2020年4月ごろの品質更新プログラムにより、Windows10 Pro/Enterpriseのバージョン1803以降で、グループポリシーやレジストリ設定により、Windows10を特定のバージョンで維持(固定)できるようになったようです。
半年に一度の機能更新は、ここ最近公開当初に不具合がいくつも報告されることが慣例になってしまっているため、最新より前の安定したバージョンを使い続けたいといった場合に有効な手段となりそうです。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows10 Pro 64bit | 2004 |
グループポリシーで設定する方法
グループポリシーで設定する場合は「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「Windowsコンポーネント」>「Windows Update」>「Windows Update for Business」にある「ターゲット機能更新プログラムのバージョンを選択する」を構成します。
たとえば、バージョン1909で維持(固定)したいときは、設定画面で「機能更新プログラムのターゲットバージョン」に「1909」と入力します。
グループポリシーを設定したら、設定を確実に適用するためにマシンを再起動しておきましょう。
なお、設定を解除したいときは、上の設定項目を「未構成」に設定し直します。
レジストリで設定する方法
レジストリ設定で、バージョンを維持(固定)するときは、管理者権限でコマンドプロンプトを起動して以下の2つのコマンドを実行します。
2番目のコマンドでは、維持(固定)したいバージョンを指定します。(以下の例では、バージョン1909を指定しています。)
C:\> REG ADD HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v TargetReleaseVersion /t REG_DWORD /d 1 /f
C:\> REG ADD HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v TargetReleaseVersionInfo /t REG_SZ /d 1909 /f
レジストリを設定したら、設定を確実に適用するためにマシンを再起動しておきましょう。
なお、設定を解除したいときは「REG DELETE」コマンドなどで、上で作成したレジストリキーを削除します。
C:\> REG DELETE HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v TargetReleaseVersion
C:\> REG DELETE HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v TargetReleaseVersionInfo
あとがき
ここで紹介した設定を行うと、指定したバージョンより新しいバージョンの機能更新プログラムは、Windowsの「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows Update」画面に表示されなくなります。
また、指定したバージョンに維持(固定)できるのは、そのバージョンのサポートが終了するまでのようです。