Windows 10でフォルダーやファイルの操作(新規作成、コピー、移動、削除、名前の変更など)を行う場合、マウス操作で行うことが多いですが、操作対象のフォルダーやファイルの数が多い場合は、コマンドで操作することで、効率よく作業を行うことができます。
そこでここでは、Windows 10でフォルダーやファイルに対する次のような操作をWindowsコマンドやPowerShellで実行する方法を紹介します。
- 空のファイルを作成する
- フォルダーを作成する
- フォルダーをコピーする
- ファイルをコピーする
- フォルダーやファイルを移動する
- フォルダーやファイルの名前を変更する
- フォルダーやファイルを削除する
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 21H1 |
空のファイルを作成する
空のファイルを作成するときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトで空のファイルを作成するときは「type」コマンドを利用します。
> type nul > E:\new_file.txt
PowerShell
PowerShellで空のファイル作成するときは「New-Item」コマンドレットを利用します。
PS> New-Item E:¥new_file.txt -type file

フォルダーを作成する
フォルダーを作成するときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでフォルダーを作成するときは「mkdir」コマンドを利用します。
> mkdir E:\new_folder
PowerShell
PowerShellでフォルダーを作成するときは「New-Item」コマンドレットを利用します。
PS> New-Item E:¥new_folder -type directory
コマンドでフォルダーを作成すると、フォルダーツリーを一発で作成できるのが便利です。
たとえば「E:\a\b\c\d\e」というフォルダーツリーを作成したい場合、マウス操作で作成する場合は、フォルダーaを作成してフォルダーbを作成して、と順にフォルダーを作成していく必要がありますが、コマンドなら「mkdir "E:\a\b\c\d\e"」と実行するだけで一発でフォルダーツリーを作成できます。
フォルダーをコピーする
フォルダーをコピーするときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでフォルダーをコピーするときは「robocopy」コマンドがおススメです。
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーとその中身を「E:¥copy_to」フォルダーにコピーしたいときは、次のように実行します。
> robocopy E:\copy_from E:\copy_to /e
フォルダーツリーのみをコピーして、ファイルはコピーしたくないときは、次のように実行します。
> robocopy E:\copy_from E:\copy_to /e /xf *

PowerShell
PowerShellでフォルダーをコピーするときは「Copy-Item」コマンドレットを利用します。
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーとその中身を「E:¥copy_to」フォルダーにコピーしたいときは、次のように実行します。
PS> Copy-Item E:\copy_from E:\copy_to -Recurse
ファイルをコピーする
ファイルをコピーするときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでファイルをコピーするときは「robocopy」コマンドがおススメです。
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーにある「a.txt」を「E:¥copy_to」フォルダーにコピーしたいときは、次のように実行します。
> robocopy E:\copy_from E:\copy_to a.txt
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーにある、拡張子が「.jpg」ファイルのみを「E:¥copy_to」フォルダーにコピーしたいときは、ワイルドカード「*」を使って次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「/e」オプションを付加します。
> robocopy E:\copy_from E:\copy_to *.jpg
PowerShell
PowerShellでファイルをコピーするときは「Copy-Item」コマンドレットを利用します。
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーにある「a.txt」を「E:¥copy_to」フォルダーにコピーしたいときは、次のように実行します。
PS> Get-ChildItem E:\copy_from\a.txt -File | Copy-Item -Destination E:\copy_to\
たとえば「E:¥copy_from」フォルダーにある、拡張子が「.jpg」ファイルのみをコピーしたいときは、ワイルドカード「*」を使って、次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「Get-ChildItem」コマンドレットに「-Recurse」オプションを付加します。
PS> Get-ChildItem E:\copy_from\*.jpg -File | Copy-Item -Destination E:\copy_to\

フォルダーやファイルを移動する
フォルダーやファイルを移動するときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでフォルダーやファイルを移動するときは「robocopy」コマンドを利用します。
たとえば「E:¥move_from」フォルダーとその中身を「F:¥move_to」フォルダーに移動したいときは、次のように実行します。
> robocopy E:¥move_from F:¥move_to /move /e
たとえば「E:¥move_from」フォルダーで、拡張子が「.jpg」ファイルのみを「F:¥move_to」フォルダーに移動したいときは、ワイルドカード「*」を使って次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「/e」オプションを付加します。
> robocopy E:¥move_from F:¥move_to *.jpg /mov
PowerShell
PowerShellでフォルダーやファイルを移動するときは「Move-Item」コマンドレットを利用します。
たとえば「E:¥move_from」フォルダーとその中身を「F:¥move_to」フォルダーに移動したいときは、次のように実行します。
PS> Move-Item E:¥move_from F:¥move_to
たとえば「E:¥move_from」フォルダーにある「a.txt」を「E:¥move_to」フォルダーに移動したいときは、次のように実行します。
PS> Get-ChildItem E:\move_from\a.txt -File | Move-Item -Destination F:\move_to\
たとえば「E:¥move_from」フォルダーで、拡張子が「.jpg」ファイルのみを「E:¥move_to」フォルダーに移動したいときは、ワイルドカード「*」を使って、次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「Get-ChildItem」コマンドレットに「-Recurse」オプションを付加します。
PS> Get-ChildItem E:\move_from\*.jpg -File | Move-Item -Destination F:\move_to\
フォルダーやファイルの名前を変更する
フォルダーやファイルの名前を変更するときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでフォルダーやファイルの名前を変更するときは「rename」コマンドを利用します。
たとえば「E:¥folder_a」のフォルダー名を「E:\folder_b」に変更したいときは、次のように実行します。
> rename E:\folder_a folder_b
たとえば「E:¥a.txt」のファイル名を「E:¥b.txt」に変更したいときは、次のように実行します。
> rename E:\a.txt b.txt
たとえば、拡張子が「.txt」のファイルの拡張子を「.jpg」に一括変更したいときは、ワイルドカード「*」を使って次のように実行します。
> rename E:\*.txt *.jpg
PowerShell
PowerShellでフォルダーやファイルの名前を変更するときは「Rename-Item」コマンドレットを利用します。
たとえば「E:¥folder_a」のフォルダー名を「E:\folder_b」に変更したいときは、次のように実行します。
PS> Rename-Item E:\folder_a folder_b
たとえば「E:¥a.txt」のファイル名を「E:¥b.txt」に変更したいときは、次のように実行します。
PS> Rename-Item E:\a.txt b.txt
たとえば「E:\folder_a」フォルダーにある拡張子が「.txt」のファイルの拡張子を「.jpg」に一括変更したいときは、次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「Get-ChildItem」コマンドレットに「-Recurse」オプションを付加します。
PS> Get-ChildItem E:\folder_a -File | Rename-Item -NewName { $_.Name -replace '.txt','.jpg' }

フォルダーやファイルを削除する
フォルダーやファイルを削除するときのコマンドは、次のとおりです。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトでフォルダーやファイルを削除するときは「rmdir」や「del」コマンドを利用します。
たとえば「E:¥folder_a」というフォルダーとその中身をすべて削除するときは、次のように実行し、削除の確認を省略するときは「/q」オプションを付加します。
> rmdir E:¥folder_a /s
たとえば「E:¥folder_a」内のすべてのファイルを削除したいときは、次のように実行し、削除の確認を省略するときは「/q」オプションを付加し、サブフォルダーのファイルも削除したいときは「/s」オプションを付加します。
> del E:¥folder_a\*
また、ワイルドカード「*」を使って、特定のファイルを一括削除することもできます。
> del E:¥folder_a\*.txt
PowerShell
PowerShellでフォルダーやファイルを削除するときは「Remove-Item」コマンドレットを利用します。
たとえば「E:¥folder_a」フォルダーとその中身をすべて削除するときは、次のように実行します。
PS> Remove-Item E:\folder_a -Recurse
たとえば「E:¥folder_a」内のすべてのファイルを削除したいときは、次のように実行し、サブフォルダーを含めたいときは「Get-ChildItem」コマンドレットに「-Recurse」オプションを付加します。
PS> Get-ChildItem E:\folder_a -File | Remove-Item
また、ワイルドカード「*」を使って、特定のファイルを一括削除することもできます。
PS> Get-ChildItem E:\folder_a\*.txt -File | Remove-Item
あとがき
コマンドを使ったフォルダーやファイルの操作は、多数のフォルダーやファイルを一括で操作したいときに効果を発揮します。
ご活用あれ。