WindowsマシンのCPU/メモリ/ディスク/ネットワークといったリソースを標準搭載の「パフォーマンスモニター」で監視(チェック)する場合、どの項目(どのパフォーマンスカウンター)をチェックするべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでここではWindows 10を例に、リソース監視する際に最低限チェックすべきパフォーマンスカウンターを紹介します。
目次
CPU
%Processor Utility
Processor Informationオブジェクトの「%Processor Utility」カウンターは、システム全体でのCPUの使用率を表しており、値が恒常的に85%を超える場合、CPUリソースが不足していることを示しています。
Process Queue Length
Systemオブジェクトの「Process Queue Length」カウンターは、CPUの待ち行列を表しており、物理CPUが1つだけ搭載されている一般的なマシンでは、値が恒常的に2を超える場合、CPUで処理待ちが発生していることを示しています。
メモリ
%Committed Bytes In Use
Memoryオブジェクトの「%Committed Bytes In Use」カウンターは、メモリの使用率を表しており、値が80%を超えている場合、搭載メモリが不足していることを示しています。
Available Mbytes
Memoryオブジェクトの「Available Mbytes」カウンターは、利用可能なメモリサイズを表しており、値が搭載メモリサイズの5%を下回っている場合、搭載メモリが不足していることを示しています。
また、値が徐々に減少している場合は、メモリリークの可能性があります。
ディスク
%Free Space
LogicalDiskオブジェクトの「%Free Space」カウンターは、ドライブの空き容量を表しており、値が15%を下回る場合、ドライブの空き容量が不足していることを示しています。
Avg. Disk Queue Length
PhysicalDiskオブジェクトの「Avg. Disk Queue Length」カウンターは、物理ディスクの待ち行列を表しており、物理ディスクを1本搭載しているマシンでは、値が恒常的に3(スピンドル+2)より大きい場合、ディスクで処理待ちが発生していることを示しています。
%Idle Time
PhysicalDiskオブジェクトの「%Idle Time」カウンターは、物理ディスクがアイドル状態の割合を表しており、値が恒常的に20%を下回る場合、ディスクの使用率が高いことを示しています。
ネットワーク
Bytes Total/Sec
Network Interfaceオブジェクトの「Bytes Total/Sec」カウンターは、ネットワークインターフェースの使用量を表しており、値が帯域の70%を超える場合、ネットワーク帯域が不足していることを示しています。
たとえば、1GbpsのNICを利用している場合、帯域の70%は、 87.5MB/sec(1,000Mbps x 70%)となります。
Output Queue Length
Network Interfaceオブジェクトの「Output Queue Length」カウンターは、ネットワークインターフェースの送信時の待ち行列を表しており、値が恒常的に2を超えている場合、ネットワークの使用率が高いことを示しています。
あとがき
ここで紹介したカウンターは、どのPCにおいてもチェックしておくべき基本的な項目となり、これらのパフォーマンスカウンターのログを日ごろから収集しておけば、トラブル発生時の原因調査や、トラブルの兆候をいち早く発見するのに役立つでしょう。
なお、本記事で紹介している各カウンターしきい値は、ごく一般的な値ですので、実際の環境でカウンターのしきい値を基に監視などを行う場合は、実環境に応じてしきい値は調整する必要があるでしょう。