Windows 10や11を利用していると原因不明のトラブルに見舞われることも珍しくありません。そのようなとき、トラブルシューティングよりも正常な状態に戻すことを優先するなら、再起動やシャットダウンを行ってみるというのが効果的な対処方法の一つですが、Windows 10や11のシャットダウンには注意が必要です。
Windows 10や11のシャットダウンには「通常シャットダウン」と「完全シャットダウン」の2種類があり、一般的な操作で実行される通常シャットダウンは、場合によっては問題が解決できないばかりか、予期せぬ問題を新たに引き起こすおそれがあります。
そこでここでは「完全シャットダウン」が通常のシャットダウンとどう違のかや、Windowsを完全シャットダウンする方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
完全シャットダウンとは
Windows 10や11のデフォルトのシャットダウン方法である「通常シャットダウン」では、高速スタートアップという機能が利用されており、Windowsのシャットダウン時にメモリやCPUの状態を保持することによって、次回のWindowsの起動を高速化しています。
しかし、この「高速スタートアップ」機能は、PCの動作が不安定なときや、ハードウェアに変更があるときに利用すると、思わぬ動作トラブルを引き起こすことがあります。
それに対して「完全シャットダウン」や再起動では、高速スタートアップ機能は利用されないため、メモリやCPUの状態を保持することはなく、Windowsの起動時には、必要な情報がいちから読み込み直されます。
そのため、トラブルなどでWindowsをシャットダウンするときは「完全シャットダウン」を行うのがおすすめです。
完全シャットダウンを実行する方法
Windows 10や11を完全シャットダウンする手順は、以下の3通りの方法があります。
- コマンドで完全シャットダウンする
- マウスとキー操作を組み合わせて完全シャットダウンする
- 高速スタートアップを無効化する
コマンドで完全シャットダウンする
コマンドで完全シャットダウンするときは、管理者としてコマンドプロンプト起動して、以下のコマンドを実行します。
> shutdown /s /f /t 0
マウスとキー操作を組み合わせて完全シャットダウンする
マウスとキー操作を組み合わせて完全シャットダウンするときは、スタートメニューから電源アイコンをクリックして、Shiftキーを押しながら「シャットダウン」をクリックします。
高速スタートアップを無効化する
Windows 10や11を通常操作でシャットダウンしたときに、常に完全シャットダウンさせたいときは、高速スタートアップを無効化します。
高速スタートアップを無効化する手順は、次のとおりです。
スタートメニューのプログラム一覧などから「コントロールパネル」を起動します。(Windows 11の場合は、スタートメニューのプログラム一覧から「Windowsツール」をクリックして、表示された一覧から「コントロールパネル」を選択します。)
「コントロールパネル」を起動したら「ハードウェアとサウンド」をクリックします。
「ハードウェアとサウンド」画面が表示されるので、電源オプションにある「電源ボタンの動作の変更」をクリックします。
「電源ボタンの定義とパスワード保護の有効化」画面が表示されるので「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックしてから「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックをオフにして「変更を保存」をクリックします。
以上で、通常操作でシャットダウンしたときに、常に完全シャットダウンするようになります。
あとがき
高速スタートアップ機能は、体感できるほどの高速化は見込めないことが多いため、個人的には、高速スタートアップは利用せず、常に「完全シャットダウン」を行うことをおススメします。
これにより、余計なトラブルを避けることもできます。