外付けハードディスクやUSBメモリ、SDカードなどを購入すると、デフォルトでフォーマットされていることが多く、すぐに利用できるようになっていますが、最適なファイルシステムでフォーマットされていない場合もあります。
そこでここでは、Windows環境での外付けハードディスクやUSBメモリ、SDカードに最適なファイルシステムや、フォーマット方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 2004 |
Windows 10で利用できるファイルシステム
Windows 10では、おもに以下の3種類のファイルシステムを利用できます。
- FAT32
- NTFS
- exFAT
FAT32
「FAT32」は、古いファイルシステムですが、LinuxやMacなど多くのOSと互換性があるため、複数のOSに接続して利用することが想定されるディスクではFAT32を選択することがあります。
ですが、1ファイルの最大サイズが4GB、1つのパーティションの最大サイズが2TBに制限されるため、動画などの大容量のファイルを保存するのには向きません。
また、圧縮機能やファイル暗号化機能なども実装されていません。
NTFS
「NTFS」は、Windowsの標準的なファイルシステムで、内蔵ハードディスクはNTFSでフォーマットする場合がほとんどで、機能的にも管理機能・耐障害性・暗号化機能などが実装されており高機能でセキュリティ的にも安心です。
ただし、MacやLinuxでは読み取りはサポートされていますが、書き込みに関しては「NTFS-3G」などの、書き込みを可能にするツールを利用する必要があります。
exFAT
「exFAT」は「FAT32」のファイルサイズの制限などを解消したファイルシステムで、Windowsだけでなく、MacやLinux、Androidでも読み書きが可能です。
exFATは、FAT32と同じように圧縮機能やファイル暗号化機能などは実装されておらず、管理機能などもありませんが、耐障害性の点では、チェック機能の実装によりFAT32と比較すると障害が発生しづらくなっています。
最近では、大容量メモリカードなどはこの形式でフォーマットされて販売されており、PlayStation4やNintendo Switchも「exFAT」に対応しています。
デバイスごとの最適なファイルシステム
デバイスごとの最適なファイルシステムは、外付けハードディスクやUSBメモリ、SDカードをどのような環境で利用するかによって決めるのが良いでしょう。
- Windows環境でのみ利用する場合は「NTFS」
- LinuxやMacなどにも接続したり、頻繁に取り外すことが想定される場合は「exFAT」
- 古いOS(Windows XPなど)に接続することが予想される場合は「FAT32」
デバイスのフォーマット方法
Windows 10で外付けハードディスクやUSBメモリ、SDカードなどのデバイスをフォーマットする場合、3通りの方法があります。
- エクスプローラー
- ディスクの管理
- DiskPartツール
いちばん簡単な方法は、エクスプローラーからフォーマットする方法で、手順は次のとおりです。
フォーマットされていないデバイスはエクスプローラーには表示されないので、その場合は「ディスクの管理」やDiskPartツールで初期化してからフォーマットする必要があります。
エクスプローラーを起動して、左側のメニューから「PC」を選択します。
画面右側にデバイスの一覧が表示されるので、フォーマットしたいデバイスを右クリックして、メニューから「フォーマット」をクリックします。
フォーマット画面が表示されたら「ファイルシステム」から、利用したいファイルシステムを選択して「開始」をクリックすることでフォーマットできます。
デバイスをフォーマットすると、そのデバイスに保存されていたデータはすべて消去されるので、フォーマットするデバイスを間違わないよう気を付けましょう。

あとがき
「exFAT」は、Microsoftが開発したファイルシステムなので、Windows専用と思われがちですが、現在はMacやLinuxやAndroidでも読み書きが可能なファイルシステムとなっています。