ビジネス文書の定番電子ファイル形式であるPDFファイルに電子印鑑を押印したい場合、PDFビューアー「Adobe Acrobat Reader DC」のスタンプツールで押印する方法がありますが、スタンプツールで押印された電子印鑑は、他の人がファイルを開いて簡単に移動したり、削除したりできてしまいます。
編集できる状態で電子印鑑を挿入したい場合は、スタンプツールが便利ですが、紙に押印するときと同じように、押印した電子印鑑をカンタンに編集できないようにしたいときもあるでしょう。
そのようなときは、同ビューアーの「入力と署名」ツールを使って電子印鑑を押印することで、押印した電子印鑑を編集しづらくできます。
そこでここでは、Windows版「Adobe Acrobat Reader DC」の「入力と署名」ツールを使って、PDFファイルに電子印鑑を押印する方法を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 20H2 |
Adobe Acrobat Reader DC | 2021.001.20145 |
電子印鑑を署名として登録する
「Adobe Acrobat Reader DC」には、PDF文書内に署名を挿入する「入力と署名」ツールが搭載されており、署名として画像ファイル(電子印鑑)を設定することができます。
手順は、次のとおりです。
まず、電子印鑑を押印したいPDFファイル開いて、上部メニューの「ツール」から「入力と署名」を選択します。
すると「次の操作を指定してください」画面が表示されるので「入力と署名」をクリックします。
「入力と署名」ツールが表示されるので、メニューから「署名」をクリックし「署名を追加」を選択します。
署名の追加画面が表示されるので、上部のメニューから「画像」をクリックし、登録したい電子印鑑の画像ファイルを指定します。
電子印鑑の画像ファイルを指定すると、署名欄に指定した電子印鑑の画像が表示されるので、問題なければ「適用」をクリックします。
ちなみに、左下の「署名を保存」にチェックを入れておくと、署名が保存されて次回から開いているPDFに簡単に署名(電子印鑑)を挿入できるようになります。
なお、登録できる署名は一つだけです。
電子印鑑を押印する
文書画面に戻ると、マウスポインターが登録した電子印鑑の画像になっているので、押印したい場所をクリックして電子印鑑を押印します。
押印した電子印鑑は、ドラッグすることで位置を調整したり、右下の丸印をドラッグするか「A」をクリックして、大きさを調整することができます。
調整が済んだら、PDFファイルを保存して作業完了です。
あとがき
署名としての挿入した電子印鑑は「Adobe Acrobat Reader DC」といったPDFビューアーでは編集できなくなりますが、「Adobe Acrobat Pro DC」といったPDFファイルの編集ツールを使えば編集できてしまうのでご注意ください。