Windows 10マシンで、デモ・プレゼン・レクチャーを行うとき、デスクトップの一部を拡大表示して、注目してほしい箇所を指し示したいときがあります。
Windows 10にも標準機能として「拡大鏡」というツールがありますが、拡大鏡は拡大するだけのツールのため、デモ・プレゼン・レクチャーに利用するには機能的に物足りないところがあります。
そんなときに役立つのが、Windows Sysinternalsで提供されている「ZoomIt」です。
ZoomItは、デスクトップをホットキーで拡大表示したり、マウスで自由に線を描いたりできるMicrosoft製のツールです。
そこでここでは、ZoomItの使い方などを紹介します。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1903 |
ZoomIt | 4.5 |
ZoomItの使い方
ZoomItの起動
ZoomItを利用するには、以下のWebページからダウンロードして、ZIPファイルを展開して利用する方法と、「Live Sysinternal」というサービスを利用して、インターネット上で公開されているZoomItを直接実行する方法があります。
- ダウンロードページ:ZoomIt - Windows Sysinternals | Microsoft Docs
- 直接実行する場合のパス:https://live.sysinternals.com/ZoomIt.exe
インターネットに接続されたマシンでZoomItを利用するなら「Live Sysinternal」を利用し、そうでないならツールをダウンロードして利用しましょう。
ZoomItを起動すると、初回の起動時には「ZoomIt License Agreement」画面が表示されるので、内容を確認し「Agree」をクリックします。
起動すると、ZoomItはタスクトレイに常駐し、拡大表示などの各種機能は、ホットキーを押して呼び出します。
マウスポインター部分を拡大する
「Ctrl」+「1」キーを押すと、マウスポインターの位置を中心にデスクトップを拡大表示する「ズームモード」に移行します。
ズームモード中は、拡大位置をマウス操作で移動させることができ、拡大率はマウスホイールを回すか、上下の矢印キーで調節できます。
通常表示に戻すときは「Esc」キーを押すか、マウスを右クリックします。
注意点としては、ズームモードや下の描画モードでは、画面を拡大するとその時点の静止画面が表示されています。そのため、拡大したままアプリを操作したり、画面の変化は拡大画面には反映されません。
線や図形を描く
「Ctrl」+「2」キーを押すか、ズームモード中にクリックすると、画面上に線・図形・文字を描ける「描画モード」に移行します。
基本は、マウスをドラッグすることで赤い自由線を描くことができます。
それ以外にも、以下のようにさまざまな操作が可能です。
機能 | 操作 |
---|---|
直線を描く | 「Shift」キーを押したまま、マウスをドラッグ |
矢印線を描く | 「Shift」+「Ctrl」キーを押したまま、マウスをドラッグ |
四角形を描く | 「Ctrl」キーを押したまま、マウスをドラッグ |
楕円を描く | 「Tab」キーを押したまま、マウスをドラッグ |
文字を入力 | 「t」キーを押す。(文字入力モードへ移行) |
拡大領域をコピー | 「Ctrl」+「c」キー |
1つ前の描画を取り消す | 「Ctrl」+「z」キー |
拡大領域を保存 | 「Ctrl」+「s」キー |
すべての描画を消去 | 「e」キー |
画面を背景色で消す | 「w」キー |
画面を黒く消す | 「k」キー |
文字を入力する
描画モードで「t」キーを押すこで移行できる「文字入力モード」では、画面上に文字を入力することができます。なお、残念ながら日本語は入力できません。
注意点としては、文字入力モードで「Esc」キーを押すかマウスを右クリックした場合は、通常表示に戻るのではなく、描画モードに移行します。
なので、通常表示に戻るには「Esc」キーを2回押すか、マウスを2回右クリックします。
ペンの太さと色を調節する
描画モードや文字入力モードでのペンの太さと色は、以下の操作で変更することができます。
機能 | 操作 |
---|---|
ペン先を太さを変える | 左「Ctrl」キーを押したまま、マウスホイールを回す |
ペンの色を赤に変える | 「r」キー |
ペンの色を青に変える | 「b」キー |
ペンの色を緑に変える | 「g」キー |
ペンの色をオレンジに変える | 「o」キー |
ペンの色を黄に変える | 「y」キー |
ペンの色をピンクに変える | 「p」キー |
拡大したまま通常操作する
ズームモードや描画モードでは、画面を拡大するとその時点の静止画面が表示されるため、拡大したままアプリを操作したりできませんが、「Ctrl」+「4」キーを押すと、拡大表示したまま通常のマウス操作が可能な「ライブズームモード」を利用できます。
ただし、ライブズームモードは、環境により正常に動作しないケースもあるようなので、使用する際は事前に動作確認をしっかり行いましょう。
なお、通常表示に戻すには、「Ctrl」+「4」キーを押します。ズームモードや描画モードのように「Esc」キーや右クリックでは戻らないないのでご注意ください。
カウントダウンタイマーを表示する
「Ctrl」+「3」キーを押すと、画面上にカウントダウンタイマーが表示されます。
タイマーの開始時間は、デフォルトは10分ですが、マウスホイールで開始時間を変更することができます。
また、上記の「ペンの太さと色を調節する」で紹介した色を変更するキーで、タイマー表示の色を変更することもできます。
設定を変更する
タスクトレイのZoomItアイコンをクリックして「Options」をクリックすると設定画面が表示されます。
設定画面は、モードごとにタブが分かれており、ホットキーや拡大倍率・フォントなどの設定を変更することができます。
あとがき
タスクトレイに常駐させておけば、いざというときに役立つツールです。特に、デモ・プレゼン・レクチャーなどの機会が多い方にはおススメです。