Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

Windowsマシンにリモート接続する方法としては、リモートデスクトップが一般的ですが、機能を有効化したのになぜか接続できない場合があります。

そこでここでは、Windows 10マシンにリモートデスクトップ接続できないときに、Windows 10側でチェックすべき項目について解説します。

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit1909

リモートデスクトップが有効になっているか

基本的なことですが、Windows 10のデフォルト設定では、リモートデスクトップは無効化されています。

リモートデスクトップを有効化するには、Windowsの「設定」から「システム」をクリックします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

左メニューから「リモートデスクトップ」を選択し「リモートデスクトップを有効にする」のスライダーをオンに設定します。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

確認画面が表示されるので「確認」をクリックします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

以上で、リモートデスクトップが有効になります。

なお、既定では管理者ユーザーのみがリモートデスクトップ接続でき、標準ユーザーでリモートデスクトップ接続したい場合は、設定画面の「ユーザーアカウント」にある「このPCにリモートでアクセスできるユーザーの選択」をクリックして、接続に利用するユーザーを追加する必要があります。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

ここでは、GUI操作でリモートデスクトップを有効化する方法を紹介していますが、コマンドで有効化したい場合は以下の記事をご覧ください。

Windows 10のリモートデスクトップをPowerShellで有効化する方法
ここでは、Windows 10のリモートデスクトップをPowerShellコマンドレットを使ったレジストリ設定で有効化する方法を紹介します。

セキュリティ設定が合っているか

Windows以外のマシンからWindows 10にリモートデスクトップ接続する場合にありがちなこととして、リモートデスクトップのセキュリティ設定が、接続する側とされる側で合っていないために接続できなパターンです。

そのようなときは、以下に挙げる設定を調整することで解決することが多いです。

ネットワークレベル認証

Windows 10でリモートデスクトップを有効化すると、デフォルトで「ネットワークレベル認証」が有効化されています。

WindowsマシンからWindows 10にリモートデスクトップ接続するなら、ネットワークレベル認証が有効化されたままで問題ありませんが、Windows以外のマシンからリモートデスクトップ接続する場合、利用するツールによってはネットワークレベル認証に対応していない場合があります。

そのような場合は、以下の手順でネットワークレベル認証を無効化します。

さきほどの、リモートデスクトップの設定画面で「詳細設定」をクリックします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

詳細設定画面が表示されるので「ネットワークレベル認証の構成」にある「コンピューターの接続にネットワークレベル認証の使用を求める(推奨)」のチェックをオフにします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

チェックをオフにすると、以下のような確認画面が表示されるので「このまま続行」をクリックします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

以上で、ネットワークレベル認証を無効化できます。

セキュリティレイヤー

ネットワークレベル認証と同じように、Windows以外のマシンからWindows 10にリモートデスクトップ接続する場合、利用するツールによってはデフォルトの暗号化方式(SSL)に対応していない場合があります。

その場合は、暗号化方式を変更する必要があります。

暗号化方式の変更方法は、次のとおりです。

タスクバーにある検索ボックスなどに「gpedit.msc」と入力して「ローカルグループポリシーエディター」を起動します。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

ローカルグループポリシーエディターを起動したら、左ペインで「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「Windowsコンポーネント」>「リモートデスクトップ サービス」>「リモートデスクトップ セッションホスト」>「セキュリティ」を順に選択します。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

右ペインに設定項目の一覧が表示されるので「リモート(RDP)接続に特定のセキュリティレイヤーの使用を必要とする」をダブルクリックします。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

設定画面が表示されるので「有効」を選択し「セキュリティレイヤー」から「ネゴシエート」を選択し「OK」をクリックします。

セキュリティレイヤーを「ネゴシエート」に設定しても接続できない場合は「RDP」を選択してみましょう。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

グルプポリシーの設定を適用するには、マシンを再起動するか、コマンドプロンプトで「gpupdate /force」コマンドを実行します。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

ファイアウォールで許可されているか

Windows 10に標準搭載されている「Microsoft Defender ファイアウォール」を利用している場合、GUI操作でリモートデスクトップ接続を有効化すると、ファイアウォールの設定も自動的に変更され、リモートデスクトップ接続が許可されます。

Windows 10にリモートデスクトップ接続できないときにチェックすること

ですが、レジストリ設定などでリモートデスクトップ接続を有効化した場合は、ファイアウォールの設定は変更されないため、リモートデスクトップ接続を許可する設定を、手動で有効化する必要があります。

また、サードパーティーのセキュリティ対策ソフトを利用している場合は、セキュリティ対策ソフト上でリモートデスクトップ接続を許可する必要があります。

なお、リモートデスクトップ接続できない原因が、セキュリティ対策ソフトかを判別したいときは、一時的にセキュリティ対策ソフトの機能を停止してみれば切り分けができるでしょう。

また、インターネット経由でリモートデスクトップ接続するような場合は、マシンの設定だけでなく、ネットワーク経路上の機器(ファイアウォールなど)の設定もチェックする必要があるでしょう。

あとがき

正しく設定したはずなのにリモートデスクトップ接続できないといったときに、ここで紹介した項目をチェックしてみてください。