iPhoneで、買い替えでデータ移行したいときやデバイスを紛失や損傷してデバイス内のデータが利用できなってしまった場合に備えて、現在のiPhoneの設定やアプリデータ、iPhone内の写真や動画といったファイルをバックアップしておきたいとき、パソコンにインストールしたiTunesを使えば、パソコン内にバックアップすることができます。
ですが、Windows版のiTunesでは、バックアップデータの保存先がシステムドライブ(Cドライブ)配下に固定されており変更できないため、バックアップデータがシステムドライブの容量を圧迫してしまいWindowsの動作に影響を及ぼすことがあります。
そこでここでは、Windows版のiTunesでiPhoneのバックアップをCドライブ以外の場所に保存する方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
機種 | バージョン |
---|---|
Apple iPhone8 | iOS16.1.1 |
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
iTunes | 12.12.6.1 |
バックアップの保存先を変更する
Windows版のiTunesでiPhoneのバックアップをCドライブ以外に保存するには、Windowsのシンボリックリンク機能を利用します。
ここでは例として「E:¥iphone_backup\Backup」という新しいフォルダーにバックアップする手順を紹介します。
まず、Windowsのエクスプローラーで、新しいバックアップフォルダー「E:\iphone_backup\Backup」を作成します。
次に、デフォルトのバックアップフォルダーの名前を「Backup」から「Backup_old」などのように変更しておきます。
デフォルトのバックアップフォルダーの場所は、以下のいずれかです。
- C:\Users\<ユーザ名>\Apple\MobileSync\Backup
- C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup
次に、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、mklinkコマンドを使ってデフォルトのバックアップフォルダーのシンボリックリンクを作成します。
コマンドの書式は、次のとおりです。
> mklink /d <デフォルトのバックアップフォルダーの場所> <新しいバックアップフォルダーの場所>
たとえば、デフォルトのバックアップフォルダーの場所が「C:\Users\<ユーザ名>\Apple\MobileSync\Backup」で、新しいバックアップフォルダーの場所が「E:¥iphone_backup\Backup」の場合は、以下のようにコマンドを実行します。
> mklink /d "C:\Users\<ユーザ名>\Apple\MobileSync\Backup" "E:¥iphone_backup\Backup"
コマンド実行後、画面に「~のシンボリックリンクが作成されました」と表示されれば作業完了です。
以上で、iTunesでiPhoneのバックアップを作成すると、新しいバックアップ先フォルダー「E:¥iphone_backup\Backup」にバックアップデータが保存されるようになります。
あとがき
iPhoneのバックアップデータのサイズは、iPhone内に写真や動画ファイルなどをたくさん保存していると大きくなることが予想されます。
そこで、バックアップデータのサイズが大きくなることが予想されるなら、ここで紹介した方法でバックアップフォルダーを空き容量に余裕のあるドライブに変更しておくと安心でしょう。