Windows 10では、最初に作成したユーザーアカウントが「管理者」として設定されますが、じつは「Administrator」という管理者アカウントも用意されています。
デフォルトでは「Administrator」アカウントは無効化されていますが、職場のマシンで管理者アカウントを統一したい場合などでは、有効化することで管理しやすくなります。
そこでここでは、Windows 10でAdministratorアカウントを有効化する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1903 |
Administratorアカウントを有効化する方法
Administratorアカウントを有効化するには、いくつかの方法があります。
- コマンドで有効化する
- ローカルセキュリティポリシーで有効化する
- コンピューターの管理で有効化する
コマンドで有効化する
WindowsコマンドでAdministratorアカウントを有効化するには、管理者権限でコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドを実行します。
> net user administrator /active:yes
「コマンドは正常に終了しました。」と表示されれば、有効化完了です。
なお、このままではパスワードが未設定のため、Administartorアカウントでサインインして、パスワードを設定します。
また、有効化直後は、Administratorアカウントがサインイン画面のアカウント一覧に表示されない場合があります。その場合は、再起動すれば表示されます。
パスワードの設定方法
Administartorアカウントでサインインし「設定」アプリから「アカウント」を開きます。
左のメニューから「サインインオプション」を選択し「デバイスへのサインイン方法の管理」から「パスワード」をクリックすると、次のような画面が表示されるので「追加」をクリックして、Administratorのパスワードを設定します。
ローカルセキュリティポリシーで有効化する
「ローカルセキュリティポリシー」でAdministratorアカウントを有効化するには、まず、スタートメニューのプログラム一覧から「Windows管理ツール」>「ローカルセキュリティポリシー」を順にクリックします。
「ローカルセキュリティポリシー」が起動したら、左ペインから「ローカルポリシー」を展開して「セキュリティオプション」をクリックします。
すると、右ペインにポリシーが一覧表示されるので「アカウント: Administratorアカウントの状態」をダブルクリックします。
「アカウント: Administratorアカウントの状態」のプロパティ画面が開くので「有効」に設定して「OK」クリックします。
以上で、有効化完了です。
なお、コマンドで有効化したときと同じように、このままではパスワードが未設定のため、Administartorアカウントでサインインして、パスワードを設定します。
また、有効化直後は、Administratorアカウントがサインイン画面のアカウント一覧に表示されない場合があります。その場合は、再起動すれば表示されます。
コンピューターの管理で有効化する
「コンピューターの管理」でAdministratorアカウントを有効化するには、まず、スタートメニューのプログラム一覧から「Windows管理ツール」>「コンピューターの管理」を順にクリックします。
「コンピューターの管理」が起動したら、左ペインから「ローカルユーザーとグループ」を展開して「ユーザー」をクリックします。
中央ペインにアカウントの一覧が表示されるので「Administrator」をダブルクリックし、プロパティ画面を開きます。
プロパティ画面が開いたら「アカウントを無効にする」のチェックはずして「OK」をクリックします。
以上で有効化完了です。
なお、コマンドで有効化したときと同じように、このままではパスワードが未設定のため、先ほどのアカウント一覧画面で「Administrator」を右クリックして、メニューから「パスワードの設定」をクリックすることで設定することができます。
アカウントの有効化とパスワードの設定が同じツール上で実施できるので、個人的には「コンピューターの管理」からの有効化がおススメです。
あとがき
Windowsの管理者アカウント名といえば「Administrator」というのは、Windows環境をある程度利用している方であれば知っているため、Administratorアカウントが有効な環境は、パスワードさえ分かれば、管理者権限でログオンされてしまうというセキュリティリスクがあります。
実際、Windows環境への不正侵入の手口として、Administratorアカウントへの攻撃は有名です。
そのため、Administratorアカウントを有効化するときは、職場などで管理が容易になるというメリットがある反面、セキュリティ的に危険な側面もあることをお忘れなく。