Windows環境で、増設したハードディスクや外付けのハードディスクなどを初期化したりフォーマットする場合、一般的には「ディスクの管理」からマウス操作で作業を行うことが多いですが、それ以外の方法としてはコマンドラインツール「DiskPart」を使った方法があります。
そこでここでは、Windows 10で「DiskPart」ツールを使って、ハードディスクを初期化したり、フォーマットする手順を解説します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 20H2 |
DiskPartツールでの作業手順
DiskPartツールでハードディスクを初期化したり、フォーマットする作業の流れは、次のとおりです。
- DiskPartツールを起動する
- ハードディスクを選択する
- ハードディスクを初期化する
- パーティションを作成する
- パーティションを選択する
- パーティションをフォーマットする
DiskPartツールを起動する
まず、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを実行して「Diskpart」ツールを起動します。
> diskpart
ハードディスクを選択する
Diskpartツールが起動したら「list disk」コマンドを実行すると、搭載されているハードディスクの情報が一覧表示されるので、対象のハードディスク番号「ディスクx」を確認します。
どれが対象のハードディスクかを判別するには、ディスクのサイズで確認するのが分かりやすいでしょう。
> list disk
対象のハードディスク番号を確認したら「select disk」コマンドを実行して、ハードディスクを指定します。
ここでは「ディスク 1」を選択したいので、以下のように実行しています。
> select disk 1
コマンド実行後「ディスク X が選択されました。」と表示されていることを確認します。
もし、選択したハードディスクが正しいか不安なときは「detail disk」コマンドを実行することで、選択したディスクのメーカーや、ディスク上に作成しているボリューム情報などを確認することもできます。
ハードディスクを初期化する
ハードディスクを選択したら、つぎに選択したハードディスクを初期化します。
まず「clean」コマンドを実行して、選択しているハードディスクを初期化します。
> clean
「Diskpartはディスクを正常にクリーンな状態にしました。」のメッセージが表示されれば、ディスクの初期化完了です。
次に「convert gpt」コマンドを実行して、ハードディスクのパーティション形式をGPTに設定します。
> convert gpt
「DiskPartは選択されたディスクをGPTフォーマットに正常に変換しました。」と表示されれば、設定完了です。
初期化するハードディスクを、古いOS(Windows XPなど)に接続することが予想される場合は、パーティション形式として「MBR」を指定しなければならないケースもありますが、MBRはディスクサイズを2TBまでしか認識できないので、通常用途で指定することはほとんどないでしょう。
パーティションを作成する
ハードディスクを初期化したら、次に「create partition primary」コマンドを実行して、ハードディスク上にパーティションを作成します。
> create partition primary
「Diskpartは指定したパーティションの作成に成功しました。」と表示されれば、パーティションの作成完了です。
複数のパーティションを作成したいときは
上のコマンドでは、ハードディスク全体で1つのパーティションを作成するためサイズ指定は行っていませんが「size=」でパーティションサイズを指定することで、1つのハードディスク上に複数のパーティションを作成することもできます。
たとえば、100GBのハードディスクに約50GBのパーティションを2つ作成したいときは、まず、以下のコマンドを実行して50000MB(約50GB)のサイズでパーティションを作成します。
> create partition primary size=50000
次に、残りの領域すべてを使ってもう一つのパーティションを作成します。このときはサイズを指定せずに実行することで、自動的に残りの領域すべてを使ってパーティションが作成されます。
> create partition primary
パーティションを選択する
パーティションを作成したら、次にパーティションをフォーマットしますが、選択しているハードディスクに複数のパーティションを作成している場合は、まずフォーマットするパーティションを選択します。
選択しているハードディスクにパーティションを一つしか作成していない場合は、この手順はスキップし「パーティションをフォーマットする」に進みます。
まず「list partition」コマンドを実行して、選択しているハードディスク内のパーティション情報を確認し、フォーマットするパーティションの番号を確認します。
> list partition
次に「select partition」コマンドを実行して、フォーマットするパーティション番号を指定します。
以下のコマンドでは「パーティション2」を選択しています。
> select partition 2
パーティションをフォーマットする
パーティションを選択したら「format」コマンドを実行し、パーティションをフォーマットします。
コマンドの「fs=」ではファイルシステムを指定し、「quick」はクイックフォーマットを指定しています。
> format fs=ntfs quick
「Diskpartはボリュームのフォーマットを完了しました。」と表示されれば、フォーマット完了です。
なお、ファイルシステムとして指定できるのは「NTFS」以外に「exFAT」「FAT32」がありますが、特別な事情がない限りは「NTFS」を指定します。
また、FAT32は、32GB以下のパーティションにしか利用できません。
ボリュームにドライブレターを割り当てる
つぎに「assign」コマンドを実行して、フォーマットしたボリュームにドライブレターを割り当てます。
コマンドの「letter=」の部分で割り当てたいドライブ文字を指定し、以下のコマンドではドライブ文字として「D」を指定しています。
> assign letter=D
「DiskPartはドライブ文字またはマウント ポイントを正常に割り当てました。」と表示されれば、割り当て完了です。
以上で作業完了です。
なお、選択しているハードディスク上で、複数のパーティションをフォーマットしたいときは「パーティションの選択→パーティションをフォーマット→ドライブレターの割り当て」の作業を繰り返します。
動作確認
作業が完了したら、エクスプローラーなどから、作成したボリュームが表示されているか、読み書きできるかなどを確認しておきましょう。
あとがき
DiskPartツールは、Windowsに古くから搭載されているディスク操作ツールで、ハードディスクなどをフォーマットするときだけでなく、ハードディスクを廃棄するときなどにディスク上のデータを消去するツールとしても活用できます。
ご活用あれ。
