「man」コマンドは、コマンドやファイルなどについてのマニュアルページを表示するコマンドです。使いたいコマンドのオプションなどを確認するときに、manコマンドを効率よく使えば作業効率もアップするかもです。
ここでは「man」コマンドの基本的な使用方法について紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のディストリビューションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
# cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 7.4.1708 (Core)
書式とオプション
書式
man [オプション] [セクション] コマンド名/キーワード
主なオプション
主なオプションは、以下のとおりです。
オプション | 説明 |
---|---|
-a | すべてのセクションのマニュアルを表示します。 |
-f | 指定されたキーワード(完全一致)を含むマニュアルを表示します。 |
-k | 指定されたキーワード(部分一致)を含むマニュアルを表示します。 |
manページの主な見出し
主な見出しは、以下のとおりです。
見出し | 説明 |
---|---|
NAME | コマンドの名前と簡単な説明が記載されています。 |
SYNOPSIS | 書式(オプションや引数)が記載されています。 |
DESCRIPTION | 詳細な説明が記載されています。 |
OPTIONS | 指定できるオプションの説明が記載されています。 |
FILES | 設定ファイルなどの関連するファイルについて記載されています。 |
SEE ALSO | 関連する項目について記載されています。 |
セクション
manページには「セクション」という分類があり、同一の名前で異なる内容のドキュメントを扱えるようになっています。
セクション | 説明 |
---|---|
1 | ユーザーコマンド |
2 | システムコール |
3 | ライブラリ |
4 | デバイスフィル |
5 | ファイルフォーマット |
6 | ゲーム |
7 | その他 |
8 | システム管理コマンド |
9 | Linux独自のカーネル用コマンド |
使用例
crontabコマンドのマニュアルを表示するには、以下のように実行します。
# man crontab
crontabというキーワードに完全一致するマニュアルを調べるには、以下のように実行します。
# man -f crontab
crontab (1) - maintains crontab files for individual users
crontab (5) - files used to schedule the execution of programs
上のコマンドでは、crontabという名前のマニュアルが2つあることがわかります。ちなみに、カッコ内の数字はセクション番号です。
crontabというキーワードに部分一致するマニュアルを調べるには、以下のように実行します。
# man -k crontab
anacrontab (5) - configuration file for Anacron
crontab (1) - maintains crontab files for individual users
crontab (5) - files used to schedule the execution of programs
crontabs (4) - configuration and scripts for running periodical jobs
上のコマンドでは、crontabという名前を含むマニュアルが4つあることがわかります。
/etc/crontabファイルのフォーマットに関するマニュアルを表示するには、以下のように実行します。
# man 5 crontab
manページの操作
表示しているmanページの操作は、以下のキー操作で行います。
キー操作 | 説明 |
---|---|
↑キー | 上方向に1行スクロールします。 |
↓キー | 下方向に1行スクロールします。 |
スペースキー | 下方向に1画面スクロールします。 |
bキー | 上方向に1画面スクロールします。 |
qキー | 終了します。 |
/検索文字列 | 下方向に文字列を検索します。 |
?検索文字列 | 上方向に文字列を検索します。 |
manページを表示するためのデフォルトページャーはlessです。変更も可能なようです。
あとがき
manコマンドを効率よく利用できれば、Linuxへの理解もより深まるでしょう。英語の読解力が多少なりとも必要にはなりますが。。