スマートフォンの多くには、自身を中継して(Wi-Fiルーター化して)パソコンなどをインターネット接続できるようにする「テザリング」機能が搭載されており、パソコンとスマートフォンを接続する方法として、以下の3通りの方法があります。
- USBケーブルで有線接続(USBテザリング)
- Wi-Fiで無線接続(Wi-Fiテザリング)
- Bluetoothで無線接続(Bluetoothテザリング)
そこでここでは、上の3種類のテザリング方法それぞれの特徴や、それぞれのテザリング機能を使って、Windows 10パソコンをAndroidスマホ経由でインターネット接続する方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他の機種やバージョンでは、操作方法や動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Google Nexus 5X(Android) | 8.1.0 |
Windows 10Pro x64 | 2004 |
USBテザリング
通信速度:〇 バッテリー消費:〇 複数台:×
「USBテザリング」は、インターネット接続したいWindows 10とAndroidスマホをUSBケーブルで有線接続する方法で、次のような特徴があります。
- テザリング方法の中では最も高速な通信が可能
- 充電しながらテザリングが可能
- スマホのWi-Fi接続と併用できる
- 1台のAndroidスマホに1台のデバイスのみテザリングが可能
Windows 10とAndroidスマホをUSBテザリングで接続する手順は、次のとおりです。
まず、AndroidスマホとWindows 10パソコンをUSBケーブルで接続してから、Androidスマホで「設定」から「ネットワークとインターネット」をタップします。
「ネットワークとインターネット」画面で「アクセスポイントとテザリング」をタップします。(機種によっては名称が異なる場合があります。)
「アクセスポイントとテザリング」画面で「USBテザリング」のスライダーをタップしてオンに設定します。
以上の設定だけで、Windows 10に新たなネットワークデバイス「Remote NDIS based Internet Sharing Device」が自動的に追加され、Windows 10からインターネット接続できるようになります。
Wi-Fiテザリング
通信速度:〇 バッテリー消費:× 複数台:〇
「Wi-Fiテザリング」は、インターネット接続したいWindows 10とAndroidスマホをWi-Fiで無線接続する方法で、次のような特徴があります。
- Bluetoothテザリングより通信速度は速い
- Wi-Fiテザリング中は、スマホのWi-Fi接続は無効化される
- スマホのバッテリー消耗が激しい
- 1台のAndroidスマホに複数台のデバイスをテザリング可能
Windows 10とAndroidスマホをWi-Fiテザリングで接続する手順は、次のとおりです。
Androidスマホ側の設定
まず、USBテザリングと同じように、Androidスマホで「設定」から「ネットワークとインターネット」>「アクセスポイントとテザリング」を順に開き「Wi-Fiアクセスポイントをセットアップ」タップします。
「Wi-Fiアクセスポイントをセットアップ」画面が表示されるので、デフォルト設定のままで良ければ、ネットワーク名とパスワードを確認して「キャンセル」をタップします。(パスワードは「パスワードを表示する」にチェックを入れれば表示されます。)
なお、ネットワーク名やパスワードは、自分で設定することもできます。
ネットワーク名とパスワードは、後ほどWindows 10側での設定作業で必要になります。
アクセスポイントの設定が完了したら「アクセスポイントとテザリング」画面で「Wi-Fiアクセスポイント」をタップして有効化します。
以上で、Androidスマホ側の設定は完了です。
Windows 10側の設定
次に、Windows 10パソコンをAndroidスマホで有効化したアクセスポイントに接続します。
まず、タスクバー右端にある「アクションセンター」アイコンをクリックして、クイックアクションの一覧から「ネットワーク」をクリックします。
接続可能なアクセスポイントが表示されるので、先ほどAndroidスマホで確認したアクセスポイント「AndroidAP」をクリックします。
アクセスポイント「AndroidAP」の接続ボタンが表示されるのでクリックします。
ネットワークセキュリティキーの入力ボックスが表示されるので、先ほどAndroidスマホで確認したアクセスポイントのパスワードを入力して「次へ」をクリックします。
アクセスポイントの表示が「接続済み、セキュリティ保護あり」を表示されていれば、接続完了です。
タスクトレイのインターネット接続アイコンは以下の画像のように表示され、インターネット通信ができるようになっているはずです。
Wi-Fiテザリングを終了するときは、Androidスマホの「アクセスポイントとテザリング」画面で「Wi-Fiアクセスポイント」をオフにすればOKです。
Bluetoothテザリング
通信速度:× バッテリー消費:〇 複数台:〇
「Bluetoothテザリング」は、インターネット接続したいWindows 10とAndroidスマホをBluetoothで無線接続する方法で、次のような特徴があります。
- 通信速度が遅い(数Mbpsほど)
- スマホのWi-Fi接続と併用できる
- Wi-Fiテザリングよりバッテリー消耗が少ない
- スマホ1台に複数台のデバイスをテザリング可能
Windows 10とAndroidスマホをBluetoothテザリングで接続する手順は、次のとおりです。
Bluetoothペア設定
Bluetoothテザリングの手順としては、Windows 10とAndroidスマホをBluetoothで接続(ペア設定)し、つぎにテザリングを有効にします。
まず、Windows 10パソコンで「設定」から「デバイス」>「Bluetoothとその他のデバイス」画面を開き、Bluetoothをオンに設定します。
次に、Androidスマホの「設定」から「接続済みの端末」をタップします。
「Bluetooth」をタップし、次画面でBluetoothをオンにして「新しいデバイスとペア設定する」をタップします。


「使用可能なデバイス」からWindows 10パソコン(コンピューター名が表示されます)をタップします。
すると、Windows 10に通知が表示されるので、通知をタップして「デバイスのペアリング」画面で、Androidスマホに表示されているコードと一致していることを確認してから「はい」をクリックします。
Androidスマホ側でも、コードを確認してから「ペア設定する」をタップします。
正常にペア設定が完了すると、Androidスマホ側の「ペア設定したデバイス」欄にWindows 10パソコンが表示されます。
以上で、Bluetoothのペアリング設定は完了です。
Bluetoothテザリングの有効化
Bluetoothのペア設定が完了したら、次にBluetoothテザリング機能を有効化します。
USBテザリングと同じように、Androidスマホで「設定」から「ネットワークとインターネット」>「アクセスポイントとテザリング」を順に開き「Buetoothテザリング」のスライダーをタップしてオンに設定します。
次に、Windows 10で、タスクトレイに表示されているBluetoothアイコンを右クリックし、メニューから「パーソナルエリアネットワークへ参加」をクリックします。
「デバイスとプリンター」画面が開くので、スマホのアイコンを右クリックして、メニューから「接続方法」>「アクセスポイント」を順にクリックします。
「接続に成功しました。」と表示されればOKです。
Bluetoothテザリングで正常にインターネット接続できていれば、タスクトレイのインターネット接続アイコンが、有線インターネット接続時と同じアイコンになっているはずです。
Bluetoothテザリングを終了するときは、Windows 10で、タスクトレイに表示されているBluetoothアイコンを右クリックし、メニューから「パーソナルエリアネットワークへ参加」をクリックします。
「デバイスとプリンター」画面が開くので、スマホのアイコンを右クリックして、メニューから「デバイスネットワークからの切断」をクリックします。
以上で、Bluetoothテザリングを終了できます。
あとがき
それぞれのテザリング方法には一長一短あるので、自分が重視したいポイントに合わせてテザリング方法を選択するとよいでしょう。