Windows10やWindows10上で動作しているアプリは、ユーザーに最適な情報や機能を提供するために、ユーザーの情報にアクセスしたりユーザーの情報を収集していたりします。
これは、Windows10やアプリをより快適に便利に利用するために必要である反面、プライバシーに関わる情報も少なからずアクセス・収集されているということでもあります。
状況によっては、Windows10やアプリによるユーザー情報へのアクセスを制限したい場合もあるでしょう。
そこでここでは、Windows10やアプリによる、ユーザー情報へのアクセスや収集を最小限に抑える設定方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows10 Pro 64bit | 1903 |
プライバシー設定を変更する
プライバシーに関する設定は「設定」アプリの「プライバシー」メニューにあるので、ここで設定を調整します。
全般
「プライバシーオプションの変更」の各項目の内容は、次のとおりです。
- 「アプリのアクティビティに基づいて…」では、アプリが利用者に関連性の高い広告を表示するために、利用者の情報へのアクセスを許可するかを設定します。
- 「Webサイトが言語リストにアクセスできるように…」では、Webサイトがユーザーに対応した言語のコンテンツを表示するために、Windows10の言語リストにアクセスできるかを設定します。
- 「Windows追跡アプリの起動を許可して…」は、スタートメニューのパーソナル設定と検索結果の品質を向上させるため、Windows10にアプリの起動を監視することを許可するかを設定します。よく利用するアプリが優先的に表示されるときなどで利用されます。
- 「設定アプリでおすすめのコンテンツを表示する」では、「設定」アプリ画面に、広告、新機能、興味を持てる可能性のある新しいコンテンツやアプリを表示することを許可するかを設定します。
プライバシーを強化するならすべての設定を「オフ」にしておきます。
音声認識
「オンライン音声認識」の設定は、CortanaやMixed Realityポータル、ソフトウェアキーボードの音声入力など、Microsoftによるクラウドベースの音声認識サービスを利用する場合は「オン」にする必要がありますが、入力した音声データは、サービスの品質向上のためなどでMicrosoftに送信されることになります。
ここでは「オンライン音声認識」の設定を「オフ」にしておきます。
手書き入力と入力の個人用設定
「あなたに関する情報の収集」では、手描き入力やキー入力した語句などを、ローカルの個人用辞書ファイルに保存して、キー入力や手描き入力の精度を向上させるために利用するかを設定します。
手描き入力をよく利用するなら有効な設定ですが、通常のキー入力がメインの場合は、Microsoft IMEやその他のIMEにも学習機能があるので、この機能を有効にする必要性は低いでしょう。
ここでは「あなたに関する情報の収集」の設定を「オフ」にします。
診断&フィードバック
「診断&フィードバック」の各項目の内容は、次のとおりです。
- 「診断データ」では、Microsoftに送信される診断データの量を設定でき、デフォルトでは「完全」が選択されており、閲覧したWebサイトやアプリと機能の使用方法に関する情報などがMicrosoftに送信されます。
- 「手描き入力とタイプ入力を改善する」では、上の「診断データ」が「完全」の場合にのみ設定でき、手描き入力やタイプ入力のデータをMicrosoftに送信するかを設定します。
- 「エクスペリエンス調整」では、利用者のニーズに応じたMicrosoftの製品とサービスを強化するためのヒントや広告、推奨事項などを表示するかを設定します。
- 「診断データを表示する」では、診断データを「診断データビューアー」で表示できるようにするかを設定します。
ここでは「診断データ」を「基本」に設定し、それ以外はすべて「オフ」に設定します。
アクティビティの履歴
「アクティビティの履歴」では、ユーザーがどのようなアプリやサービスを使用したか、どのファイルを開いたか、どの Web サイトを閲覧したかなどの履歴を保存したり、Microsoftに送信するかを設定します。
- 「このデバイスでのアクティビティの履歴を保存する」では、どのようなアプリやサービスを使用したか、どのファイルを開いたか、どのWebサイトを閲覧したかなどの履歴を保存しておくかを設定します。
- 「アクティビティの履歴をMicrosoftに送信する」では、アクティビティの履歴をMicrosoftに送信するかを設定でき、「オン」に設定すると、Microsoftアカウントで同期している他のマシンとアクティビティの履歴(タイムライン)を共有できますが、送信された履歴は、Microsoft製品およびサービスの品質向上のためにも利用されます。
ここでは、すべての項目を「オフ」に設定します。
なお、Microsoftに送信されたアクティビティの履歴は、Microsoftアカウントの「プライバシー」ページで確認でき、個別に削除することができます。
アプリのアクセス許可
「アプリのアクセス許可」では、ストアアプリやデスクトップアプリが、デバイスや情報にアクセスすることを許可するかを設定します。
アクセス許可の設定は、デフォルトで「オン」になっていることが多いですが、アプリに不要なアクセスを許可しないよう、アプリごとに適切に設定しましょう。
たとえば「カメラ」の場合「このデバイスのカメラへのアクセスを許可する」の「変更」をクリックして「オフ」に設定すると、アプリだけでなくWindowsからもアクセスできなくなります。
アプリに対してのみアクセス許可を設定する場合は「カメラにアクセスできるMicrosoft Storeアプリを選ぶ」でアクセスを許可するアプリのみスライダーを「オン」に設定します。
あとがき
なお、ここで紹介したプライバシーを強化する設定を行うと、利便性が低下する場合があります。
また、一気に設定を変更すると、想定と異なる動作になる可能性があるため、設定変更は少しずつ反映させて、動作に問題がないか確認しながら行いましょう。