Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

Windows OSがメインのネットワーク環境で、DHCPサーバーを構築したい場合、次のような対応方法があります。

  • 仮想環境上にLinux仮想マシンを用意して、Linux上にDHCPサーバーツールをインストールする
  • Windows OS上にサードパーティーのDHCPサーバーツールをインストールする

仮想環境やLinuxを使慣れているなら、Linux仮想マシンを用意するのもありですが、そうでない場合は、Windows OS上にサードパーティーのDHCPサーバーツールをインストールできたほうが使い勝手は良いでしょう。

そこでここでは、オープンソースの無料DHCPサーバーツール「Open DHCP Server」を使って、Windows 10でDHCPサーバを構築する方法を紹介します。

LinuxでDHCPサーバーを構築する方法
ここでは、RedHat互換のLinux(CentOS 7)で、DHCPサーバーをサクッと構築する手順を紹介します。

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit21H2
Open DHCP Server1.81

Open DHCP Serverとは

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

Open DHCP Server

「Open DHCP Server」は、オープンソースの無料DHCPサーバーツールで、Windows/Linuxに対応しています。

「Open DHCP Server」の最新バージョン1.81は、2021年11月にリリースされており、Windowsで利用できる数少ないサードパーティーのDHCPサーバーツールの中でも、比較的安心して利用できるツールで、機能的にもDHCPサーバーが備えるべき機能を不足なく搭載しています。

Open DHCP Serverの使い方

まず、事前準備として「Open DHCP Server」を稼働させるマシンでは、IPアドレスを固定で設定しておきます。

Open DHCP Serverの入手とインストール

「Open DHCP Server」のインストーラーは、上記の公式サイト経由でダウンロードします。

ダウンロードしたインストーラーを起動すると、インストール先を指定する画面が表示れるので、特別な事情がなければ、既定の「C:\OpenDHCPServer」のまま「Next」をクリックします。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

次の画面で「Install」をクリックして、インストールします。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

Open DHCP Serverの設定

インストールが完了したら、インストールフォルダー内にある「OpenDHCPServer.ini」を、メモ帳などのテキストエディターで編集して、DHCP Serverの設定を行います。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

設定項目は多岐にわたりますが、必要最低限の設定項目は次のとおりです。

[RANGE_SET]
DHCPRange=192.168.1.150-192.168.1.200
SubnetMask=255.255.255.0
DomainServer=192.168.1.254
Router=192.168.1.254
AddressTime=36000

項目名説明
DHCPRange自動的に割り当てるIPアドレスの範囲を設定する
SubnetMaskサブネットマスク
DomainServer配布するDNSサーバーのアドレス(複数指定時はカンマで区切る)
Router配布するデフォルトゲートウェイのアドレス
AddressTimeリリース期間(秒)

そのほかの設定項目については、インストールフォルダーにあるマニュアルファイル「OpenDHCPServerManual.pdf」が参考になるでしょう。

Open DHCP Serverの開始

設定が完了したら、スタートメニューのプログラム一覧から「Windows管理ツール」>「サービス」を起動して、サービス一覧から「Open DHCP Server」サービスを開始させます。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

ファイアウォールの設定

つぎに、スタートメニューのプログラム一覧から「Windows管理ツール」>「セキュリティが強化された Windows Defender ファイアウォール」を起動し「受信の規則」を追加します。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

規則の内容は、次のように設定します。

  • 規則の種類:プログラム
  • このプログラム:%SystemDrive%\OpenDHCPServer\OpenDHCPServer.exe
  • 操作:接続を許可する
  • プロファイル:既定値(すべてにチェックが入った状態)
  • 名前:任意の管理しやすい名前(例:Open DHCP Server)

リリース状況の確認

IPアドレスの払い出し状況などは、Logフォルダー内に出力されるログファイルで確認できるだけでなく、Webブラウザで「http://127.0.0.1:6789」にアクセスすることでも確認できます。

Windows 10でDHCPサーバーを構築する方法(Open DHCP Server)

あとがき

テキストファイルでの設定は、慣れないうちはとっつきにくさ感じることもありますが、慣れてしまえばGUI画面での設定よりもわかりやすく感じますよ。