写真やイラストなどの画像ファイルを重ねて表示したい場合、上に重ねる画像に背景があると重ねたときに統一感がなくなってしまいます。
たとえば、以下のように都市の写真の上にUFOのイラストを重ねたいとき、UFOのイラストに背景があると、単純に重ねるだけでは違和感がありますが、上に重ねる画像の背景を削除(透明化)すれば、きれいに重ねることができます。
このような画像編集をする場合、専用の画像編集ツールを用意しなければならないと思われがちですが、標準搭載の画像編集アプリ「ペイント3D」「ペイント」「フォト」アプリでも対応できます。
そこでここでは、Windows 10の「ペイント3D」アプリや、Windows 11の「ペイント」「フォト」アプリを使って、写真などの画像から背景を削除(透明化)する方法を紹介します。
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
Windows 11 Pro | 23H2 |
目次
ペイント3D
ペイント3Dでは、画像の背景を削除するというより、画像から必要な部分を切り抜くという操作になります。
Windows 10や11のペイント3Dアプリで、画像の背景を削除(透明化)する手順は、次のとおりです。
背景を削除(透明化)したい画像ファイルを右クリックして、メニューから「ペイント3Dで編集する」を選択します。
「ペイント3D」が起動し画像が表示されたら、上部のメニューから「マジック選択」をクリックします。
すると、画像の周囲に範囲選択するための白い丸が表示されるので、マウスでドラッグして切り抜きたい部分を囲んで、画面右のメニューから「次へ」をクリックします。
すると、切り抜きたい部分が緑色の線で自動的に縁取られるので、縁取りに問題がなければ、そのまま「完了」をクリックします。
縁取りを修正したいときは、画面右のメニューから「削除」または「追加」をクリックして、残したい部分を微調整できます。
以上で、縁取った部分(被写体)が切り抜かれた状態になり、そのまま別の画像にコピー&ペーストで貼り付けたり、背景が透明な画像ファイルとして保存できます。
画像ファイルとして保存する
切り抜いた画像を単体のファイルとして保存したいときは、スタートメニューのプログラム一覧などから別ウィンドウでペイント3Dを起動し「新規作成」を選択します。
新しいキャンバスが開いたら、先ほど切り抜いた画像をコピー&ペーストで貼り付けます。
つぎに、上部メニューから「キャンバス」をクリックし、右側のメニューから「透明なキャンバス」のスライダーを「オン」にします。
あとは、キャンバスのサイズを調整するなどしてから、PNG形式の画像として保存すれば、切り抜いた画像を背景が透明な画像ファイルとして保存できます。
別の画像に重ねる
切り抜いた画像を別の画像に重ねるときは、重ねたい画像を別ウィンドウのペイント3Dで開いて、切り抜いた画像を切り取り&貼り付けすればOKです。(切り抜いた画像は、別のアプリに貼り付けることもできます。)
Windows 11のペイント
Windows 11のペイントアプリでは、バージョンアップにより画像の背景を削除(透明化)する機能が利用できます。
まず、背景を削除(透明化)したい画像ファイルを右クリックして、メニューから「プログラムから開く」>「ペイント」を選択します。
「ペイント」が起動し画像が表示されたら、上部のメニューの「イメージ」から「背景の削除」をクリックします。
すると、自動的に背景を判断して被写体から背景を削除してくれます。
境界部分の微調整はできませんが、コントラストがある程度はっきりしていればきれいに切り抜けます。
切り抜いた画像は、キャンバスのサイズを調整するなどしてから、画面上部のファイルメニューの「名前を付けて保存」から、単体の画像ファイルとして保存できます。
なお、保存形式にPNGを選択すれば、切り抜いた画像を背景が透明な画像ファイルとして保存できます。
レイヤー機能で別の画像に重ねる
切り抜いた画像を別の画像と重ねたいときは、レイヤー機能を利用します。
画面上部のメニューから「レイヤー」をクリックして、レイヤーパネルを表示します。
次に、レイヤーパネルの+ボタンをクリックして新しいレイヤーを追加します。
次に、新しいレイヤーを選択している状態で、ファイルメニューから「キャンバスにインポート」>「ファイルから」を選択して、重ねたい画像ファイルを指定します。
画像ファイルが読み込まれたら、背景に被写体が重なって表示されるようレイヤーの順番をドラッグ&ドロップで入れ替えてます。
ちなみに、レイヤーは削除したりを結合することもできます。
被写体の大きさや位置を調整したいときは、被写体のレイヤーを選択して調整できます。
Windows 11のフォト
Windows 11のフォトアプリでも、バージョンアップにより搭載された消しゴム機能「Generative Erase」を使って、画像の背景を削除(透明化)することができます。
まず、背景を削除(透明化)したい画像ファイルをダブルクリックして「フォト」アプリで画像を開き、画面上部のメニューから「画像の編集」ボタンをクリックします。
画像の編集画面が表示されるので、画面上部のメニューから「背景」ボタンをクリックします。
背景の編集画面が表示されるので「削除」を選択します。
すると、背景が削除された状態が表示され、「背景ブラシ」をオンにすれば、残す部分と削除する部分を微調整できます。
編集が完了したら「適用」をクリックすれば、画像の背景が削除されます。
背景を削除した画像は「保存オプション」から別の画像ファイルとして保存したり、クリップボードにコピーでき、保存形式にPNGを選択すれば、切り抜いた画像を背景が透明な画像ファイルとして保存できます。
あとがき
「ペイント3D」で被写体を切り抜く機能の精度はそれほど高いとは感じませんが、Windows 11のペイントやフォトアプリの背景削除機能は非常に優秀で、とてもキレイに背景を削除できます。ご活用あれ。