自宅や会社などで、ネットワーク関連の問題に遭遇した場合、トラブルシューティングとしてまず行うのは、疎通・経路・設定などの確認です。
Windows環境だと、これらの確認にWindowsコマンドを使った方法が一般的ですが、PowerShellコマンドレットにも、ネットワークのトラブルシューティングに役立つコマンドレットがいくつか用意されています。
そこでここでは、ネットワークの状況チェックをする際に役立つPowerShellコマンドレットを紹介します。
目次
通信状況の確認
疎通の確認
PS> Test-Connection "ホスト名またはIPアドレス"
Test-Connectionコマンドレットは、PINGコマンドに相当するコマンドで、宛先を指定して実行すると、宛先への疎通確認ができます。
また、Test-Connectionコマンドレットは、リモートマシンから実行させることもできます。
たとえば、リモートマシン「PC-002」に「user01」で接続して、リモートマシンを発信元として、宛先「yahoo.co.jp」に疎通を確認する場合は、次のようにコマンドを実行します。
PS> Test-Connection -ComputerName yahoo.co.jp -Source pc-002 -Credential user01
コマンドの実行結果は、以下の画像のようになります。
なお、Test-Connectionコマンドレットをリモートマシンから実行するには、事前の設定が必要になるので、詳しくは以下の記事の「事前設定」欄をご覧ください。
経路の確認
PS> Test-NetConnection "ホスト名またはIPアドレス" -traceroute
Test-NetConnectionコマンドレットに「-traceroute」オプションを付けて実行すると、tracerootコマンドと同じように、宛先までの経路を確認することができ、問題がある場合には、経路上のどこに問題があるかを確認することができます。
ポートへの接続確認
PS> Test-NetConnection "ホスト名またはIPアドレス" -Port #
Test-NetConnectionコマンドレットに「-port」オプションとポート番号を指定して実行すると、宛先ホストの指定したポート番号への接続を確認することができます。
なお、Windows環境でリモートのサービスへの接続を確認する方法は、別記事で詳しく解説しています。
TCP接続の状況確認
PS> Get-NetTCPConnection
Get-NetTCPConnectionコマンドレットは、netstatコマンドに相当するコマンドで、現在のTCP接続の状況を確認できます。たとえば、接続が確立済み、待ち受け中などの状況を確認することができます。
名前解決の確認
PS> Resolve-DnsName -Name "ホスト名"
Resolve-DnsNameコマンドレットは、nslookupに相当するコマンドで、指定したホスト名の名前解決の状況を確認することができます。
また「-server」スイッチでDNSサーバーを指定して実行すれば、指定したDNSサーバーでの名前解決の状況を確認することもできます。
ネットワークアダプターの状況確認
ネットワーク設定の確認
PS> Get-NetIPConfiguration
Get-NetIPConfigurationコマンドレットは、ipconfigに相当するコマンドで、ネットワークアダプタごとの設定情報を一覧表示できます。表示される情報には、IPアドレス・DNSサーバーアドレス、ゲートウェイアドレスなどがあります。
DNSキャッシュのクリア
PS> Clear-DnsClientCache
Clear-DnsClientCacheコマンドレットでは、ローカルに保存されている名前解決の記録を削除します。名前解決に問題が生じている場合に有効なコマンドレットです。
IPアドレスのリリースと更新
PowerShellでは、DHCPにより配布されたIPアドレスのリリースや更新ができるコマンドレットがないので、これらを行う時は、Invoke-Commandコマンドレットから、ipconfigコマンドを呼び出してIPアドレスのリリースや更新を行います。
リリースする場合
PS> Invoke-Command -ScriptBlock {ipconfig /release}
更新する場合
PS> Invoke-Command -ScriptBlock {ipconfig /renew}
あとがき
以前までは、Windowsでネットワーク関連の調査を行う際は、Windowsコマンドを使うことが多かったですが、PowerShellでも大抵のことは対応できそうです。