Android端末をリモート操作(遠隔操作)できるアプリは、Android端末と操作する側の端末が、同一のローカルネットワークに接続していることを前提としていることが多く、地理的に離れた場所にあるAndroid端末をインターネット経由でリモート操作できるアプリは限られます。
インターネット経由でAndroid端末をリモート操作できるアプリとしては「TeamViewer」「AirDroid」「AnyDesk」などが挙げられますが、2020年8月現在で、個人で無償利用できるアプリとしておススメしたいのが「AnyDesk」です。
そこでここでは、AnyDeskを使ってWindows 10からAndroid端末をインターネット経由でリモート操作する方法を紹介します。


目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Google Nexus 5X(Android) | 8.1.0 |
Android版 AnyDesk | 6.0.4 |
Windows 10 Pro 64bit | 2004 |
Winddows版 AnyDesk | 6.0.7 |
「AnyDesk」とは
高速リモートデスクトップアプリケーション – AnyDesk
「AnyDesk」は、ドイツのAnyDesk Softwareが提供するクロスプラットフォーム対応のリモート操作ソフトで、対応プラットフォームは、Windows、macOS、iOS、Android、Linux、FreeBSD、Raspberry Pi、ChromeOSと幅広く、個人利用に限り無償で利用できます。
AnyDeskの主な特徴は、次のとおりです。
- ローカルネットワーク経由、インターネット経由でのリモート操作が可能
- 独自ビデオコーデックにより低遅延でのリモート操作が可能
- 分かりやすいユーザーインターフェース
- ファイル転送や音声転送が可能
- クリップボードの共有が可能
- 操作画面の録画が可能
- 無人アクセスが可能
また、直近のバージョンアップでは2段階認証や、Wake On LANにも対応しています。
インターネット経由でリモート操作が可能で個人利用が無償のアプリとしては「TeamViewer」や「AirDroid」などもありますが、前者は個人での無償利用に厳しい制限がかかるようになり、使い勝手が落ちており、後者も個人での無償利用では通信量に制限があります。
その点「AnyDesk」は、個人での利用でも利便性を損なうような制限がないことから、人気が出てきています。
「AnyDesk」の使い方
ここでは、Windows 10マシンからインターネット経由でAndroid端末をリモート操作するための手順を紹介します。
Android端末の設定
リモート操作される側のAndroid端末に、Playストアから「AnyDesk Remote Control」をインストールします。
AnyDeskでは、リモート接続する側とリモート接続される側でインストールするアプリが同じなのも分かりやすいです。
アプリを起動すると、プラグインのインストールを求められるので、指示に従いプライグインをインストールします。


プラグインをインストールしてアプリ画面に戻ると、プラグインを有効化するかの画面が表示されるので「OK」をタップします。
すると、プライグインが提供するユーザー補助機能を許可するかの画面が表示されるので、Androidの「ユーザー補助」設定画面で、インストールしたプラグインをタップして、次画面でスライダーをタップして、有効化します。


アプリ画面に戻ると、バッテリー消費の最適化機能がAnyDeskの動作を妨げる場合があるので、そのときはAndroidの設定で、バッテリー消費の最適化を無効化できる旨の画面が表示されるので「OK」をタップします。
初期設定が終わりアプリ画面が表示されると「あなたのアドレス」欄に9桁の数字でAnyDeskアドレスが表示されるので、この画面のままにしておきます。
AnyDeskアドレスは、この端末をリモート操作するときに利用します。
リモート接続を開始するときだけ、アプリ画面をアクティブにしておかないと接続を開始できません。
以上で、リモートされる側の設定は完了です。
Windows 10の設定
次に、以下の公式サイトから、リモート操作する側のWindows 10にAnyDeskをダウンロードします。
ダウンロードした「AnyDesk.exe」を実行すると、アプリが起動してすぐに利用できます。
なお、アプリの自動バージョンアップなど、一部の機能はインストールしないと利用できないので、必要に応じてアプリをインストールします。
リモート接続の開始
リモート接続手順はとても簡単で、リモート接続される側のAndroid端末に表示されていた9桁のAnyDeskアドレスを「ほかのワークスペース」のテキストボックスに入力して「接続」をクリックします。
すると、Android端末側に接続を承認するかの確認画面が表示されるので、承認することでWindows 10からAndroid端末にリモート接続できます。
なお、Android端末側には、確認画面と警告画面、承認画面の3つが順に表示され、それぞれの画面で「今すぐ開始」「(チェックボックスにチェックを入れて)承認する」「承諾」をタップします。
※警告画面は、2回目以降の接続時は表示されません。



正常にリモート接続できると、以下のようにAndroid端末の画面が表示され、マウスやキーボードでリモート操作できるようになり、テキストデータのクリップボード共有やファイル転送もできます。
なお、Windows 10側のキーボードから直接文字を入力する場合、アルファベットは問題なく入力できますが、日本語の入力は難しそうです。
リモート接続の終了
リモート接続の終了は、リモートする側される側のいずれの端末からでも可能です。
リモート接続する側(ここではWindows 10)から終了するときは、接続タブに表示されている×ボタンをクリックしたり、接続タブを右クリックして、メニューから「セッションを閉じる」をクリックします。
リモート接続される側(ここではAndroid端末)から終了するときは、アプリ画面に表示されている×ボタンをタップします。
なお、接続したマシンは履歴として残るので、次回からは履歴をクリックすることでスムーズに接続できます。
以上が基本的なリモート操作方法です。
あとがき
以前は、インターネット経由でAndroid端末をリモート操作でき、個人での利用が無償のアプリとしては「TeamViewer」が最有力の選択肢でしたが、無償利用に厳しい制限がかかるようになった今、個人利用では「AnyDesk」が最有力の候補ではないでしょうか。
AnyDeskは、対応プラットフォームも多く、操作画面も分かりやすく、機能的にも充実してきており、個人で無償利用できるリモート操作アプリとしておススメです。