複数のユーザーアカウントを登録しているWindowsマシンでは、ユーザーアカウントの切り替え機能を利用することで、現在サインインしているユーザーの状態を維持したまま別のユーザーでサインインすることができます。
ですが、スペックの低いマシンではユーザーの切り替え機能を利用することで、マシンの動作が遅くなってしまったり、アプリの動作に問題が発生することがあります。
そこでここでは、このようなトラブルを避けるためにWindows 10や11でユーザーの切り替え機能をグループポリシーやレジストリ設定で無効化する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 22H2 |
グループポリシー設定で無効化する
ユーザーの切り替え機能をローカルグループポリシー設定で無効化する手順は、次のとおりです。
まず、スタートボタン右の検索ボックスに「gpedit」と入力して、検索結果から「ローカルグループポリシーエディター」を起動します。
ローカルグループポリシーエディターが起動したら、画面左側にツリーから「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「システム」>「ログオン」を順に展開します。
画面右側のポリシー一覧から「ユーザーの簡易切り替えのエントリポイントを非表示にする」をダブルクリックします。
設定画面が表示されるので「有効」を選択して「OK」をクリックします。
最後に、設定を適用するためにWindowsを再起動します。
以上で、ユーザーの切り替え機能が無効化され、スタートメニューやCtrl+Alt+Delを押したときの画面からユーザーを切り替えることはできなくなります。
ユーザーの切り替え機能が有効時の画面
ユーザーの切り替えを無効化したときの画面
なお、設定を戻したいときは「ユーザーの簡易切り替えのエントリポイントを非表示にする」の設定画面で「未構成」に設定します。
レジストリ設定で無効化する
ローカルグループポリシーが設定できないHomeエディションでは、ユーザーの切り替え機能をレジストリ設定で無効化できます。
レジストリ設定でユーザーの切り替え機能を無効化するときは、管理者としてコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドを実行します。
> reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v HideFastUserSwitching /t REG_DWORD /d 1 /f
コマンド実行後「この操作を正しく終了しました。」と表示されていれば設定完了です。
最後に、設定を適用するためにWindowsを再起動します。
以上で、ユーザーの切り替え機能が無効化され、スタートメニューやCtrl+Alt+Delを押したときの画面からユーザーを切り替えることはできなくなります。
なお、設定を戻したいときは、管理者としてコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドを実行します。
> reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System" /v HideFastUserSwitching /t REG_DWORD /d 0 /f
あとがき
ユーザーの切り替え機能の利用によって、マシンの動作が遅くなったり、アプリの動作に問題が発生している場合は、トラブルを避けるためにユーザーの切り替え機能を無効化しておけば、余計なトラブルを避けることができるでしょう。