iPhoneとWindowsパソコンの間でファイルを転送する場合、いくつかの方法がありますが、転送したいファイルの数が多い場合や、動画ファイルなどデータ容量が大きい場合は、iPhoneとWindowsパソコンをiPhoneに付属している充電用のケーブルで接続して転送することで、ネットワークを経由するよりも高速かつ確実に転送することができます。
そこでここでは、iPhoneとWindowsパソコンをiPhoneに付属しているライトニング - USBケーブルで接続して、ファイルを高速転送する方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
機種 | バージョン |
---|---|
Apple iPhone8 | iOS16.1.1 |
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
Windowsのエクスプローラーを使った方法
最も簡単な方法として挙げられるのが、Windowsのファイルマネージャー「エクスプローラー」を使った方法です。
なお、Windowsのエクスプローラーを利用する場合は、iPhoneからWindowsに写真や動画ファイルをコピーすることしかできません。
まず、iPhoneとWindowsパソコンをiPhoneに付属しているライトニング - USBケーブル(充電で使うケーブル)で接続します。
すると、iPhoneの画面に「このデバイスに写真やビデオへのアクセスを許可しますか?」というポップアップが表示されるので「許可」をタップします。
Windows上でiPhoneに接続するためのデバイスドライバーが自動的にインストールされ、準備が完了してからエクスプローラーを起動すると、デバイスの一覧に「Apple iPhone」が追加されているのでダブルクリックします。
「Internal Storage」というフォルダーが表示されているので、フォルダーを順に開いていくと、iPhoneで撮影した画像ファイルや動画ファイルが一覧表示され、通常のファイル操作で任意のファイルをWindows上にコピーできます。
iPhoneの写真アプリの設定で「MacまたはPCで転送」を「自動」に設定している場合、カメラアプリで撮影したHEIC/HEVC形式の写真や動画は、Internal Storage上ではJPEG/H.264形式に変換されたファイルが表示されます。
なお「Internal Storage」というフォルダーは、Windowsからは読み取りのみ可能で、ファイルを書き込んだりはできません。
iTunesアプリを使った方法
iTunesアプリは、音楽や動画の視聴、音楽や映画などの購入、ライブラリの同期、iOS機器の管理ができるApple製のアプリで、iPhone内のファイルをWindowsにコピーしたり、Windows内のファイルをiPhoneにコピーすることもできます。
iTunesを使ったファイル転送手順は、次のとおりです。
まず、以下のiTunesの公式ページからインストーラーをダウンロードするなどして、WindowsパソコンにiTunesアプリをインストールします。
なお、AppleではMicrosoft Store版を推奨しているようなので、特別な事情がなければMicrosoft Storeからインストールしましょう。

Microsoft Storeの画面
iTunesアプリをインストールしたら、アプリを起動してからiPhoneとWindowsをライトニング - USBケーブルで接続します。
すると、iTunesアプリ上に「新しいiPhoneへようこそ」画面が表示されるので、ここでは「キャンセル」をクリックします。
iTunesアプリの左上あたりに接続したiPhoneのアイコンが表示されているのでクリックします。
iPhoneの内容が表示されるので、画面左側のメニューから「ファイル共有」をクリックし、画面中央でファイル共有したいアプリを選択します。
ここでは例としては「Chrome」を選択しています。
すると、画面右側に選択したアプリで管理されているファイルが一覧表示されるので、一覧にWindows上のファイルをドラッグ&ドロップすれば、WindowsからiPhoneにファイルを転送でき、逆に一覧に表示されている任意のファイルをデスクトップにドラッグ&ドロップすればWindowsに転送できます。
iPhoneでは、ファイルはアプリごとに管理されているイメージで、ファイル単体でiPhone内に転送しても利用することはできません。そのため、iTunesでWindows上のファイルをiPhoneに転送するときも、iPhone上にiTunesでのファイル共有に対応したアプリをインストールしておく必要があります。
iTunesでのファイル共有に対応したiPhone向けアプリには、次のようなものがあります。
- Chrome:Google製のWebブラウザアプリ
- Pages:Apple製の文書作成アプリ
- Clips:Apple製の動画編集アプリ など
なお、iTunesアプリはデフォルトでiTunes内のデータをiPhoneと同期するように設定されており、iPhoneとiTunesを接続するたびに自動的に同期されますが、iTunesアプリをファイル転送用としてのみ利用するなら、iTunesの環境設定で「iPad、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない」にチェックを入れて、同期をオフにしておくとよいでしょう。
あとがき
iPhoneとWindowsパソコンをiPhoneに付属しているライトニング - USBケーブルで接続してファイル転送する場合、上に挙げた方法外にも「AnyTrans」などのサードパーティーのアプリを使った方法もあるので、上に紹介した方法では物足りないという場合は試してみてるのも良いでしょう。