Windows10やWindows11で、コマンドプロンプトやPowerShell、WSL(Windows Subsystem for Linux)を利用する場合、それぞれに用意されているコンソールアプリを利用するのが一般的ですが、これらのコンソールアプリはいずれも機能的にはとてもシンプルで、決して使い勝手が良いとは言えませんでした。
ですが、2019年6月にMicrosoftから公開された新しいターミナルアプリ「Windows Terminal」では、WindowsコマンドやPowerShell、WSLといった複数のシェルをタブを切り替えて利用でき、とても便利になりました。
そこでここでは「Windows Terminal」の特徴や使用感を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows10 Pro 64bit | 21H2 |
Windows Terminal | 1.11.3471.0 |
「Windows Terminal」とは
Windows10やWindows11では、コマンドプロンプト・PowerShell・WSL(Windows Subsystem for Linux)などのそれぞれにコンソールアプリが用意されていますが、互換性を維持するため、これらのコンソールアプリの機能をこれ以上強化するのが難しくなっていました。
そこで、Microsoftでは、よりモダンで使いやすいターミナルアプリとして、「Windows Terminal」をオープンソースプロジェクトとして開発しています。
「Windows Terminal」の特徴は、次のとおりです。
- Windows10やWindows11で利用可能
- Microsoft StoreやGitHubのページ、Wingetから無償ダウンロードが可能
- コマンドプロンプト・PowerShell・WSLなど、複数のシェルをタブで切り替えたり、画面を分割して表示可能
- ターミナルの背景色や壁紙、フォントのカスタマイズが可能
- UnicodeおよびUTF-8をサポート
- GPUアクセラレーションによる高速テキストレンダリングをサポート など
「Windows Terminal」の使い方
「Windows Terminal」の入手は、Windows10なら「Microsoft Store」から入手するのが簡単で更新もラクです。また、Windows11では標準搭載されています。
インストールしたら、スタートメニューから起動できます。
「Windows Terminal」を起動すると、以下のような画面が表示されます。
デフォルトで起動するシェル(プロファイル)は、一般的な環境では「Windows PowerShell」ですが、設定画面から変更することもできます。
「Windows Terminal」から起動できるシェル(プロファイル)は、デフォルトでは「コマンドプロンプト」「Windows PowerShell」「Azure Cloud Shell」の3つですが、「PowerShell Core」「WSL」がインストールされている環境では、これらも選択肢として表示されます。
タブによる切り替え・画面分割
「Windows Terminal」では、複数のシェルを起動してタブで切り替えながら利用できるので、これまでのようにコンソールウィンドウだらけになることはありません。
また、新たなシェル(プロファイル)を起動するときに「Alt」キーを押しながら選択すれば、以下のように一つのタブで画面を分割して表示することもできます。
設定
「Windows Terminal」の各種設定はメニューの「設定」から行います。
設定項目の多くは設定画面上で行うことができますが、一部の設定は画面左下の「JSONファイルを開く」をクリックして設定ファイルを編集する必要があります。
以下の画面は、設定ファイル「settings.json」をメモ帳で開いたところです。
プロファイルの追加
「Windows Terminal」では、デフォルトで「コマンドプロンプト」「Windows PowerShell」「Azure Cloud Shell」の3つのプロファイルしか用意されていませんが、設定画面からプロファイルを追加することもできます。
たとえば、Windows10や11に標準搭載されている「SSHクライアント」コマンドを使って、SSHによるリモート接続用のプロファイルを作成することで、Windows TerminalからLinuxマシンなどにSSH接続することもできます。
あとがき
他のターミナルアプリと比べても機能的に十分なので、コマンドプロンプト・PowerShell・WSL(Windows Subsystem for Linux)などをよく利用している方におススメです。