複数台のWindowsマシンに「Adobe Acrobat Reader DC」をインストールする場合、一台ずつ手作業でインストールするのは効率的とは言えません。
「Adobe Acrobat Reader DC」では、このような状況に対応できるよう、サイレント(無人)インストールが可能なコマンドラインオプションを搭載しています。
サイレントインストールを利用すれば、インストールウィザードを手作業で進める煩わしさもなく、複数台のマシンへのインストール作業を自動化したり効率化できるでしょう。
ここでは、Windows 10マシンに「Adobe Acrobat Reader DC」をサイレント(無人)インストールする方法を紹介します。
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Adobe Acrobat Reader DC(Continuousトラック) | 19.012.20036 |
目次
サイレント(無人)インストール方法
まず、オフラインでも利用できるインストーラーやアップデーターを、以下の記事を参考にダウンロードしておきます。
新規インストールする場合
ダウンロードしたインストーラーにコマンドラインオプションを指定して実行することで、サイレントインストールできます。
たとえば、管理者権限で起動したコマンドプロンプトやバッチファイルで、以下のコマンドを実行すると、インストール中の画面を一切表示せずにインストールすることができます。
> AcroRdrDC1901220036_ja_JP.exe /sAll /rs /rps /l
利用可能なオプションは、インストーラーファイルに「/?」を付けて実行することで確認できます。
おもなオプションは、次のとおりです。
- /sAll - インストール中の画面を表示せずにインストールを実行する。
- /sPB - インストールの進行状況のみを表示する。
- /rs - 再起動が必要な場合でも再起動しない。
- /rps - 再起動のダイアログを表示しない。
- /l - エラーが発生した場合に%TEMP%にログを出力する。
- /msi - Windows Installer用のオプションを指定する。
なお、バージョンによっては新規インストール用のインストーラー(拡張子がexe)が用意されていない場合があります。
その際は、古いバージョンを新規インストールした後に、最新バージョンのアップデーターをインストールすることで更新することができます。
アップデートする場合
すでに「Adobe Acrobat Reader DC」がインストール済みの環境では、ダウンロードしたアップデーターにコマンドラインオプションを指定して実行することで、サイレントアップデートできます。
たとえば、管理者権限で起動したコマンドプロンプトやバッチファイルで、以下のコマンドを実行すると、インストール中の画面を一切表示せずにアップデートできます。
> msiexec /update "AcroRdrDCUpd1801120038.msp" /quiet /norestart
あとがき
サイレントインストールは、複数台のマシンへ効率よくインストールしたいとき、インストールを自動化したいとき、利用者に余計な画面を表示させることなくインストールしたいときなどに有効な手段です。
注意点としては、サイレントインストールでは、画面上から進捗や結果を確認できなくなるため、プロセスの状態やログファイルで進捗や結果を確認するなどの工夫が必要になるでしょう。