Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

Windows 10や11のパソコンを自宅や会社でネットワークに接続する場合、多くの環境ではルーターなどのDHCPサーバー機能でIPアドレスなどが自動で割り当てられるため、手動で設定する必要はありませんが、サーバー用途などでパソコンを使うときなどは手動でIPアドレスを設定したいケースがあります。

そこでここでは、Windows 10や11でIPアドレスを手動で設定する(固定で割り当てる)方法として、Windowsの設定画面から設定する方法、ネットワークアダプターのプロパティ画面から設定する方法、コマンドで設定する方法の3つを紹介します。

この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。

ソフトウェアバージョン
Windows 10 Pro 64bit22H2

Windowsの設定画面で設定する

もっとも一般的な設定方法は、Windowsの設定画面からIPアドレスを手動で設定する方法で、手順は次のとおりです。

まず、Windowsの「設定」から「ネットワークとインターネット」を選択します。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

ネットワークとインターネットの設定画面が表示されるので、ネットワークの状態欄で接続しているネットワークアダプターの「プロパティ」ボタンをクリックします。

Wi-Fi接続の場合は、ネットワークとインターネットの設定画面で、画面左側から「Wi-Fi」を選択し「既知のネットワークを管理」から現在接続しているネットワーク名(SSID)を選択します。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

ネットワーク設定の画面が表示されるので、画面を下にスクロールして「IP設定」欄にある「編集」ボタンをクリックします。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

IP設定の編集画面が表示されるので「手動」を選択してからIPv4をクリックしてON(オン)にすると、アドレスの入力欄が表示されるのでIPアドレスなどの情報を入力します。

Memo

IPv6をクリックしてON(オン)にすれば、IPv6アドレスを設定することもできます。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

入力が完了したら「保存」ボタンをクリックして画面を閉じます。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

以上で、設定完了です。

ネットワークアダプターのプロパティ画面で設定する

以前のWindowsと同じように、ネットワークアダプターのプロパティ画面でIPアドレスを手動で設定することもできます。

まず、Windowsの「設定」から「ネットワークとインターネット」を選択します。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

ネットワークとインターネットの設定画面が表示されるので「ネットワークの詳細設定」欄から「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

「ネットワーク接続」画面が表示されるので、IPアドレスを設定したいネットワークアダプターを右クリックし、表示されたメニューから「プロパティ」を選択します。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

ネットアークアダプターのプロパティ画面が表示されるので「この接続は次の項目を使用します」欄から「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択してから「プロパティ」ボタンをクリックします。

IPv6アドレスを設定するときは「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」を選択してから「プロパティ」ボタンをクリックします。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」のプロパティ画面が表示されるので「次のIPアドレスを使う」を選択しから、IPアドレスなどの情報を入力します。

ちなみに「次のDNSサーバーのアドレスを使う」だけを選択すれば、IPアドレスは自動取得のままでDNSサーバーだけを手動設定することもできます。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

設定が済んだら「OK」をクリックして画面を閉じます。

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

以上で、設定完了です。

コマンドで設定する

Windowsコマンドで設定する

WindowsコマンドでIPアドレスを手動設定するときは、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、netshコマンドを利用します。

IPアドレスを設定するときは、以下のコマンドを実行します。

> netsh interface ip set address "イーサネット" static 172.19.69.186 255.255.240.0 172.19.64.1

優先DNSサーバーを設定するときは、以下のコマンドを実行します。

> netsh interface ip set dns "イーサネット" static 172.19.64.1 primary

代替DNSサーバーを設定するときは、以下のコマンドを実行します。

> netsh interface ip add dns "イーサネット"172.1972.19.64.2

以上で、ネットワーク設定は完了です。

設定は即時で反映されますが、うまく反映されない場合は、以下のコマンドを順に実行してインターフェースを再起動します。

> netsh interface set interface "イーサネット" disable
> netsh interface set interface "イーサネット" enable

インターフェースの設定内容を確認したいときは、以下のコマンドを実行します。

> netsh interface ip show config "イーサネット"

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

なお、IPアドレスやDNSサーバーを、デフォルトのDHCPによる割り当てに設定する場合は、以下のコマンドを順に実行します。

> netsh interface ip set address "イーサネット" dhcp
> netsh interface ip set dns "イーサネット" dhcp

PowerShellで設定する

PowerShellでIPアドレスを手動設定するときは、管理者権限でPowerShellを起動して、コマンドレットを組み合わせて実行します。

IPアドレスを設定するときは、以下のコマンドを実行します。

PS> Get-NetAdapter -Name "イーサネット" | New-NetIPAddress -AddressFamily IPv4 -IPAddress 172.19.69.186 -PrefixLength 20 -DefaultGateway 172.19.64.1

DNSサーバーを設定するときは、以下のコマンドを実行します。

PS> Get-NetAdapter -Name "イーサネット" | Set-DnsClientServerAddress -ServerAddresses 172.19.64.1,172.19.64.2

以上で、ネットワーク設定は完了です。

設定は即時で反映されますが、うまく反映されない場合は、以下のコマンドを実行してインターフェースを再起動します。

PS> Restart-NetAdapter -Name "イーサネット"

インターフェースの設定内容を確認したいときは、以下のコマンドを実行します。

PS> ipconfig /all

Windows 10や11でIPアドレスを手動設定する方法

なお、IPアドレスやDNSサーバーを、デフォルトのDHCPによる割り当てに設定する場合は、以下のコマンドを順に実行します。

PS> Get-NetAdapter -Name "イーサネット" | Set-NetIPInterface -AddressFamily IPv4 -Dhcp Enabled
PS> Get-NetAdapter -Name "イーサネット" | Remove-NetRoute -DestinationPrefix 0.0.0.0/0 -confirm:$false
PS> Get-NetAdapter -Name "イーサネット" | Set-DnsClientServerAddress -ResetServerAddresses -confirm:$false

あとがき

たまに設定することがあるぐらいなら、Windowsの設定画面や、ネットワークアダプターのプロパティ画面から設定する方法で十分でしょう。

頻繁にIPアドレスなどのネットワーク設定を変更する場合は、コマンドによるIPアドレス設定をバッチファイル化するとよいでしょう。