自宅にある古い低スペックのWindows 7ノートPCにChromiumOSの派生OS「CloudReady」を導入し、Chromebook化てみました。
ここでは、古いノートPCに導入したCloudReadyの使用感などを紹介したいと思います。
ちなみに、CloudReadyを導入したノートPCのスペックは次のとおりです。
- 製品:Acer Aspire one 753
- CPU:Celeron Dual-Core U3400/1.06GHz/2コア
- メモリ容量:4GB
- ディスク:64GB SSD
CloudReadyの概要や導入手順については、以下の記事をご覧ください。

目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
CloudReady | 70.4.39 |
見た目はシンプル
インストール直後のデスクトップは以下の画像のような感じで、全体的にシンプルな感じです。
壁紙は、カスタマイズが可能で、シェルフの右端に表示されている時計をクリックした画面では、主な機能のオン/オフや調節ができ、バッテリーの残量を確認することもできます。
また、設定画面は「Google Chrome」の設定画面に似ています。
アクセス可能なフォルダーは少ない
ユーザーがアクセス可能なフォルダーは、ローカルのダウンロードフォルダーと、オンラインのGoogleドライブのみです。
ちなみに、USBメモリなどを利用することもできます。
起動やスリープからの回復が早い
PCのスペックに依存するところもありますが、シンプルOSだからなのか起動速度はWindowsなどにくらべて、若干早い印象です。私のマシンでは、ログイン画面が表示されるまでの時間は15秒ほどです。
また、スリープからの復帰も早く、2秒ほどでデスクトップ画面が表示されます。
バッテリー持ちが良いかも・・
今回は8年以上前のノートPCの再利用なので、バッテリーは劣化しまくっており、駆動時間は最初から短いですが、それでもCloudReadyを導入する前のWindows 10と比較すると、バッテリーの持ちは良い印象です。
Webの閲覧は「Google Chrome」と同じ
Webの閲覧は、WindowsやMacで「Google Chrome」を利用したときと違いはほとんどなく、Youtubeなどでの動画鑑賞も問題なくできます。
ただし、Flashコンテンツや、H.264やMP4などのメディアファイルを再生するには、設定画面でメディアプラグインをインストールする必要があります。
アプリや拡張機能の利用
利用可能なアプリや拡張機能は、Chromeウェブストアから入手します。インストール方法は、WindowsやMacの「Google Chrome」で行う場合と同じ手順です。
アプリの数は、Windowsなどに比べると少ないですが、今後に期待というところでしょうか。
インストールしたアプリは、以下のように画面下のシェルフに固定しておけば起動が楽です。
ChromeOSでは、Google Playストアとの統合によりAndroidアプリも実行できるようになりましたが、法的および技術的な制約によりCloudReadyでは利用できないようです。
セキュリティ対策
CloudReadyでは、ChromeOSと同様に、いまのところマルウェア対策を別途行う必要はないと言われています。
理由としては、OSそのものが自動更新・サンドボックス・データの暗号化など機能によって、マルウェアに感染しにくい仕様になっている点や、CloudReadyやChromeOSの市場シェアが、まだまだ発展途上であることが挙げられます。
ですが、ログインに使用するGoogleアカウントや、導入する拡張機能やアプリには注意が必要です。
CloudReadyやChromeOSでは、Googleアカウントを使ってログインするため、パスワード認証だけでは心配です。できれば、Googleアカウントには2段階認証を設定しておきましょう。
また、拡張機能やアプリの中には、知らない間に個人情報などを外部に送信する悪質なものが存在します。公式のアプリストア(Chromeウェブストア)にあるからといって過信は禁物です。
拡張機能やアプリをインストールするときは、アプリの評価やインストール数などを確認して信用できるアプリか判断するようにしましょう。
周辺機器の対応はいまいち
CloudReadyでは、ChromeOSと同様に、周辺機器のデバイスドライバーを自由にインストールすることはできません。USBメモリは利用可能ですが、周辺機器の直接的な接続に関してはWindowsやMacのような自由度はありません。
なお、プリンターについては、「Google Cloud Print」を利用する以外にも、ローカルネットワーク上のプリンターやUSB接続のプリンターを利用することができるようです。
USB接続のプリンターについては確認していませんが、ローカルネットワーク上のプリンターは「設定」>「詳細設定」>「印刷」>「プリンタ」の「プリンタを追加」で、プリンターのIPアドレスを指定するだけで、細かい印刷設定などはできませんが印刷はできます。
Chromeシェルもある
CloudReadyでは、ChromeOSと同様に、Chromeシェル(crosh)というコマンドラインインターフェースがあり、トラブルシューティング、各種情報の表示、詳細設定などで使用するコマンドが用意されています。
croshは、「Ctrl」+「Alt」+「T」 の同時押しで起動でき、ブラウザのタブとして起動します。
よく利用しそうなコマンドには、次のようなコマンドがあります。
コマンド | 説明 |
---|---|
help [command] | コマンドの利用方法を確認できます。 |
help_advance | 利用可能なコマンドを確認できます。 |
uname | OSの情報を確認できます。 |
uptime | 稼働時間などを確認できます。 |
top | CPU使用率、メモリ使用率、起動プロセスを確認できます。 |
free | メモリの空き容量を確認できます。 |
ping | ネットワークの疎通を確認できます。 |
route | ルーティングテーブルを確認できます。 |
tracepath | 経路情報を確認できます。 |
memory_test | メモリの診断ができます。 |
network_diag | 自分のマシンのネットワーク設定の状態を見れる |
battery_test 0 | バッテリーの健康状態を確認できます。 |

あとがき
ざっと使ってみた感じでは、一昔前の低スペックのノートPCでも、セカンドマシンとしてなら十分なパフォーマンスを発揮してくれると感じました。
また、バージョン69以降では、「Linux機能(ベータ版)」をインストールすることで、LinuxアプリやLinuxコマンドを利用できるようにもなっており、どんどん便利になってきています。
Chromium SをベースとしたChromeOSやCloudReadyが、Windows、Macに続く第3のデスクトップOSと呼ばれる日は、日本でもそろそろ来そうな気がします。