Windows 10でUSBメモリやSDカードを初期化&フォーマットする場合、いくつかの方法が用意されています。
- 「ディスクの管理」から行う方法
- DiskPartツールを使った方法
- PowerShellコマンドレットを使った方法
そこでここでは、Windows 10で上に挙げた方法のそれぞれでUSBメモリやSDカードを初期化&フォーマットする手順を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
「ディスクの管理」から行う方法
「ディスクの管理」からマウス操作でUSBメモリやSDカードを初期化&フォーマットする手順は、次のとおりです。
まず、スタートボタンを右クリックして、メニューから「ディスクの管理」を選択します。
「ディスクの管理」画面が開くので、対象のUSBメモリの未割当と表示されている部分を右クリックして、メニューから「新しいシンプルボリューム」を選択します。
Windows環境以外で利用していたUSBメモリやSDカード、サードパーティーのツールなどで作成されたブータブルUSBメモリ(起動可能なUSBメモリ)などは、ブートセクターや隠しパーティションが作成されたり、複数のパーティションに分割されていることがあります。
そのようなUSBメモリは、ディスクの管理からでは初期化できないパーティションが含まれている場合があるので、後述のDiskPartやPowerShellコマンドレットを使って初期化しましょう。
「新しいシンプルボリューム」ウィザード画面が表示されるので「次へ」をクリックします。
「ボリュームサイズの指定」画面が表示されるので、パーティションを分割しないなら、そのまま「次へ」をクリックします。
「ドライブ文字またはパスの割り当て」画面が表示されるので、ドライブ文字(ドライブレター)を指定して「次へ」をクリックします。
特別な事情がなければデフォルト設定のままでOKです。
「パーティションのフォーマット」画面が表示されるので「このボリュームを次の設定でフォーマットする」を選択して、それぞれの項目を設定して「次へ」をクリックします。
- ファイルシステム:Windows以外のOSで利用することがあるなら「exFAT」を選択し、Windows環境でのみ利用するなら「NTFS」を選択
- アロケーションユニットサイズ:既定値のままでOK
- ボリュームラベル:必要に応じて任意の名前を設定
- クイックフォーマット:チェックを入れる
- ファイルとフォルダーの圧縮を有効にする:特別な事情がなければ、チェックをオフのまま
ウィザードの完了画面が表示されるので、設定内容に問題がないことを確認してから「完了」をクリックします。
以上で、USBメモリにパーティションが作成され、フォーマットが行われ、Windows上で利用できるようになります。
DiskPartツールを使った方法
DiskPartツールを使って、USBメモリを初期化&フォーマットする手順は、次のとおりです。
まず、対象のUSBメモリを接続した状態で、まず、コマンドプロンプトを管理者として起動し、以下のコマンドを実行して「Diskpart」ツールを起動します。
> diskpart
DiskPartツールが起動すると、プロンプトが「DISKPART>」に変わります。
対象のUSBメモリを選択する
Diskpartツールが起動したら以下のコマンドを実行し、対象のUSBメモリのディスク番号を確認します。
どれが対象のUSBメモリかを判別するには、サイズで確認するのが分かりやすいでしょう。
> list disk
対象のUSBメモリのディスク番号を確認したら「select disk」コマンドを実行して、USBメモリを指定します。
ここでは例として「ディスク 2」を選択するので、以下のようにコマンドを実行します。
> select disk 2
コマンド実行後「ディスク 2 が選択されました。」と表示されていることを確認します。
USBメモリを選択したら以下のコマンドを実行して、メーカーなどの情報を確認し、対象のUSBメモリで間違いがないか確認しておきます。
> detail disk
USBメモリを初期化する
USBメモリを選択したら、次にUSBメモリを初期化しますが、初期化方法には2通りあり、管理情報だけを削除する方法と、USBメモリに記録されているすべてのデータを消去する方法があります。
初期化した後のディスクを自分が利用するなら、管理情報だけを削除する方法が手っ取り早くおススメですが、初期化した後のディスクを廃棄したり譲渡するときは、すべてのデータを消去することをおススメします。
管理情報だけを削除する場合
管理情報だけを削除する場合は、以下のコマンドを実行します。
> clean
「Diskpartはディスクを正常にクリーンな状態にしました。」のメッセージが表示されれば、初期化完了です。
すべてのデータを削除する場合
ディスク全体のすべてのデータを削除する場合は、以下のコマンドを実行します。
> clean all
こちらも「Diskpartはディスクを正常にクリーンな状態にしました。」のメッセージが表示されれば、初期化完了です。
なお「clean all」コマンドでは、ディスクの全セクタにゼロデータを書き込むので、処理に時間かかるのでご注意ください。
パーティション形式を指定する
パーティション形式は、既定値の「MBR」のままで問題ありませんが、まれにUSBメモリをフォーマットできないといったトラブルが発生することがあるので、予防措置として以下のコマンドを実行して、パーティション形式を「GPT」に変更しておくことをおすすめします。
> convert gpt
パーティションを作成する
USBメモリを初期化したら、次に以下のコマンドを実行して、USBメモリ上にパーティションを作成します。
> create partition primary
「Diskpartは指定したパーティションの作成に成功しました。」と表示されれば、パーティションの作成完了です。
USBメモリをフォーマットする
パーティションを作成したら、次に以下のコマンドを実行し、作成したパーティションをフォーマットします。
コマンドの「fs=」ではファイルシステムを指定し、「quick」はクイックフォーマットを指定しています。
> format fs=ntfs quick
「Diskpartはボリュームのフォーマットを完了しました。」と表示されれば、フォーマット完了です。
なお、ファイルシステムとして指定できるのは「NTFS」と「exFAT」です。(32GB以下のUSBメモリなら「FAT32」も指定可能です。)
ボリュームにドライブレターを割り当てる
次に、以下のコマンドを実行して、USBメモリにドライブレターを割り当てます。
コマンドの「letter=」の部分で割り当てたいドライブ文字を指定し、以下のコマンドではドライブ文字として「G」を指定しています。
> assign letter=G
「DiskPartはドライブ文字またはマウント ポイントを正常に割り当てました。」と表示されれば、割り当て完了です。
以上で作業完了です。
PowerShellコマンドレットを使った方法
PowerShellコマンドレットを使って、USBメモリを初期化&フォーマットする手順は、次のとおりです。
まず、PowerShellを管理者として起動して、以下のコマンドを実行し、対象のUSBメモリのディスク番号を確認します。
PS> Get-Disk
以降では例として、ディスク番号「5」のUSBメモリに対して処理を実行します。
初期化する
次に、USBメモリのディスク番号を指定して以下のコマンドを実行し、USBメモリを初期化します。
PS> Get-Disk 5 | Clear-Disk -RemoveData -RemoveOEM
コマンドを実行すると確認画面が表示されるのでEnterキーを押すことで初期化が実行されます。
パーティション形式を指定する
次に、USBメモリのディスク番号を指定して以下のコマンドを実行し、USBメモリのパーティション形式を指定します。
PS> Get-Disk 5 | Set-Disk -PartitionStyle GPT
パーティション形式としては「MBR」か「GPT」を指定できますが、USBメモリの場合はどちらを指定しても構いません。
パーティションを作成する
次に、USBメモリのディスク番号を指定して以下のコマンドを実行し、USBメモリにパーティションを作成し、ドライブレターを割り当てます。
以下のコマンドでは、ドライブレターは「I」を指定しています。
PS> Get-Disk 5 | New-Partition -UseMaximumSize -DriveLetter I
フォーマットする
最後に、設定したドライブレターを指定して以下のコマンドを実行し、USBメモリをフォーマットしボリュームラベルを割り当てます。
PS> Format-Volume -DriveLetter I -FileSystem exFAT -NewFileSystemLabel "USBメモリ"
「-FileSystem」オプションでは、ファイルシステムとしてNTFSまたはexFATを指定できます。(32GB未満のUSBメモリであればFAT32も指定できます。)
「-NewFileSystemLabel」オプションには、任意のボリュームラベル名を指定します。
なお、上のコマンドではクイックフォーマットが実行されますが、通常フォーマットを実行したいときは、Format-Volumeコマンドレットに「-Full」オプションを付加して実行します。
以上で、USBメモリにパーティションが作成され、フォーマットが行われ、Windows上で利用できるようになります。
あとがき
誤ったディスクを操作すると、大切なデータの消失など取り返しがつかなくなる場合があるので、作業は慎重に行いましょう。