
Windowsの動作を高速化したい場合、最も効果があるのはハードウェアを増強(SSDなどの高速なディスクへの交換や、メモリ増設など)することですが、Windowsの設定を見直すことでも、高速化できる場合が多々あります。その中でも効果的なのがアニメーションなどの視覚効果(ビジュアルエフェクト)設定や電源プラン設定の変更です。
そこでここでは、Windows 11の視覚効果や電源プラン設定変更して動作を高速化する方法を解説します。
目次
視覚効果設定の変更
アニメーションをオフにする
Windows 11では、デフォルトでスタートメニューを開いたときや、右クリックメニューを表示したとき、ウィンドウを閉じたり開いたりするときにアニメーション効果が適用されており、滑らかな動きを表現していますが、サクサクとした動作を好む方にとってはこのようなアニメーションが邪魔に感じる時があります。
そのようなときは、Windowsの「設定」>「アクセシビリティ」で「アニメーション効果」をオフにすることで、これらのアニメーションがなくなり、視覚効果を最小限に抑えることができます。

メニュー表示のディレイを少なくする
Windows 11では、コンテキストメニューのサブメニューや、スタートメニューのサブメニューの表示にデフォルトで0.4秒のディレイ(遅延)が設定されていますが、このディレイにモッサリ感を感じてしまうことがあります。そのようなときは、レジストリ設定でディレイを少なくしたりなしにすることができます。
レジストリの操作を間違えると、システムが起動できなくなるなどの不具合が起きる可能性があります。慎重な操作をおすすめします。
たとえば、表示のディレイ(遅延)をデフォルトの0.4秒から0.1秒にするときは、ターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します。
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop" /v MenuShowDelay /t REG_DWORD /d 100 /fちなみに、設定する値は1/1000秒単位(ms)で指定します。上のコマンドでは「100」と指定しているので100ms(0.1秒)となります。なお、デフォルトの0.4秒に戻したいときは「400」を指定します。
コマンド実行後「この操作を完了しました。」と表示されれば設定完了です。設定はWindowsを再起動することで反映されます。
透明効果をオフにする
Windows 11のタスクバーや、設定画面のメニュー部分などには、デフォルトで曇りガラスのような透明効果が適用されていますが、見た目よりサクサクとした動作を重視するなら透明効果をオフにするとよいでしょう。
透明効果をオフにするときは、Windowsの「設定」>「アクセシビリティ」で「透明効果」をオフに設定することで、透明効果をオフにして不透明にすることができます。

視覚効果設定をパフォーマンス優先にする
Windowsの視覚効果を細かくカスタマイズしたいときは、パフォーマンスオプション画面から視覚効果設定を細かくカスタマイズでき、視覚効果をシンプルにしたいときはプリセットから「パフォーマンスを優先する」を選択することで、ほとんどの視覚効果をオフにできます。
パフォーマンスオプション画面は、Windows「設定」から「システム」>「バージョン情報」>「システムの詳細設定」>「パフォーマンス」を順に開くか、ファイルを指定して実行からなら「SystemPropertiesPerformance.exe」を実行することで直接開くことができます。

なお、パフォーマンスオプションの視覚効果の項目はレジストリで設定でき、パフォーマンスを優先する設定を行いたいときは、下記のコマンドを実行します。
視覚効果プリセット: 0:コンピューターに応じて最適なものを自動的に選択する 1:デザインを優先する 2:パフォーマンスを優先する 3:カスタム
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\VisualEffects" /v VisualFXSetting /t REG_DWORD /d 2 /fアイコンの代わりに縮小版を表示する: 0:有効 1:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced" /v IconsOnly /t REG_DWORD /d 1 /fウィンドウを最大化や最小化するときにアニメーションで表示する: 1:有効 0:無効
> reg add "HKCU\Control Panel\Desktop\WindowMetrics" /v MinAnimate /t REG_SZ /d 0 /fスクリーンフォントの縁を滑らかにする: 2:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop" /v FontSmoothing /t REG_SZ /d 0 /fタスクバーでアニメーションを表示する: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced" /v TaskbarAnimations /t REG_DWORD /d 0 /fタスクバーの縮小版のプレビューを保存する: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\DWM" /v AlwaysHibernateThumbnails /t REG_DWORD /d 0 /fデスクトップのアイコン名に影を付ける: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced" /v ListviewShadow /t REG_DWORD /d 0 /fドラッグ中にウィンドウの内容を表示する: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop" /v DragFullWindows /t REG_SZ /d 0 /fプレビューを有効にする: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\DWM" /v EnableAeroPeek /t REG_DWORD /d 0 /f半透明の[選択]ツールを表示する: 1:有効 0:無効
> reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced" /v ListviewAlphaSelect /t REG_DWORD /d 0 /f以下の項目は、一つのレジストリ値(UserPreferencesMask)でバイナリデータとして管理されています。下のコマンドは、以下の項目をすべてオフにしたときのバイナリデータを記載しています。
- Windows内のアニメーションコントロールと要素
- ウィンドウの下に影を表示する
- コンボボックスをスライドして開く
- ヒントをフェードまたはスライドで表示する
- マウス ポインターの下に影を表示する
- メニューをフェードまたはスライドして表示する
- メニュー項目をクリック後にフェードアウトする
- リストボックスを滑らかにスクロールする
reg add "HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop" /v UserPreferencesMask /t REG_BINARY /d 9012038010000000 /fなお、レジストリで設定した場合は、設定を適用するために以下のコマンドでエクスプローラープロセスを再起動するか、Windowsを再起動させる必要があります。
taskkill /f /im explorer.exe & start explorer.exe電源プラン設定の変更
高パフォーマンスへの変更
Windows 11では、デフォルトの電源プランとして「バランス」が選択されており、自動的にパフォーマンスと電力消費のバランスが取られていますが、電源プランをパフォーマンスを優先する設定に変更することで、PCの性能を最大限引き出してWindowsの動作の高速化に期待できます。
電源プランを変更するときは、スタートボタン横の検索などからコントロールパネルを起動して「ハードウェアとサウンド」>「電源オプション」画面から、電源プランを「高パフォーマンス」に変更することで、パフォーマンス優先に変更できます。

電源プランに「高パフォーマンス」が表示されていないときは、コマンドプロンプトもしくはWindows PowerShellを管理者権限で起動し、次のコマンドを実行した後に「電源オプション」画面を開き直せば、追加の電源プランに「高パフォーマンス」が表示され、選択された状態になっています。
> powercfg /s 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635cちなみに、電源プランを「バランス」から「高パフォーマンス」にすると3%ほど性能が向上し、「省電力」から「高パフォーマンス」にすると2倍近い性能向上が期待できる場合もあります。
なお、電源プランをパフォーマンス優先すると電力消費は上がります。
究極のパフォーマンスへの変更
あまり知られていませんが、さらにパフォーマンスを追求した「究極のパフォーマンス」という電源プランを追加することもできます。
「究極のパフォーマンス」を追加するには、コマンドプロンプトもしくはWindows PowerShellを管理者権限で起動し、次のコマンドを実行します。
> powercfg /duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61コマンド実行後「電源オプション」画面を開き直せば「究極のパフォーマンス」が表示され、選択できるようになっているはずです。

なお、電源プランを「高パフォーマンス」から「究極のパフォーマンス」に変更した場合の性能向上の度合は環境により異なるようなので、どれぐらい性能向上するか確かめたいときはは、ベンチマークソフトなどを利用して計測してみるとよいでしょう。
なお、注意点としては「究極のパフォーマンス」は、デスクトップPC向けの電源プランで、ノートPCなどのバッテリー駆動のPCでは利用できません。
電源プラン設定を既定値に戻したいときは、コマンドプロンプトもしくはWindows PowerShellを管理者権限で起動し、次のコマンドを実行します。
> powercfg -restoredefaultschemesコマンド実行後「電源オプション」画面を開き直せば、選択可能な電源プランは既定値に戻ります。
あとがき
Windows 11の表示や動作に、カッコよさや滑らかな動きよりもシンプルさやサクサクとした動きを重視したいと考えているなら、上に挙げた設定が役立つでしょう。