Hyper-Vは、Windows上に複数の仮想マシンを作成して、複数のオペレーティングシステムを実行させることができるハードウェア仮想化機能で、Windows 10や11でもPro/Education/EnterpriseといったエディションにHyper-V機能が搭載されています。
ですが、デフォルトでは無効化されており、利用するには有効化する必要があります。
そこでここでは、Windows 10や11でHyper-Vを有効化する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 21H2 |
Hyper-Vを利用するための準備
Hyper-Vを利用するには、Windows 10のPro/Enterprise/Education(64bit版のみ)が必要になり、搭載メモリは最低4GB、仮想化支援機能(Intel VT/AMD-V)をサポートしたCPUが必要です。
Windows 10 Hyper-V のシステム要件 | Microsoft Docs
最近のパソコンであれば、ハードウェア要件は満たしていると思いますが、コマンドプロンプトで「systeminfo」コマンドを実行することでも、出力される情報から要件を満たしているかを確認できます。
また、仮想化支援機能は、UEFI/BIOS上で無効化されていることがあるので、その場合はUEFI/BIOS上で有効化しておく必要があります。
UEFI/BIOS上で仮想化支援機能を有効化する手順は、機種ごとに異なりますが、たいていはCPU関連の設定セクションにある「Intel Virtualization Technology」や「SVM Mode」といった項目を有効化します。
参考URL:
[マザーボード] BIOSにVT (Virtualization Technology) を設定しWindowsに仮想マシンをインストールする方法 | サポート 公式 | ASUS 日本
Hyper-Vを有効化する
Hyper-V機能はデフォルトで無効化されており、利用するにはWindows上で有効化する必要があり、GUI画面/DISMコマンド/PowerShellのいずれで有効化できます。
GUI画面から有効化する
GUI画面から有効化するときは、スタートボタン右にある検索ボックスに「OptionalFeatures」と入力し、候補から「OptionalFeatures」をクリックします。
「Windowsの機能」画面が表示されるので「Hyper-V」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
機能の有効化処理が開始され、完了すると「必要な変更のインストールを完了するには、PCを再起動する必要があります。」と表示されるので「今すぐ再起動」をクリックして、Windowsを再起動します。
以上で、Hyper-Vが有効になります。
DISMコマンドで有効化する
DISMコマンドで有効化するときは、管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを起動して、以下のコマンドを実行します。
> DISM /Online /Enable-Feature /All /FeatureName:Microsoft-Hyper-V
コマンドを実行すると、機能の有効化処理が開始され、完了すると「今すぐコンピューターを再起動しますか?」と表示されるので「Y」キーを押してWindowsを再起動します。
以上で、Hyper-Vが有効になります。
PowerShellで有効化する
PowerShellで有効化するときは、管理者権限でPowerShellを起動して、以下のコマンドを実行します。
PS> Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Microsoft-Hyper-V -All
コマンドを実行すると、機能の有効化処理が開始され、完了すると「この操作を完了するために、今すぐコンピューターを再起動しますか?」と表示されるので、Enterキーを押してWindowsを再起動します。
以上で、Hyper-Vが有効になります。
Hyper-Vの利用を開始する
Hyper-Vを有効化できたら、スタートメニューのプログラム一覧などから「Hyper-Vマネージャー」を起動して、Hyper-Vの利用を開始できます。
あとがき
Hyper-Vは、どちらかというと技術者が利用する機能という印象が強いですが、一時的に別のWindowsやLinuxマシンを使いたいときに、ハードウェアをわざわざ準備しなくても、サクッと仮想マシンとして作成できるので便利ですよ。