手持ちの古いノートパソコンをCloudReadyでChromebook化して、現在セカンドマシンとして利用しています。
デフォルトの設定のままでの十分に使い勝手のよいCloudReadyですが、外出先なども利用することが想定されるなら、ここで紹介する2つの設定を行っておくことで、よりセキュリティを強化できます。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
CloudReady Home Edition | 70.4.39 |
PINによるロック解除
CloudeReadyでは、通常、画面のロックを解除するときは、ログインに使用するGoogleアカウントのパスワードを入力します。
ですが、Googleアカウントのパスワードには、複雑なパスワードを設定して安全性を高めていることが多く、複雑なパスワードをロック解除のたびに入力するのは大変です。
そんな時は、PINを設定しておけば、すばやく画面のロックを解除することができ、ログイン時以外でGoogleアカウントのパスワードを入力せずに済み、セキュリティ的にも安心です。
PINを設定する手順は、次のとおりです。
設定手順
CloudReadyの設定画面を開き「ユーザー」>「画面ロック」を順にクリックします。
パスワードの入力画面が表示されるので、ログインに使用しているGoogleアカウントのパスワードを入力し「確認」ボタンをクリックします。
「画面ロック」の設定画面が表示されたら、画面ロックの種類で「PIN またはパスワード」を選択して「PINを設定」ボタンをクリックします。
PINの入力画面が表示されるので、PINを設定します。なお、PINには6桁以上の数字を設定します。
設定が完了すれば、ロック画面でパスワードだけでなく、PINを入力することでもロックを解除できるようになります。
chronosユーザーにパスワードを設定する
本手順は、OSをアップデートするたびにやり直す必要があります。また、本手順を実行するには、後述する「Rootfs Verification機能の無効化手順」を事前に実施しておく必要があります。
CloudReadyには、rootとchronosという2つのユーザーが存在しており、「CloudReady Home Edition」のchronosユーザーには、デフォルトでパスワードが設定されていません。
そのため、ターミナル(crosh)上でshellコマンドを実行すれば、管理者権限が必要なコマンドをパスワードなしで実行できて便利ではありますが、セキュリティ的に少し心配です。
そこで、chronosユーザーにパスワードを設定することで、管理者権限でのコマンド実行を制限でき、セキュリティを向上させることができます。
手順は、次のとおりです。
まず、ショートカットキー「Ctl+Alt+t」で「ターミナル」を起動します。
ターミナルが起動したら「shell」と入力しエンターキーを押しbashを起動します。bashが起動すると、プロンプトが「crosh>」から「chronos@localhost」に変わります。
次のコマンドを実行して、ルートファイルシステムに変更を加えることができるようにします。
$ sudo mount -o rw,remount /
次のコマンドを実行して、chronosユーザーのパスワードを設定します。
$ sudo passwd chronos
パスワード変更が完了したら、次のコマンドを実行して、ルートファイルシステムに変更を加えることができないよう設定を戻します。
$ sudo mount -o ro,remount /
以上で設定完了です。
次回からchronosユーザーのパスワードを入力しないと、管理者権限が必要なコマンドは実行できなくなります。
なお、CloudReadyのKnowledge Baseを確認したところ、rootのパスワードは変更しないことが推奨されています。
Knowledge Base – CloudReady
「Rootfs Verification」を無効化する
CloudReadyには「Rootfs Verification」と呼ばれるセキュリティ機能が搭載されており、ルートファイルシステムに予期しない変更が検出されると、OSの起動プロセスを停止することで、OSの改ざんを防いでくれています。
そのため、「chronosユーザーのパスワード変更」などのように、意図的にルートファイルシステムに変更を加える場合は、事前にこの機能を無効化しておく必要があります。
「Rootfs Verification」を無効化する手順は、次のとおりです。
なお、本機能を無効化にすると、システムの改ざんに対するセキュリティは低下します。
まず、ショートカットキー「Ctl+Alt+t」で「ターミナル」を起動します。
ターミナルが起動したら「shell」と入力しエンターキーを押しbashを起動します。bashが起動すると、プロンプトが「crosh>」から「chronos@localhost」に変わります。
以下のコマンドを実行して「Rootfs Verification」を無効化します。
$ sudo disable_verity
なお、設定を適用するために次のコマンドを実行してマシンを再起動します。
$ sudo reboot
以上で設定完了です。
なお「Rootfs Verification」を無効化して、ルートファイルシステムになにがしかの変更をすると、「Rootfs Verification」を再度有効化することはできません。
あとがき
CloudReadyを使い始めてまだ日が浅いので、まだまだ使いこなせているとは言えませんが、これからもどんどん使い倒して、おススメ設定があればまた紹介したいと思います。