Windowsパソコンをスマートフォンのモバイル回線経由でインターネット接続する方法として「テザリング」があり、iPhoneでは以下の3通りの方法が利用できます。
- USBケーブルで有線接続(USBテザリング)
- Wi-Fiで無線接続(Wi-Fiテザリング)
- Bluetoothで無線接続(Bluetoothテザリング)
そこでここでは、Windows 10パソコンをiPhoneのインターネット共有(テザリング)を使ってインターネット接続する方法(USBテザリング/Wi-Fiテザリング/Bluetoothテザリング)を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
iPhone | iOS16.3.1 |
Windows 10Pro x64 | 22H2 |
iPhoneのインターネット共有を有効化する
Windows 10をiPhone経由でインターネット接続するときは、まずiPhoneで「インターネット共有」をオンに設定します。手順は、次のとおりです。
iPhoneの「設定」から「インターネット共有」をタップします。
「インターネット共有」の設定画面が表示されるので「ほかの人の接続を許可」をタップしてオンに設定します。
Wi-Fiテザリングで使用するパスワードは、デフォルトで設定されていますが、わかりやすいパスワードに変更することもできます。
iPhone側の設定は以上です。
なお、iPhoneのインターネット共有(テザリング)機能を有効にすると、強制的にiPhoneのWi-Fi接続は切断されます。
USBテザリング
通信速度:〇 バッテリー消費:〇 複数台接続:×
「USBテザリング」は、Windows 10パソコンとiPhoneを、充電用のUSB - Lightningケーブルで有線接続する方法で、次のような特徴があります。
- 安定した高速通信が可能
- iPhoneを充電しながら利用できる
手順は、まず事前準備としてWindows 10にiTunesアプリをインストールしてから、Windows 10パソコンとiPhoneをUSB - Lightningケーブルで接続して、iTuneアプリとiPhoneを連携できるよう設定しておきます。
iTunesアプリのインストールや初期設定手順は、以下の記事をご覧ください。

iTunesアプリをインストールして設定が済んだら、iPhoneでインターネット共有を有効化してから、iPhoneとWindows 10パソコンをUSB - Lightningケーブルで接続します。
すると、Windows 10に新たなネットワークデバイス「Apple Mobile Device Ethernet」が自動的に追加され、Windows 10からiPhoneを経由してインターネット接続できるようになります。
なお、USBテザリング中は、iPhoneの画面上部の通知エリア部分に「インターネット共有」が利用されていることが表示されます。
Wi-Fiテザリング
通信速度:〇 バッテリー消費:× 複数台接続:〇
「Wi-Fiテザリング」は、Windows 10パソコンとiPhoneをWi-Fiで無線接続する方法で、次のような特徴があります。
- 他の方法に比べてバッテリーの消費が激しい
- 1台のiPhoneに複数台のデバイスを接続できる
手順は、iPhoneでインターネット共有を有効化してから、Windows 10パソコンをiPhoneにWi-Fi接続します。
Windows 10パソコンでの手順は、タスクバー右端にある「アクションセンター」アイコンをクリックして、クイックアクションの一覧から「ネットワーク」をクリックします。
接続可能なアクセスポイントの一覧にiPhoneの名前が表示されているのでクリックします。
接続ボタンが表示されるのでクリックします。
ネットワークセキュリティキーの入力ボックスが表示されるので、iPhoneでインターネット共有を有効化するときに表示されていたパスワードを入力して「次へ」をクリックします。
アクセスポイントの表示が「接続済み、セキュリティ保護あり」を表示されていれば、接続完了です。
タスクトレイのネットワーク接続アイコンは以下の画像のように表示され、インターネット通信ができるようになっているはずです。
なお、Wi-Fiテザリング中は、iPhoneの画面上部の通知エリア部分に「インターネット共有」が利用されていることが表示されます。
Bluetoothテザリング
通信速度:× バッテリー消費:〇 複数台:〇
「Bluetoothテザリング」は、Windows 10パソコンとiPhoneをBluetoothで無線接続する方法で、次のような特徴があります。
- 通信速度が遅い(数Mbpsほど)
- Wi-Fiテザリングよりバッテリー消費が少ない
- 1台のiPhoneに複数台のデバイスを接続できる
手順は、iPhoneでインターネット共有を有効化してから、Windows 10パソコンとiPhoneをBluetoothで接続します。
まず、Windows 10パソコンで「設定」から「デバイス」>「Bluetoothとその他のデバイス」画面を開き、Bluetoothをオンに設定します。
次に、iPhone側で「設定」から「Bluetooth」タップし、Bluetoothをオンにしてから、デバイス欄に表示されているWindows 10パソコンの名前をタップします。
すると、Windows上にデバイスの追加という通知が表示されるので、通知をタップして「デバイスのペアリング」画面で「許可」をクリックします。
「デバイスのペアリング」画面に接続成功と表示されればペア設定完了です。
次に、Windows 10パソコンで、タスクトレイに表示されているBluetoothアイコンを右クリックし、メニューから「パーソナルエリアネットワークへ参加」をクリックします。
「デバイスとプリンター」画面が開くので、iPhoneのアイコンを右クリックして、メニューから「接続方法」>「アクセスポイント」を順にクリックします。
「接続に成功しました」と表示されれば接続完了です。
Bluetoothテザリングで正常にインターネット接続できていれば、タスクトレイのネットワーク接続アイコンが、有線接続時と同じアイコンになっているはずです。
Bluetoothテザリングを終了するときは、接続時と同じように、タスクトレイに表示されているBluetoothアイコンを右クリックし、メニューから「パーソナルエリアネットワークへ参加」をクリックし、「デバイスとプリンター」画面で、iPhoneのアイコンを右クリックして、メニューから「デバイスネットワークからの切断」をクリックします。
なお、Bluetoothテザリング中は、iPhoneの画面上部の通知エリア部分に「インターネット共有」が利用されていることが表示されます。
あとがき
通常はWi-Fiテザリングで十分ですが、USBテザリングやBluetoothテザリングで接続する方法もあると覚えておけば、いざというときに役立つこともあるでしょう。