Windows10でアプリをインストールする場合、通常はそれぞれのアプリが配布されているWebサイトからインストーラーをダウンロードしてインストールするという流れになりますが、数が多くなると結構面倒な作業です。
そこでここでは、アプリのインストールや更新といったパッケージの管理をコマンドラインで行える、Microsoft提供のパッケージ管理ツール「winget」を紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows10 Pro 64bit | 21H1 |
winget | 1.1.12653 |
wingetとは
Windows パッケージ マネージャー | Microsoft Docs
「winget(Windows Package Manager)」は、Microsoftが開発/提供している無料のパッケージ管理ツールで、アプリのインストールや更新といったパッケージの管理をコマンドラインで行うことができます。
そのため、スクリプトを使って多数のアプリを一括でインストール/更新することができ、いちいち配布先からパッケージをダウンロードしてインストールする面倒がなく、手早く環境構築を行いたいときに便利なツールです。
wingetの入手
wingetは「Microsoft Store」または「GitHub」から入手できますが、Microsoft Storeからインストールすれば自動的に更新してくれるので、通常はMicrosoft Storeからのインストールをおススメします。
手順は、次のとおりです。
まず、Microsoft Storeを起動し、検索ボックスに「アプリ インストーラー」と入力します。
すると、検索ボックスの下に候補として「アプリ インストーラー」が表示されるので、これをクリックします。
「アプリ インストーラー」画面が開くので「入手」をクリックしてインストールします。
インストールが完了したら、コマンドプロンプトを起動し「winget」と入力してエンターキーを押し、以下の画面のようにwingetのヘルプが表示されたらOKです。
wingetの使い方
wingetはコマンドラインツールなので「コマンドプロンプト」もしくは「PowerShell」から利用します。
wingetの書式は次のとおりで、基本的にはサブコマンドで何をするかを指定します。
> winget <サブコマンド> <サブコマンドオプション>
以降では、基本的な使い方として、アプリの検索・インストール・更新・アンインストール方法について紹介します。
アプリを探す
インストールするアプリを探すときは「winget show」または「winget search」を利用します。
「winget show」では、インストール可能なアプリの一覧を取得できます。
> winget show > D:¥wingetlist.txt
なお、アプリの一覧は2千行を超えるため、上のようにテキストファイルに出力してから、テキストエディタで開いて検索するほうが良いでしょう。
アプリ名をもとに検索したいときは「winget search」を利用します。
たとえば、Webブラウザ「Google Chrome」を検索したいときは、次のように実行します。
> winget search "Google Chrome"
すると、以下のように検索結果が表示されます。
アプリをインストールする
インストールしたいアプリが見つかったら、次のコマンドを実行してアプリをインストールします。
> winget install -h --force --id <アプリケーションID>
「-h」オプションは、サイレントインストールを指定しており、アプリケーションIDは、アプリを検索したときに確認できます。
たとえば「Google Chrome」をインストールするときは、次のように実行します。
> winget install -h --force --id Google.Chrome
なお、アプリによってはインストール時に管理者権限が必要なものがあり、その場合は管理者権限でコマンドプロンプトやPowerShellを起動してから上のコマンドを実行します。
アプリを更新する
次のコマンド実行すると、更新可能なアプリの一覧を確認できます。
winget以外でインストールしたアプリも、更新可能なら一覧に表示してくれるようです。
> winget upgrade
更新可能なアプリを一括更新するときは、次のようにコマンドを実行します。
> winget upgrade -h --all
特定のアプリのみを更新したいときは、アプリケーションIDを指定して次のようにコマンドを実行します。
> winget upgrade -h --id Google.Chrome
アプリをアンインストールする
次のコマンド実行すると、インストール済みアプリの一覧を確認できます。
> winget list
特定のアプリをアンインストールするときは、アプリケーションIDを指定して、次のようにコマンドを実行します。
> winget uninstall -h --id Google.Chrome
スクリプト化するときは
wigetを利用して、複数のアプリを一括インストールするときは、バッチファイルなどでスクリプト化するのがおすすめです。
以下に、サンプルコードを記載するのでご参考までに。
@echo off
REM Powertoys
winget install -h --force --id Microsoft.Powertoys
if %ERRORLEVEL% NEQ 0 Echo install failure.
REM Terminal
winget install -h --force --id Microsoft.WindowsTerminal
if %ERRORLEVEL% NEQ 0 Echo install failure.
あとがき
「winget」リポジトリからインストールできるアプリは、現在2,800を超えており、最新バージョンでは「Microsoft Store」からもアプリをインストールできるようになったため、今後wingetを使ったアプリの管理がより便利になるのではないでしょうか。
お試しあれ。