Windows 10で共有フォルダーを作成する場合、通常は「共有ウィザード」から作成するのがカンタンですが、「共有ウィザード」で作成する場合、共有名の設定など細かなカスタマイズはできません。
そんなときときは「詳細な共有」画面から共有フォルダーを作成すれば、自分で共有名を指定するなど、細かなカスタマイズができます。
そこでここでは、Windows 10で「詳細な共有」画面から共有フォルダーを作成する方法を紹介します。
なお、Windows 10で共有フォルダーを利用するために必要な事前設定については、以下の記事をご覧ください。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1909 |
共有フォルダーを作成する
「詳細な共有」から共有フォルダーを作成する方法は、次のとおりです。
まず、共有したいフォルダーを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択します。
共有の設定
プロパティ画面が開いたら「共有」タブから「詳細な共有」ボタンをクリックします。
「詳細な共有」画面が開くので、まず「このフォルダーを共有する」にチェックをいれます。
すると、その下の設定項目を操作できるようになるので、それぞれの項目を設定していきます。
共有名
共有名は、他のコンピューターからこの共有フォルダーにアクセスするときに使用する名前で、デフォルトではフォルダー名が入力されていますが、変更が可能です。
あまり利用することはありませんが「共有名」欄の下にある「追加」ボタンをクリックすると、異なる共有名とアクセス許可設定を追加することができます。
これにより、一つのフォルダーに対して複数の共有を別々の共有名で作成し、それぞれに異なるアクセス許可を割り当てることもできます。
同時に共有できるユーザー数
共有フォルダーにアクセスできる最大ユーザー数が入力されており、通常は変更する必要はありません。
コメント
共有フォルダーの利用目的などのコメントを任意で入力できます。
アクセス許可
「アクセス許可」ボタンからは「共有のアクセス許可」設定を行います。
デフォルトでは「Everyone:読み取り」に設定されており、この共有フォルダーにアクセスするすべてのユーザーは、ファイルの読み取りのみ許可されています。
変更もできるようにしたい場合は、Everyoneを選択した後に、「変更」欄の「許可」チェックボックスをオンにします。
なお「追加」ボタンから特定のユーザーを追加して、アクセス許可レベルを設定することもできます。
キャッシュ
「キャッシュ」をクリックすると、共有フォルダー内のファイルやプログラムをオフラインで利用できるようにするかどうかの設定ができますが、通常はデフォルトの設定のままでOKです。
以上で共有の設定は完了ですが、これで終わりではありません。
NTFSアクセス許可の設定
次に、先ほどのフォルダーのプロパティ画面から「セキュリティ」タブを開き、共有フォルダーにアクセスするユーザーのNTFSアクセス許可レベルを設定します。
ここでは、例として「User01」という既存のユーザーに読み取りと変更の権限を与えます。
まず「編集」ボタンをクリックします。
「アクセス許可」画面が表示されるので「追加」ボタンをクリックします。
「ユーザーまたはグループの選択」画面が表示されるので「選択するオブジェクト名を入力してください」欄に「user01」と入力し「名前の確認」をクリックします。
すると、自動的にユーザーが検索され、ユーザーが見つかると次のように自動的にオブジェクト名が入力されるので「OK」をクリックします。
「アクセス許可」画面に戻ると「User01」が追加されているので、クリックして選択してから、下の「アクセス許可」から「変更」の許可チェックボックスをオンにし「OK」をクリックします。
以上で「User01」という既存のユーザーに読み取りと変更の権限を与えました。
以上で共有フォルダーの作成は完了です。
他のコンピューターから共有フォルダーにアクセスする
共有フォルダーを作成したら、他のコンピューターから共有フォルダーにアクセスできるか確認しておきましょう。
ここでは、他のコンピューターでエクスプローラーを起動して、アドレスバーに共有フォルダーへのネットワークパスを入力してアクセスしています。
共有フォルダーへのネットワークパスは、通常「\\<コンピューター名>\<共有名>」となりますが、まれにコンピューター名では接続できない場合があります。その場合は、コンピューター名の部分をIPアドレスに置き換えるとアクセスできる場合があります。
なお、初めてアクセスするときには資格情報の入力を求められるので、共有フォルダーに接続できるユーザーの情報を入力します。
「共有のアクセス許可」と「NTFSアクセス許可」
共有フォルダーへアクセスする際のアクセス許可レベルは、「共有のアクセス許可」設定と「NTFSアクセス許可」設定が順に参照され、最終的なアクセス許可レベルが決定されます。
設定ごとの最終的なアクセス許可レベルは、次のような感じになります。
ユーザー | 共有のアクセス許可 | NTFSアクセス許可 | 最終許可レベル |
---|---|---|---|
A | なし | ー | なし |
B | 読み取り | なし | なし |
C | 読み取り | 読み取り | 読み取り |
D | 読み取り | 読み取り/変更 | 読み取り |
E | 読み取り/変更 | なし | なし |
F | 読み取り/変更 | 読み取り | 読み取り |
G | 読み取り/変更 | 読み取り/変更 | 読み取り/変更 |
ザックリいうと「共有のアクセス許可」設定と「NTFSアクセス許可」設定のうち、より厳しいアクセス許可レベルが適用されると覚えておけばよいでしょう。
ちなみに、共有フォルダーを多数管理する場合によく利用される方法として、共有のアクセス許可レベルを「Everyone:フルコントロール」に統一してしまう方法があります。この方法は、共有フォルダーへの最終的なアクセス許可レベルが、NTFSアクセス許可の設定と同じになるので、分かりやすく管理しやすいメリットがあります。
「共有ウィザード」から共有フォルダーを作成した場合、指定したユーザーとアクセス許可レベルは、「共有のアクセス許可」と「NTFSアクセス許可」の両方に自動的に設定されます。
あとがき
「共有のアクセス許可」と「NTFSアクセス許可」の設定がよくわからない場合は、「詳細な共有」からの共有フォルダーの作成は避けて、「共有ウィザード」を利用して共有フォルダーを作成したほうが安心です。