from:MariaDB.org
CentOS 7上で稼働しているMariaDBを10.2から10.3へアップグレードする手順を紹介します。
なお、10.2と10.3の違いについては、以下のWebサイトが参考になるでしょう。
Upgrading from MariaDB 10.2 to MariaDB 10.3 - MariaDB Knowledge Base
アップグレード手順
既存データのバックアップ
万が一に備え、アップグレード実施前に、既存データと設定ファイルをバックアップしておきます。
データベースについては、以下のコマンドでバックアップします。
# mysqldump -u root -p --all-databases > /tmp/all_db_backup.sql
設定ファイルについては、以下のファイルとディレクトリを別のディレクトリコピーしてバックアップしておきます。
- /etc/my.cnf
- /etc/my.cnf.d
MariaDBサービスの停止
バックアップが済んだら、Mriadbのサービスを停止します。
# systemctl stop mariadb
パッケージのアンインストール
既存のMariaDBパッケージをアンインストールします。
# yum remove MariaDB
依存関係により、意図せず他のパッケージがアンインストールされる可能性があるので、yumコマンド実行する際は「-y」オプションは付けずに実行し、何がアンインストールされるのか必ず確認しましょう。
repoファイルの編集
MariaDB用のrepoファイルの内容を、MariaDB10.3用に修正します。repoファイルは、通常であれば「/etc/yum.repos.d/MariaDB.repo」となります。
repoファイルの内容は、以下のサイトでOS・バージョンなどを選択することで作成することができます。
MariaDB - Setting up MariaDB Repositories - MariaDB
MariaDB10.3のインストール
repoファイルを作成したら、そのrepoファイルを指定してMariaDB10.3をインストールします。
# yum install --enablerepo=mariadb MariaDB-server MariaDB-client
設定ファイルの修正
インストールが完了したら、バックアップしておいた設定ファイル「my.cnf」と、設定ファイル用のディレクトリ「my.cnf.d」を元の場所に戻します。
なお、10.3用の新しい設定ファイルが作成されている場合は、既存の設定ファイルの内容との差分を確認して、新しい設定ファイルの方に必要な設定内容を入力します。
サービスの起動と自動起動設定
設定が完了したら、サービスを起動し、システム起動時に自動起動するように設定しておきます。
# systemctl start mariadb
# systemctl enable mariadb
システムテーブルのアップグレード
インストールしたMariaDBのバージョンに合わせてシステムテーブルをアップグレードします。
# mysql_upgrade -u root -p
コマンドが正常に完了すれば、MariaDBのアップグレードは終了です。
あとがき
安定稼働しているサーバーでは、ソフトウェアのアップグレードはためらわれますが、新機能やパフォーマンスアップに期待できる場合もあります。
ここで紹介したように、カンタンな作業でアップグレードできるので、古いバージョンを利用されている方は、アップグレードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、何も起きないとは保証できませんが。。。