パソコン用のOSとしてLinuxを選択する場合、使い勝手の良さを考えるともっともおススメのディストリビューションは「Ubuntu」です。
Ubuntuでは、サーバーやパソコンといった用途に合わせたインストールイメージが用意されており、パソコン向けとしては「Ubuntuデスクトップ」が提供されています。
Ubuntuデスクトップでは、GUI環境やWebブラウザといったGUIアプリケーションがあらかじめインストールされるため、WindowsやMacと同じような感覚で操作でき、これからLinuxを触ってみようと思っている初心者の方にもお勧めできます。
そこでここでは「Ubuntu デスクトップ 21.10」のインストール手順を紹介します。
Ubuntuは、通常リリース版と長期サポート(LTS)版でサポート期間が異なります。
通常リリース版は、サポート期間は9カ月間となり、ここで紹介している「21.10」は通常リリース版で、2022年7月までサポートされます。新機能などをいち早く体験したい場合は、通常リリース版がおススメです。
対して、長期サポート(LTS:Long Term Support)版は、サポート期間が5年間で、現在のLTS版「20.04.4」は2025年4月までサポートされます。安定性を求める場合は、長期サポート版がおススメです。
目次
Ubuntuデスクトップの推奨システム要件
- 2GHzデュアルコアプロセッサ以上
- 4GBシステムメモリ
- 25GBのハードドライブ空き容量
- DVDドライブまたはUSBポート(インストールメディアとして使用)
- インターネットアクセス(推奨)
インストールメディアの準備
以下の公式ページから、ISOファイルをダウンロードします。
ISOファイルをダウンロードしたら、DVDやUSBメモリに書き込んで、起動可能なインストールメディアを作成します。
以下の記事では、Windows環境でISOファイルをDVDやUSBメモリに書き込む方法を紹介しているのでご参考までに。


Ubuntuのインストール
ここでは例として、以下のようなスペックのHyper-V仮想マシンにインストールしていますが、一般的な日本語環境のパソコンにインストールする手順と同じです。
- 2個の仮想プロセッサ
- 4GBのメモリ
- 40GBの仮想ハードディスク
- DVDのインストールメディアを使用
- セキュアブート(Microsoft UEFI 証明機関)
まず、インストールメディアから起動すると、以下のような画面が表示されるので矢印キーで「Ubuntu」を選択した状態でEnterキーを押します。
しばらくすると「ようこそ」画面が表示されるので、インストール時の表示言語を選択し「Ubuntuをインストール」をクリックします。
「キーボードレイアウト」の選択画面が表示されるので、使用するキーボードレイアウトを選択します。一般的な日本語環境なら「Japanese」>「Japanese」を選択すればOKです。
レイアウトを選択したら「キーボード入力をここで試してください」欄に記号などを入力して、意図した文字が入力されるか確認してから「続ける」をクリックします。
「アップデートと他のソフトウェア」画面が表示されるので、以下のように設定して「続ける」をクリックします。
- あらかじめどのアプリケーションをインストールしますか?:必要なアプリケーションは、後から自分でインストールしたい場合は「最小インストール」を選択し、それ以外は「通常のインストール」を選択します。
- Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする:チェックオン
- グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする:チェックオン
- Configure Secure Boot:セキュアブートが有効な環境では、チェックオンしパスワードを設定します。
「インストールの種類」画面が表示されるので、既存のデータをすべて削除してUbuntuをインストールする場合は「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択して「インストール」をクリックします。
既存のディスクにWindowsなどの他のOSがインストールされている環境で、既存のOSはそのままでUbuntuを追加して、デュアルブート構成にすることも可能ですが、ここではその手順は割愛します。
LVMやZFS、ドライブの暗号化を利用したい場合は「高度な機能」から選択でき、「それ以外」を選択すれば自分でパーティションを作成することもできます。
複数のハードディスクを搭載しているマシンでは、どのディスクにUbuntuをインストールするかの選択画面が表示されるので「ドライブの選択」から、インストールするディスクを選択して「インストール」をクリックします。
「ディスクに変更を書き込みますか?」画面が表示されるので「続ける」をクリックします。
「どこに住んでいますか?」画面が表示されるので、タイムゾーンを選択して「続ける」をクリックします。日本在住なら「Tokyo」を選択します。
「あなたの情報を入力してください」画面が表示されるので、以下の情報を入力/設定して「続ける」をクリックします。
- あなたの名前:コンピュータの利用者名
- コンピューターの名前:ホスト名
- ユーザー名の入力:ログイン時に使用するユーザー名
- パスワード:ログイン時に使用するパスワード
- 「ログイン時にパスワードを要求する」を選択(「自動的にログインする」は、セキュリティ的には選択すべきではないでしょう)
インストール処理が開始されるので、そのまま待機します。
インストールが完了すると「インストールが完了しました」画面が表示されるので「今すぐ再起動する」をクリックします。
セキュアブートが有効な環境では、再起動すると「Perform Mok management」画面が表示されるので、矢印キーで「Enroll MOK」を選択して、エンターキーを押します。
セキュアブートが無効の環境では、Ubuntuのログイン画面が表示されます。
「Enroll MOK」画面で、矢印キーで「Continue」を選択して、エンターキーを押します。
「Enroll the key(s)?」画面で、矢印キーで「Yes」を選択して、エンターキーを押します。
パスワードの入力画面が表示されるので「Configure Secure Boot」で設定したパスワードを入力して、エンターキーを押します。(なお、ここではキーボードが英語キーボードとして認識されているので、記号を入力するときはご注意ください)
正しくパスワードが入力されていれば、以下の画面が表示されるので、矢印キーで「Reboot」を選択して、エンターキーを押します。
再起動すると、ログイン画面が表示されるので、設定したユーザー名とパスワードを入力してログインします。
「オンラインアカウント」画面が表示されますが、後から必要に応じて設定できるので、ここでは「スキップ」をクリックします。
「Ubuntuの改善を支援する」画面が表示されるので、情報を送信して協力するなら「はい」を、送信したくないなら「いいえ」を選択し「次へ」をクリックします。
「プライバシー」画面が表示されますが、後から必要に応じて設定できるので、ここではオフのまま「次へ」をクリックします。
「準備が完了しました!」画面が表示されるので「完了」をクリックします。
デスクトップ画面が表示され、ソフトウェアの更新を求められるので更新を実施します。
以上でインストール完了です。
あとがき
一般的なハードウェア構成のパソコンにUbuntuをインストールするなら、手順はそれほど難しくありません。
また、いきなりインストールするのはちょっとなぁという場合は、インストールメディアから起動したときに「Ubuntuを試す」を選択すれば、Ubuntuをハードディスクにインストールすることなく利用できます。
お試しあれ。