Windows10のHyper-Vで、パフォーマンスを重視した仮想マシンを作成する場合、仮想ハードディスクを「容量固定」で作成するのが王道ですが、クイック作成や仮想マシンの作成ウィザードから仮想マシンを作成すると、仮想ハードディスクが自動的に「容量可変」で作成されてしまいます。
そこで、ここではHyper-VマネージャーやPowerShellを利用して、容量固定の仮想ハードディスクを作成する方法や、仮想マシンを新規作成するときに、あらかじめ作成しておいた容量固定の仮想ハードディスクを接続する方法、既存の仮想マシンに新たに作成した容量固定の仮想ハードディスクを接続する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows10 Pro 64bit | 1909 |
容量固定の仮想ハードディスクを作成する
Hyper-Vマネージャーで作成する
容量固定の仮想ハードディスクを、Hyper-Vマネージャーから作成する手順は、次のとおりです。
まず、Hyper-Vマネージャーの操作メニューから「新規」>「仮想ハードディスク」をクリックします。
仮想ハードディスクの新規作成ウィザード画面が起動するので「次へ」をクリックします。
次の画面では、特別な理由がない限りは「VHDX」を選択して「次へ」をクリックします。
次の画面では「容量固定」を選択して「次へ」をクリックします。
次の画面では仮想ハードディスクの名前を指定して「次へ」をクリックします。
分かりやすいように接続予定の仮想マシンの名前などにしておくのがおススメです。
次の画面では、仮想ハードディスクのサイズを指定します。
最後に設定内容を確認して「完了」をクリックすると、仮想ハードディスクの作成が開始されるので、完了するまで待ちます。
容量固定の仮想ハードディスクの作成は、サイズに比例して時間が掛かり、40GBだとおよそ10分かかります。

作成中の画面
作成した容量固定の仮想ハードディスクは、仮想マシン作成ウィザードの途中で指定したり、仮想マシン作成後であれば、仮想マシンの設定画面から指定することができます。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」画面

仮想マシンの設定画面
PowerShellで作成する
容量固定の仮想ハードディスクを、PowerShellで作成する手順は、次のとおりです。
容量固定の仮想ハードディスクを作成するときは、管理者権限でPowerShellを起動して「New-VHD」コマンドレットを利用して作成します。
仮想ハードディスクの作成場所はフルパスで指定しないと、カレントディレクトリに作成されてしまうので注意しましょう。
PS C:> New-VHD -Path "F:Hyper-VVirtual Hard DisksWin10VM3.vhdx" -Fixed -SizeBytes 40GB
作成した容量固定の仮想ハードディスクを、仮想マシンを作成するコマンドレット「New-VM」で指定する場合は「-VHDPath」オプションで指定します。
PS C:> New-VM -Name "Win10VM3" -MemoryStartupBytes 4GB -VHDPath Win10VM3.vhdx -Generation 2 -Switch "Default Switch"
既存の仮想マシンに、作成した容量固定の仮想ハードディスクを接続するときは「Set-VMHardDiskDrive」コマンドレットを利用して接続します。
下のコマンドは、既存の仮想マシンにSCSIコントローラーとハードドライブがそれぞれ一つだけ作成されていることを前提としています。
PS C:> Set-VMHardDiskDrive -VMName Win10VM3 -ControllerType SCSI -Path "F:Hyper-VVirtual Hard DisksWin10VM3.vhdx"
なお、仮想マシンに複数のSCSIコントローラーやハードドライブが搭載されている場合は、「Set-VMHardDiskDrive」コマンドレットを実行するときに、容量固定の仮想ハードディスクをどのハードドライブに接続するかを「-ControllerNumber」や「-ControllerLocation」オプションで指定する必要があります。
仮想マシンに搭載されているSCSIコントローラーの「ControllerNumber」や「ControllerLocation」、接続されている仮想ハードディスクファイルを確認するには、「Get-VMHardDiskDrive」コマンドレットを実行します。

参考
あとがき
容量可変の仮想ハードディスクと容量固定の仮想ハードディスクは、パフォーマンス的に体感できるほど違いがあります。
仮想ハードディスクファイルの保存先に余裕があり、仮想マシンのパフォーマンスを上げたいなら、容量固定の仮想ハードディスクを作成することをおススメします。