Androidには、Windowsなどと同じようにテキストデータや画像などのバイナリデータをコピー&ペーストするための領域として「クリップボード機能」が搭載されていますが、クリップボードには1つのデータしか格納できません。
そのため、過去にクリップボードに格納したデータを再利用したいときは、改めてそのデータをコピーなどしてクリップボードに格納しなければならず、これが意外と面倒です。
この面倒さに心当たりがある方におススメしたいのが、クリップボードに格納したデータの履歴を保存しておき簡単に再利用できるクリップボード拡張アプリ「aNdClip」です。
そこでここでは「aNdClip」の無料版「aNdClip Free」の使い方を紹介します。
ちなみに、クリップボードの履歴機能は入力アプリ「Gboard」にも搭載されているので、Gboradを利用している方は以下の記事も参考になるでしょう。


目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Google Nexus 5X(Android) | 8.1.0 |
aNdClip free | 4.0.0 |
「aNdClip」とは
「aNdClip」は、クリップボード機能を拡張するアプリで、Androidバージョン9以下で利用できます。(Androidバージョン10には非対応)
「aNdClip」では、次のような機能を利用できます。
- クリップボードに格納したデータの履歴を保存し、再利用
- 定型文の登録とクリップボードへのコピー
- 連絡先に登録されている電話番号やメールアドレスのクリップボードへのコピー
なお、有償版の「aNdClip」では広告が表示されなくなるようですが、アプリ下部に表示される広告が気にならなければ無料版「aNdClip Free」で十分です。
「aNdClip Free」の使い方
「aNdClip Free」を起動すると、以下のような画面が表示され、上部のタブから「クリップボードの履歴」「定型文の登録」「連絡先のデータ」を選択できます。
また「aNdClip Free」を起動すると常駐アプリとして動作し、アイコンが通知領域に表示されます。これにより、クリップボードの履歴が自動的に保存されるようになります。
クリップボードの履歴を再利用
通知領域などから「aNdClip Free」を開き、上部のタブから一番左の「クリップボードの履歴」をタップすると、クリップボードに格納したデータの履歴を確認することができ、任意のデータをタップすれば、クリップボードにコピーできます。
特定の履歴を削除したい場合は、該当の履歴をロングタップし、メニューから「削除」をタップします。
複数の履歴を一括削除したい場合は、右上の+マークをタップしてから、複数の項目を選択して「×」をタップすることで一括削除ができます。


また、複数の履歴を結合してクリップボードにコピーすることも可能です。


定型文を登録する
よく利用する文字列は定型文として登録しておくと便利です。
定型文を登録するには、特定のクリップボードの履歴をロングタップして、メニューから「定型文に登録」をタップする方法と、直接定型文を入力して登録する方法があります。

クリップボードの履歴から登録するとき
直接定型文を入力して登録するときは、定型文タブを開いた状態で、右上のメニューから「新規作成」を選択し登録します。


なお、登録した定型文は、タップすることでクリップボードにコピーできます。
また、登録した定型文はフォルダーに格納したりタグを付けたりできるので、たくさんの定型文を登録するときも管理しやすいです。
連絡帳のデータをコピーする
「連絡帳」タブをタップすると、連絡帳に登録されているメールアドレスや電話番号が表示され、タップすることでクリップボードにコピーできます。
連絡先に登録している人のメールアドレスや電話番号を入力したいときに便利です。
登録データをエクスポート/インポートする
「aNdClip Free」に定型文として登録したデータは、エクスポート/インポートできるので、機種変更時や、異なる端末で同じデータを利用したいときでも、データを一つ一つ登録し直さなくても、エクスポート/インポートで一括登録できます。
自動起動設定
「aNdClip Free」を起動すると常駐アプリとして動作しますが、端末を再起動した時などは自動的に起動してくれません。
端末起動時に自動的に起動させるには「aNdClip Free」の設定画面で「自動起動設定」をオンに設定します。
あとがき
Android端末で文章を入力することが多い方や、テキストデータのコピー&ペーストをよく行う方とっては重宝するアプリではないでしょうか。
お試しあれ。
余談ですが、Android10では、プライバシー保護の強化のためクリップボードデータへのアクセスが制限されたため、「aNdClip」などのクリップボードのデータを参照するアプリが利用できない場合があるのでご注意ください。
クリップボード データへの制限付きアクセス | Privacy changes in Android 10 | Android デベロッパー | Android Developers