Windows 10のコマンドプロンプトやPowerShellでは、デフォルトのフォントとして「MS ゴシック」が使用されていますが、見た目や見やすさがイマイチです。
そこでここでは、コマンドプロンプトのフォントを視認性や判読性が高いと評判のプログラミング用フォント「Ricty Diminished」と「Myrica」にそれぞれ変更して、どんな感じになるかを紹介します。
なお、コマンドプロンプトやPowerShell以外でも、テキストエディタやターミナルソフトで見やすいフォントをお探しの方は、参考にしていただければと思います。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
項目 | 値 |
---|---|
製品 | Windows 10 Pro 64bit |
バージョン | 1803(April 2018 Update) |
Ricty Diminishedとは
公式:プログラミング用フォント Ricty Diminished
Ricty Diminished(リクティ・ディミニッシュト)は、無料で配布されているTrueTypeフォントです。おもに、テキストエディタやターミナルソフト、プログラミング言語やマークアップ言語での使用に適しています。
おもな特長としては、エディターなどで見たときに、次に挙げたような文字の判読性が高くなるよう作成されています。
- 英小文字のエル「l」と、数字の「1」
- 英語のオー「O」と、数字のゼロ「0」
また、半角と全角が1:2に調節されているため、半角文字と全角文字(日本語)が混じっても綺麗に表示されます。
Myricaとは
公式:プログラミングフォント Myrica / Estable | Myrica (ミリカ)は、フリーなプログラミング用 TrueType フォントです。
Myrica(ミリカ)も、無料で配布されているTrueTypeフォントで、多くの特徴をプログラミング用フォントRictyから継承しており、判読性に優れたフォントです。
おもな特長としては、低解像度や小さな文字サイズで表示してもフォントの判読性に問題がでないようにするためのヒンティング情報が、ASCII文字に付加されています。これにより、小さなフォントサイズでも潰れずに表示できるようになっています。
また、半濁点が大きく表示されるようになっているため「ば」と「ぱ」などの区別がしやすく、似たようなカタカナと漢字の区別もしやすくなっています。
フォントのインストール
Ricty Diminishedの場合
公式サイトの「バージョン」からダウンロードします。
ダウンロードファイルは圧縮形式が「tar.gz」のため、7-zipなどの対応した解凍ソフトで解凍します。解凍すると以下のようなファイルがあります。
フォントファイルは一つ一つインストールすることもできますが、ここではまとめてインストールします。
Windowsの「スタート」メニューから「Windowsシステムツール」>「コントロールパネル」>「デスクトップのカスタマイズ」>「フォント」を順に開いて、解凍したフォントファイルをまとめてドラッグ&ドロップします。これで、インストールが完了します。
「フォント」画面で、インストールされているフォントの一覧に2つ表示されていればOKです。(1つのフォントに「標準」「斜体」「太字」「太字斜体」の4種類入っています。)
Myricaの場合
公式サイトの「フォント構成/配布ファイル」からダウンロードします。圧縮形式(7z, zip)は好きな方を選びます。
Myricaには「Myrica」と「MyricaM」の2種類ありますが、今回は「Myrica」を使用します。
ダウンロードファイル(Myrica.zip)を解凍し、解凍したファイルから「Myrica.TTC」を右クリックし、メニューから「インストール」をクリックします。これでインストールは完了です。
「フォント」画面で、インストールされているフォントの一覧に3つ表示されていればOKです。
表示フォントの変更
コマンドプロンプトもPowerShellもフォントの変更方法は同じなので、ここではコマンドプロンプトでの変更方法を紹介します。
コマンドプロンプトを開いて、タイトルバーを右クリックし、メニューから「プロパティ」をクリックします。
コマンドプロンプトのプロパティ画面で、フォントを変更します。
表示の比較
MSゴシック(既定)
Ricty Diminished
Myrica
あとがき
全角文字と半角文字のバランスや文字の判読性を比べてみて、個人的には「Myrica」が一番見やすいかなと思いました。
「もっと見やすいフォントがないかなぁ?」と探している方は、選択肢のひとつとして検討されてはいかがでしょうか。