オフィスや自宅で紙の書類を電子ファイル(PDFファイル)として保存したい場合、まず思いつくのは複合機を使ってPDF化する方法ですが、複合機を使わずともスマホで簡単に紙の書類をPDFファイルにできるのを知っていましたか?
そこでここでは、Android端末で紙の書類をスキャンしてPDFファイルとして保存でき、文字認識(OCR処理)もできるアプリ「Adobe Scan」を紹介します。

目次
Adobe Scanとは
「Adobe Scan」は、紙の書類を撮影するだけでPDFファイルとして保存できるAdobe製のアプリで、AndroidとiOS向けに提供されています。
Adobe Scanでは、紙の書類をPDF化するときに文字の認識(OCR機能)も行ってくれるので、PDF化したファイルはテキスト検索も可能になります。
紙の書類をPDFファイルとして保存したいときにおすすめのアプリです。
Adobe Scanの使い方
起動~撮影
「Adobe Scan」アプリを起動したら、まずはAdobe IDでログインします。
Adobe IDをまだ持っていない場合は「新規登録」から登録するか、FacebookやGoogleのアカウントを利用してログインすることもできます。
Android端末なら、Googleアカウントでログインするのが簡単です。
ログインするとカメラが起動するので、PDF化したい書類を撮影します。
ここでは例として、名刺を撮影します。
画面上部に「自動キャプチャオン」と表示されているときは、カメラが書類を自動的に認識しキャプチャしてくれ、「自動キャプチャオフ」のときは、画面下部のシャッターボタンをタップしてキャプチャします。
編集
書類をキャプチャしたら、右下の「スキャン一覧」をタップし、キャプチャした画像を編集します。
編集可能な項目は、次のとおりです。
- ファイル名の変更
- 別の画像を撮影して追加
- 「Adobe Scan」以外で撮影した画像を追加
- 画像の順番を入れ替える
- 画像のトリミング
- 画像の回転
- 画像の色補正
- 指定した画像を削除
2019/10/24追記:
バージョン19.10.10では、編集機能として「消しゴムツール」が追加され、撮影の際に入り込んでしまった汚れや不要な要素を、周囲の色や指定した色で消すことができるようになりました。
この技術には「Photoshop」や「Lightroom」などの有償製品で利用されている画像処理技術が応用されているようです。
保存
編集が終わったら、右上の「PDFを保存」をタップすることで、キャプチャした画像が1つのPDFファイルとして保存されます。
なお、PDF保存時には文字認識(OCR)が行われるので、保存が完了するまでに若干時間がかかります。
PDF化されたファイルは、クラウド上(Adobe Document Cloud)に保存されており、「共有」をタップして、PDFファイルへのリンクを共有したり、PDFファイルを別のアプリで開いてローカルに保存することができます。
また、端末内に「Adobe Acrobat Reader」アプリがインストールされている環境では、「Acrobatで開く」をタップすれば「Adobe Acrobat Reader」で開くこともできます。
Adobe Scanの設定をカスタマイズする
Adobe Scanの設定画面では、データ通信・OCR機能・データ保存について設定をカスタマイズできます。
「携帯電話ネットワークの使用を許可」をオンにすると、Wi-Fiなどの無線LAN以外でも通信を行ないます。通信量が気になるときはオフにしたほうが良いかもしれません。ちなみに、オフライン環境で撮影したデータはローカルに保存することができます。
「保存したPDFに対してテキスト認識を実行」ではOCR処理のオンオフ、「テキスト認識言語」では日本語以外の言語も選べます。
「元の画像をギャラリーに保存」をオンにすると、撮影した時の元データがローカルに保存され、PDFとは別に画像も残しておきたいときはオンにします。
あとがき
OCRでの識字率は他のOCR機能を搭載したアプリと比べても遜色なく、作成したPDFファイルのテキスト検索も問題なく行えます。
また、クラウドにデータが保存されるので、スマホだけでなくパソコンからも「Adobe Acrobat Reader」アプリを使って、クラウド上のファイルを閲覧/編集でき、仕事/プライベート問わず、Androidスマホを使って紙の書類をスキャンしてPDFファイルとして保存したいときのイチ押しあぷりです。