企業などでネットワーク上にWindowsのファイルサーバーなどが稼働していると、クライアントパソコンから共有フォルダーへ接続するために、ネットワークドライブを割り当てることがあります。
Windowsマシンでネットワークドライブを割り当てたり切断したりする場合、エクスプローラーからマウス操作で行うこともできますが、複数のマシンに効率よく設定するならコマンドで行うのがおすすめです。
そこでここでは、Windows 10でネットワークドライブをWindowsコマンドやPowerShellで割り当て/切断する方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 21H1 |
Windowsコマンド
Windowsコマンドでネットワークドライブを割り当てる(切断する)場合は「NET USE」コマンドを利用します。
ネットワークドライブを割り当てるときのコマンド書式は、次のとおりです。
> net use <ドライブレター> <共有フォルダーのUNCパス> <パスワード> /user:<ユーザー名>
たとえば、以下のような設定で共有フォルダーをネットワークドライブとして割り当てる場合は、次のようにコマンドを実行します。
項目 | 設定値 |
---|---|
共有フォルダーのUNCパス | \\172.20.80.106\share |
ドライブレター | K: |
ユーザー名 | tarou |
パスワード | P@ssw0rd |
> net use K: \\172.20.80.106\share P@ssw0rd /user:tarou
コマンド実行後「コマンドは正常に終了しました。」と表示されていればOKです。
ネットワークドライブの割り当て状況を確認するときは、オプションを付けずに「NET USE」コマンドを実行することで確認できます。
NET USEコマンドで割り当てたネットワークドライブは、デフォルトではWindowsを再起動しても自動的に接続されるようになりますが、再起動したら切断するようにしたいときは、NET USEコマンドに「/persistent:no」オプションを付加して実行します。
ネットワークドライブを切断するときのコマンド書式は、次のとおりです。
> net use ドライブレター: /delete
たとえば、上で割り当てたネットワークドライブ「Kドライブ」を切断するときは、次のようにコマンドを実行します。
> net use K: /delete
コマンド実行後「K: が削除されました」と表示されていればOKです。
PowerShell
PowerShellでネットワークドライブを割り当てる(切断する)場合は「New-PSDrive」コマンドレットを利用します。
たとえば、以下のような設定で共有フォルダーをネットワークドライブとして割り当てる場合は、次の順にコマンドを実行します。
項目 | 設定値 |
---|---|
共有フォルダーのUNCパス | \\172.20.80.106\share |
ドライブレター | K: |
ユーザー名 | tarou |
パスワード | P@ssw0rd |
PS> $secure = ConvertTo-SecureString 'P@ssw0rd' -AsPlainText -Force
PS> $cred = New-Object System.Management.Automation.PSCredential '172.20.80.106\tarou', $secure
PS> New-PSDrive -Persist -Name K -PSProvider FileSystem -Root \\172.20.80.106\share -Credential $cred
コマンド実行後、割り当てたネットワークドライブの情報が表示されていればOKです。
ネットワークドライブの割り当て状況を確認するときは、以下のコマンドを実行して確認できます。
PS> Get-PSDrive | Where { $_.Provider -match "FileSystem"}
ネットワークドライブ(Kドライブ)を切断するときは、次のようにコマンドを実行します。
PS> Remove-PSDrive -Name K
あとがき
ネットワークドライブの割り当てもそうですが、数十台から数百台といった大量のWindowsマシンに同じ設定を行いたい場合は、コマンドやスクリプトを使って設定することで、手作業での設定にくらべて何倍も効率よく作業が行えます。
ぜひ、ご活用あれ。