Windows 10マシンを使って外出先から社内のネットワークに接続する場合や、リモートワークでよく利用されるVPN接続ですが、毎回「スタート」メニューから「設定」>「ネットワークとインターネット」>「VPN」を開いて接続する必要があり、そのままの状態で利用するのは結構面倒です。
そこでここでは、Windows 10でVPN接続を作成する方法と、接続用・切断用のショートカットを作成する方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1803 |
VPN(Virtual Private Network)とは
企業などでは、地理的に離れた場所にあるコンピューター同士で安全に通信を行いたい場合、回線事業者により提供される、公衆回線と物理的に分けられた専用の回線を利用する「専用線」というサービスが利用されてきました。
ですが、専用線は物理的な設備、敷設を要するためにコストが高く、複数の拠点を構えているような企業でもない限り、導入ハードルはとても高いものでした。
そこで、インターネットが普及し始めた2000年ごろから、既存の公衆回線を仮想的に専用線化して、低コストで専用線に近いセキュリティを実現する仕組みとして「VPN(Virtual Private Network)」が生まれました。
VPNでは「認証」「トンネリング」「暗号化」という3つの仕組みで、通信の識別や、セキュリティの確保を行っており、現在では、多くの企業や個人で利用されており、特に最近はリモートワークの手法として注目を集めています。
VPN接続の作成
まずは、Windows 10でVPN接続を作成します。
「スタート」メニューから「設定」>「ネットワークとインターネット」を開き、画面左メニューから「VPN」を選択します。
「VPN接続を追加する」をクリックし、接続情報を入力します。
上の画面で設定できるのは、基本的な設定項目のみになります。詳細な設定が必要な場合は、「アダプターのオプションを変更する」をクリックし、追加したVPN接続のプロパティ画面で設定します。
プロパティ画面
接続/切断用ショートカットの作成
VPN接続を作成し接続を確認できたら、接続用のショートカットと切断用のショートカットを作成します。
デスクトップのなにもないところを右クリックし、メニューから「新規作成」>「ショートカット」をクリックします。
ショートカットの作成画面で「項目の場所を入力してください」の欄に次のように入力して「次へ」をクリックします。
- 接続用:C:\Windows\System32\rasphone.exe -d <VPN接続名>
- 切断用:C:\Windows\System32\rasphone.exe -h <VPN接続名>
<VPN接続名>には、Windows 10の「VPN接続を追加する」で作成した「接続名」を指定します。
ショートカットの名前はわかりやすい名前をつけて「完了」をクリックして完了です。
これで、デスクトップのショートカットをダブルクリックすると、VPN接続のダイアログが表示され、効率よく接続できるようになります。
また、ショートカットを作成しておけば、ユーザー名だけを保存しておいてパスワードは毎回入力するようにできるため、セキュリティ上パスワードは保存したくない場合や、ワンタイムパスワードなどを利用している場合の使い勝手が良くなります。
あとがき
接続/切断用のショートカットを作成しておけば、VPN接続までの手順が簡略化されて、使いやすくなると思います。お試しあれ。