OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスで、書類や写真などのいろいろなファイルをOneDriveに保存して、さまざまなデバイスからインターネット経由でアクセスして利用でき、Windows 10にもOneDriveアプリが標準搭載されています。
そこでここでは、Windows 10向けのOneDriveアプリを例に、OneDriveの主な機能や使い方/設定方法をわかりやすく解説します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 2004 |
OneDrive for WIndows | 20.114.0607.0002 |
ファイルやフォルダーの保存と閲覧
OneDriveの最も一般的な利用方法は、ファイルやフォルダーの保存と閲覧です。
Windows 10では、パソコン内部のファイルやフォルダーと同じ操作で、OneDrive上にファイルやフォルダーを保存したり、OneDrive上のファイルを閲覧することができます。
たとえば、デスクトップにあるファイルをOneDriveに保存する手順は、次のとおりです。
まず、タスクバーなどから「エクスプローラー」を起動し、ナビゲーションウィンドウの「OneDrive」をクリックします。
OneDriveフォルダーが開いたら、デスクトップにあるファイルをOneDriveフォルダーにドラッグ&ドロップします。
すると、保存したファイルのアイコンの「状態」欄に、同期中を示す青い矢印マークが表示され、しばらくすると、同期完了を示す緑のチェックマークに変わります。
以上で、OneDriveへのファイルの保存は完了です。
OneDriveに保存されているファイルを閲覧するときは、エクスプローラーのOneDriveフォルダーから、通常のファイルと同じようにダブルクリックで開くことができます。
フォルダーの選択
OneDriveに保存されているフォルダーのなかに、デバイスによって使用しないフォルダーがある場合は、OneDriveの設定画面で使用するフォルダーとそうでないフォルダーを選択することができます。
フォルダーを選択する手順は、次のとおりです。
タスクバー右側にあるタスクトレイの「OneDrive」アイコンをクリックし「ヘルプと設定」>「設定」の順にクリックします。
OneDriveの設定画面が表示されるので「アカウント」タブから「フォルダーの選択」をクリックします。
「フォルダーの選択」画面が表示され、OneDrive上のフォルダーが一覧表示されるので、利用しないフォルダーのチェックをはずして「OK」をクリックします。
以上で、設定を行ったデバイスでは、チェックを外したフォルダーは非表示になります。
ファイルオンデマンド
OneDriveには、ファイルの実体をクラウド上に保管し、PC上にはファイルの概要を示す最小限の情報のみを保存して"オンラインのみのファイル"として表示する「ファイルオンデマンド」機能があります。
ファイルオンデマンド機能はデフォルトで有効化されており、オンラインまたは別のデバイスで作成されたファイルは"オンラインのみのファイル"として表示され、PC上のストレージ容量をほとんど消費しません。
"オンラインのみのファイル"は、「状態」欄に青色のクラウドアイコンが表示され、ファイルを開くときに、実体がダウンロードされます。
実体がダウンロードされたファイルは、Windows 10の「ストレージセンサー」機能が有効な場合、一定期間後にオンラインのみのファイルに戻ります。
また、OneDriveフォルダーに実体のあるファイルを右クリックして、メニューから「空き容量を増やす」をクリックすれば、ファイルを"オンラインのみのファイル"に変更して、PCの空き容量を増やすこともできます。
ファイルやフォルダーの共有
OneDriveに保存しているファイルやフォルダーは、特定の人と共有したり、インターネット上に一般公開したりできます。
OneDriveに保存しているファイルを共有する手順は、次のとおりです。
まず、タスクバーなどから「エクスプローラー」を起動し、ナビゲーションウィンドウの「OneDrive」をクリックします。
OneDriveフォルダーが表示されたら、共有したいファイルやフォルダーを右クリックして、メニューから、OneDriveアイコンが付いてる「共有」をクリックします。
「リンクの送信」画面が表示されるので、この画面から共有相手にリンクを送信したり、リンクをコピーして他のツールで共有相手に伝えることで、ファイルやフォルダーを共有できます。
共有するファイルやフォルダーのリンク設定は、デフォルトで「リンクを知っていれば誰でも編集できます」が選択されていますが、次のような設定も可能です。
- 編集を許可するか、閲覧のみにするかを設定できます。
- 共有する有効期限を設定できます。
- ファイルを開くためのパスワードを設定できます。
共有の有効期限やパスワード設定を利用するには「Microsoft 365 Personal サブスクリプション」を購入して「OneDriveプレミアム機能」有効化する必要があります。


共有されているファイルやフォルダーは、「状態」欄のアイコンに人型のアイコンが表示され、共有されていることが分かります。
共有を解除するときは
共有を解除するときは、解除したいファイルやフォルダーを右クリックして、メニューから、OneDriveアイコンが付いてる「共有」をクリックします。
「リンクの送信」画面が表示されるので、右上のメニューボタンをクリックして「アクセス許可の管理」をクリックします。
「アクセス許可の管理」画面が表示されたら、作成されているリンクの右側にある×ボタンをクリックして、リンクを削除することで共有が解除されます。
重要なフォルダーのバックアップ
OneDriveでは、ユーザーの「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」フォルダーをバックアップすることができます。
Windows 10の初期設定時に、この機能を利用するかの画面が表示されるため、知らないうちに利用していたという方もいるかもしれません。

Windows 10の初期設定画面
ユーザーの「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」フォルダーをOneDriveにバックアップする手順は、次のとおりです。
タスクバー右側にあるタスクトレイの「OneDrive」アイコンをクリックし「ヘルプと設定」>「設定」の順にクリックします。
OneDriveの設定画面が表示されるので「バックアップ」タブから「バックアップを管理」をクリックします。
「フォルダーのバックアップを管理」画面が表示されるので、バックアップしたいフォルダーをクリックして、右下の「バックアップを開始」をクリックします。(青色のチェックマークが付いたフォルダーがバックアップ対象のフォルダーです。)
ここでは、例として「ドキュメント」と「写真」を選択しています。

バックアップが完了したときの画面
なお、バックアップ対象にしたフォルダーは、OneDriveフォルダー内に移動されます。
写真や動画、スクリーンショットを自動保存
OneDriveの設定画面の「バックアップ」タブから「カメラ、電話などのデバイスをPCに接続するたびに写真とビデオをOneDriveに自動保存」にチェックを入れると、デジカメやスマホなどをPCに接続したときに、写真や動画が自動的にPCにインポートされ、OneDriveにも同期されるようになります。
また「作成したスクリーンショットをOneDriveに自動的に保存する」にチェックを入れると、スクリーンショットを撮影すると、画像ファイルがOneDriveにも同期されるようになります。
個人用Vault
OneDriveには、重要なファイルの保存用フォルダーとして「個人用Vault」機能があります。
個人用Vaultフォルダーは、通常のフォルダーとは異なりロックが掛かっており、Microsoftアカウントの2段階認証によってロックを解除します。
無料で個人用Vaultに保存できるファイルは3つまでで、それを超えて保存したい場合は「Microsoft 365 Personal サブスクリプション」を購入する必要があります。
個人用Vaultを利用する手順は、次のとおりです。
まず、タスクバーなどから「エクスプローラー」を起動し、ナビゲーションウィンドウの「OneDrive」をクリックします。
OneDriveフォルダーを開いたら「個人用Vault」をダブルクリックします。
すると、個人用Vaultに関する説明が表示されるので、内容を確認し「次へ」をクリックします。
「Personal Vaultの準備がもう少しで完了します」と表示されるので「許可」をクリックします。
認証画面が表示されるので「通知の送信」をクリックします。
すると、電話に通知が表示されるので「承認」をタップするとことで、個人用Vaultのロックが解除されて、通常フォルダーにようにファイルを保存できるようになります。
なお、個人用Vaultは、デフォルトで20分間操作が行われないと自動的にロックされますが、OneDriveの設定画面でロックされるまでの時間を変更したり、タスクトレイにあるOneDriveアイコンからメニューを開いて、手動でロックすることもできます。
保存容量を増やす
OneDriveは、無料で利用できる容量は5GBまでで、容量を増やしたいときは、Microsoft365の有償プランか、OneDriveだけ容量を増やすプランを購入する必要があります。
クラウド ストレージの価格、Microsoft OneDrive
「Microsoft 365 Personal サブスクリプション」は、WordやExcelなどのOffice製品を利用できるサービス(12,984円/年)で、購入するとOneDriveのプレミアム機能が利用できるようになり、OneDriveの容量も1TBまで増えます。
「OneDrive 100GB」は、OneDriveの容量が100GBまで増えるサブスクリプションサービス(224円/月)で、OneDriveのプレミアム機能やOfficeライセンスは付属しません。
あとがき
OneDriveにたくさんのファイルを保存して本格的に利用するには、無料枠の5GBでは全然足りませんが、用途や保存するファイルを絞り込めば、無料枠の範囲内でも意外と活用できます。