも、グループポリシーやレジストリで設定するのが効率的です。
詳しい設定方法は、ここでは割愛しますが、グループポリシーで設定する際は「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「Windows コンポーネント」>「配信の最適化」から設定が可能です。

レジストリで設定する際は、レジストリエディターなどからレジストリキー「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DeliveryOptimization」に対して設定します。

レジストリで作成する値などは、以下のMicrosoft公式ページの情報が参考になるでしょう。
DeliveryOptimization Policy CSP | Microsoft Learn
配信の最適化の効果を確認
「配信の最適化」の設定画面下部にある「アクティビティモニター」では、当月のダウンロードおよびアップロードのファイルサイズなどを確認できます。

これを見ると、おおよそ1/4ぐらいのデータがローカルネットワーク上のPCからダウンロードされており、インターネット帯域の節約に若干効果があるように思われます。
なお、配信の最適化の状態は、Windows PowerShellコマンドレットからも確認することができます。
- Get-DeliveryOptimizationStatus - ダウンロード状態や他のPCのキャッシュ利用状況を確認できます。
- Get-DeliveryOptimizationPerfSnapThisMonth - 当月のダウンロードおよびアップロードのファイルサイズを確認できます。
あとがき
Windowsマシンの台数が多い環境では、配信の最適化はWindows Updateによるインターネット速度の低下を抑えるのに効果を発揮してくれるでしょう。ご活用あれ。