AlmaLinux9を最小構成(Minimal)でインストールすると、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)環境はインストールされないため、普段WindowsなどのGUI環境に慣れていると、不便さを感じることがあります。
そこでここでは、AlmaLinux9を例に、最小構成でインストールした後にGUI(デスクトップ)環境を手動でインストールする手順を紹介します。
なお、RockyLinux、CentOS Stream、MiracleLinuxなどの、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)のダウンストリーム(アップストリーム)でも、ここで紹介している手順でGUI環境をインストールできるでしょう。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境での動作結果を基にしています。他のディストリビューションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ディストリビューション | バージョン |
---|---|
AlmaLinux | 9.0 |
GUI環境をインストールする
最小構成でインストールしたAlmaLinux9に、後からGUI環境をインストールする手順は、次のとおりです。
まず、システムを最新の状態に更新します。
# dnf update -y
更新を完了したら、GUI環境を利用するためのパッケージをインストールしますが、GUI環境を利用するためには、通常複数のパッケージをインストールする必要があり、手順が面倒です。
そこで、groupinstall機能を使って、GUI環境に必要なパッケージを一括インストールします。
まずは、グループパッケージの一覧を取得して、一覧に「サーバー (GUI 使用)」があることを確認してからインストールを実行します。
# yum group list
# yum groupinstall "サーバー (GUI 使用)"
なお、「サーバー (GUI 使用)」では、800個以上のパッケージがインストールされるので、インストールには15分ほどかかります。
パッケージのインストールが完了したら、AlmaLinux9が既定でGUI起動するように設定します。
# systemctl set-default graphical
以上で、次回起動からAlmaLinux9はGUI環境で起動します。
参考までに、AlmaLinux9をGUI起動したときのログイン画面やデスクトップ画面を掲載しておきます。
あとがき
普段WindowsなどのGUI環境を操作することが多いと、CUIベースのLinux環境を扱いにくいと感じることもあるでしょう。そのような時は、GUI環境を用意しておけば安心です。
なお、GUI環境はCUI環境に比べて多くのメモリを必要になり、GNOMEデスクトップをインストールした環境では、メモリは最低でも4GB以上はないと快適な操作は期待できないでしょう。