
Windowsでは、フォルダーやファイルを右クリックするとメニュー(コンテキストメニュー)が表示され、フォルダーやファイルに合わせて「送る」「開く」「削除」「印刷」など、さまざまなメニューが表示され、上手に使いこなせばWindows上での操作を効率よく行うことができます。
この右クリックメニューに表示される項目は、自分がよく利用する機能やアプリを追加したり、逆に不要な項目を削除するといったカスタマイズが可能です。また、右クリックメニューのデザインを以前のWindows 10風に戻すといったこともできます。
そこでここではWindows 11で、右クリックメニューのデザインをWindows 10風に戻したり、右クリックメニューに項目を追加したり削除する方法を解説します。
目次
右クリックメニューの表示をWindows 10風に戻す
Windows 11の右クリックメニューは、よく利用する項目のみが表示されるようになり、それ以外は「その他のオプションを表示」というボタンをクリックして表示させる必要があり、面倒に感じるときがあります。
そのようなときは、ターミナルを起動して以下のコマンドを実行することで、Windows 10の時のように一括表示するようにできます。
PS C:\> reg add "HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\CLASSES\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /ve /fコマンドを実行後「この操作を正しく終了しました。」と表示されていることを確認したら、Windowsを再起動します。

以上で、右クリックメニューがWindows 10のときと同じように表示されるようになります。

Windows 11のデフォルト表示に戻すときは、以下のコマンドを実行して、Windowsを再起動します。
PS C:\> reg delete "HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\CLASSES\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /f送るメニューのカスタマイズ
送るメニューは、ファイルやフォルダーを右クリックしたときに表示されるメニュー項目の一つで、選択しているフォルダーやファイルを指定した場所やアプリに渡すことができる機能です。
送るメニューに表示されている項目の実体は、ユーザーフォルダー内にある「SendTo」というフォルダーに登録されているショートカットなので、このフォルダーに送り先のフォルダーやアプリのショートカットを追加したり削除することで、簡単に項目の追加・削除ができます。
SendToフォルダーは、エクスプローラーでアドレスバーにパスを入力するかshellコマンドを入力することで開けます。
- %AppData%\Microsoft\Windows\SendTo
- shell:sendto

たとえば、SendToフォルダーにフォルダーのショートカットを配置すれば、任意のファイルを右クリックして送るメニューから選択することで、ファイルをそのフォルダーに簡単に保存できるようになります。


また、SendToフォルダーにアプリのショートカットを配置すれば、ファイルを右クリックして送るメニューから選択することで、ファイルを自分がいつも使うアプリで簡単に開けるようにできます。
ファイルやフォルダーを別の場所にコピー/移動したい、ファイルを指定したアプリで開きたいといったときは、フォルダーやアプリのショートカットにファイルをドラッグ&ドロップするという方法が一般的ですが、同じような操作をよく行う場合やキー操作で対応したい場合は、送るメニューが便利です。
右クリックメニューのカスタマイズ
レジストリ設定や専用ツールを使えば、フォルダーやファイルを右クリックしたときに表示されるメニュー(コンテキストメニュー)そのものに、自分がよく利用する機能やアプリを登録することもできます。
レジストリ設定で行う場合
右クリックメニューに項目を追加
たとえば、レジストリ設定でテキストエディターアプリ「Mery」を右クリックメニューに追加する手順は次のとおりです。
まず、レジストリエディターを起動して「HKEY_CLASSES_ROOT\*\shell」を右クリックして、メニューから「新規」>「キー」を選択します。

キーが追加されるので、任意の名前を設定します。なお、ここでは例として「Mery」という名前を設定しています。

名前を設定したキーを選択して、画面右側の「(既定)」という項目をダブルクリックすると「文字列の編集」画面が表示されるので「値のデータ」欄に「Meryで開く(&F)」と入力して「OK」をクリックします。
末尾に入力している「(&F)」は、コンテキストメニュー上で使用できるショートカットキーを設定しており、Fキーを押すことでこの項目が選択できることを表しています。

つぎに、名前を設定したキーを右クリックして、メニューから「新規」>「キー」を選択します。

キーが追加されるので、キーの名前を「command」に設定します。

「command」キーを選択して、画面右側の「(既定)」という項目をダブルクリックすると「文字列の編集」画面が表示されるので「値のデータ」欄に、アプリの実行ファイルをフルパスで入力し、半角スペースに続けて「"%1"」と入力して「OK」をクリックします。

以上で追加完了で、任意のファイルを右クリックすれば、右クリックメニューに「Meryで開く」が追加されていることを確認できます。

右クリックメニューから項目を削除
右クリックメニューに不要な項目がある場合、該当の項目がインストールしているアプリによるものなら、該当のアプリをアンインストールすればメニュー項目も削除されるでしょう。
ですが、アプリをアンインストールすることなく、右クリックメニューの項特定の項目だけを削除したい場合や、アプリのアンインストールで削除されず残存してしまった右クリックメニューの項目を手動で削除したいときがあります。
そのようなときは、レジストリエディターを起動して、以下の該当するキーの場所を開きます。
- ファイルの右クリックメニュー項目が登録されている代表的なキー:
- HKEY_CLASSES_ROOT\*\shellex\ContextMenuHandlers
- HKEY_CLASSES_ROOT\*\shell
- HKEY_CLASSES_ROOT\AllFileSystemObjects\ShellEx\ContextMenuHandlers
- フォルダーの右クリックメニュー項目が登録されている代表的なキー:
- HKEY_CLASSES_ROOT\Folder\shellex\ContextMenuHandlers
- HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shell
- デスクトップの右クリックメニュー項目が登録されている代表的なキー:
- HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers
- HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shell
該当のキーには、右クリックメニューに表示されている項目がサブキーとして登録されているので、不要な項目(サブキー)を削除すれば、該当する項目が右クリックメニューに表示されなくなります。
たとえば、ファイルを右クリックしたときに表示されている「Meryで開く」という項目が「HKEY_CLASSES_ROOT\*\shell」にサブキー「Mery」として登録されている場合は、サブキー「Mery」を削除します。


設定は即時で反映され、ファイルを右クリックしても「Meryで開く」という項目が表示されなくなっています。

なお、キーを削除すると元の状態に戻すのが困難な場合もあるので、該当のキーを削除する前に右クリックして、ファイルにエクスポートしておけばいつでも元に戻せます。

専用ツール Custom Context Menu で行う場合
レジストリ設定で右クリックメニューをカスタマイズする方法は、設定方法の難しさなどがありハードルが高いと感じる方も多いと思います。そのようなときは、右クリックメニューにアプリやコマンドといった項目を追加登録できる専用ツール「Custom Context Menu」がおすすめです。Custom Context Menuは、Microsoft Storeからインストールでき無期限で無料試用できます。日本語化にも対応しています。
右クリックメニューに項目を追加
Custom Context Menuで右クリックメニューに項目を追加する手順は、次のとおりです。
まず、スタートメニューからCustom Context Menuを起動し、画面左上にある「+」ボタンをクリックします。

すると、左メニュー内に新しいアイテムが追加され、追加したアイテムの内容は画面右側で設定し、基本の設定項目は次のとおりです。
- タイトル - 右クリックメニューに表示される項目名を入力します。
- 順序 - 複数項目を登録した際の順序を番号で指定します。
- 実行ファイル - アプリの実行ファイルなどを指定します。
- 引数 - ファイルを実行するときに引数を指定したいときに指定します。
- アイコン - 右クリックメニューに表示するアイコンを指定できます。

ちなみに、上記の項目以外にも、登録するアイテムを指定した拡張子のファイルを右クリックした時だけ表示させるといったこともできます。
設定を完了したら画面右上にある「保存」ボタンをクリックすることで登録完了です。

以上で、ファイルを右クリックしたときに登録したメニューが表示されます。

メニュー項目を一括追加したいときは
Custom Context Menuでは、基本的にはメニュー項目を自分で作成していく必要がありますが、自分でメニュー項目を追加するのに慣れていなかったり、面倒に感じる方には、Custom Context Menuに有用なメニュー項目を一括で追加してくれる「RightClickTools」がおすすめです。
RightClickToolsをインストールすると、以下のようにCustom Context Menuに「コマンドプロンプト」や「PowerShell」「レジストリ エディター」「エクスプローラー」をはじめとするさまざまな項目が一括追加できます。

あとがき
普段から右クリックメニューをよく利用しているなら、ここで紹介した方法で自分の使いやすいようにカスタマイズすれば、これまでより効率的に操作できるようになりますよ。お試しあれ。